伊太利亜はミラノの地に生まれ出でて61年、
貫き通したSingle Lifeに決別を宣言したのが昨年の正月のこと、
齢62を数える今年も半ばになろうとするというのに、未だ何ら変化無しとはこれ如何に?
いやぁ、
私もこれ程時間がかかるとは思ってもみなかったんです。
当初の予定では、
去年の半ば頃にはキャブレターのファーストロットが出来上がっていて、
すり鉢状に狭いジュリエッタのエンジンルームに四苦八苦しながらも(お師さんが)
あの手この手で難題をクリアして(お師さんが)
その年内には走り出せるものだとばかり思っていたのです。
キャブレター自体は去年の1月には発注済み、
5月くらいには出来上がってくるだろうという予定が一月遅れ、二月遅れとズルズル先送りになって一年以上、
ようやく目処がたったと思えば、
出来上がりも金額も当初聞いていたのとは全然違ったモノになってしまっていましたので、
お師さんとも相談の結果、2輪用を自分等で加工して使おう
となったのです。
昨年の段階で分かっていたのは、
ウェーバーやデロルト、ソレックスに比べて全長は遥かにコンパクトであるものの、
(私はコレに飛びついた)
フロートチャンバーが下に長く、
これがジュリエッタでは右フロントサスの付け根も兼ねるサブフレームに、
エンジンルームの横幅が広い105系であっても、
右ハンドルの場合、ステアリングのギアボックスに干渉してしまって、そのままでは付けられない。
(左ハンドルであれば問題ナシ)
それらを回避する為にはキャブレター本体を上方に傾ける必要があり、
お師さんはインマニの加工でそれをクリアしようとされていました。
一番最初は、シリンダーヘッドとの接合面にフライスで角度を付ける方法を試されていて、
角度を付けていくとヘッドと干渉してしまうインマニのウォーターライン
これが邪魔しないからと言って
2000のインジェクション仕様のマニまで何処からか引っ張り出してきて
「こんなのはどうだ?」
う~ん
実際にコレを使うとなると、
インジェクションのホールを塞がなきゃならないし、
そもそも2000のインジェクションって、ポート径小さ過ぎじゃないですか??
(削る余地もあんまり無さそうだし)
こんなやり取りをしていたのが去年のこと、
何本もマニホールドを削って、
どのくらい削ると貫通してしまうのか(どのくらい肉が残るのか)試行錯誤された様ですが、
結論として此処(接合部)をさらって角度を付けるのは余り好ましくないとして
(どうしてもという場合はここで1°でも2°でも稼ぐのでしょうが)
今年に入ってからは、キャブ側のフランジを削る方法に切り替えられたようです。
で、
それがある程度形になって目処がたったという事で、
「そろそろキャブレターの加工をするから手に入れておけ」
となった次第なのです。
前述しました通り、
ちょっとしたトラブルを経て入手したキャブレターを届けがてら、早速目処がたったというその試作マニを観察しに行きました♪
この状態でフランジ面に5°の角度が付けてあるそうです。
それでもかわせなかった場合には、
この更に5°の角度が付いたアダプターを挟んで都合10°上に逃がすのだそうで、
アダプターを介さないで済めば、吸気ポートは少しさらうだけで良さげなのですが
アダプターはそもそも需要の多いポート径の大きな2000に合わせて製作したのでしょう。
テンサン・テンロクのマニと合わせると
段になっちゃいますね、
ライナーを入れて対処するのでしょうか?
こちらが2000のマニとそのアダプター(ロングバージョン)
これもマニで5°とアダプターでもう5°稼いでいますね。
テンサンのウチのにはポート径が大きすぎて使えませんけれど、
サーモスタットがドロップインタイプなのは良いなぁ
ネジ込み式だと固着する可能性がありますし、選択肢がなく汎用品も使えないのです、、。
スロットル・リンケージの試作も出来ていて、
プロトタイプなので、まだ肉抜きもされておらず、ごっついのですが、
こういった細々としたパーツが組み付けられますと、グッと現実味を帯びてきますね!!
キャブレターに関しても、
送られてきた物を手に取ってみて私が感じた懸案事項の一つであった
フューエルホースのニップル
樹脂製のソレは剥き出しであるが故に冷却に優れた2輪ならいざ知らず、
カウンターフロー程ではないとはいえ、熱的に厳しいエンジンルームでの使用において樹脂というのはどうかと思い、
4輪用としてヨシムラから発表された
TMR-MJN 41 4W TWINに使用されている金属製のニップルを手に入れられないものだろうかと、お師さんに相談していましたが、
手に入ったとの事で、
もう1基の試作キャブと共に、ピッチ変換すると同時に交換してくれてありました。
(嬉)
4輪用のTMR-MJN 41 4W TWINでは、
キャブの搭載方法及び2輪とは比較にならない横Gによる燃料の片寄り対策として、
フロートチャンバーにエクステンションをかませたディープ化がなされていましたが、
此処が下方に長くなってしまうのは、我々にとって有り難くないですし、
お師さん曰く
「このままでいけると俺はみている」
そうなので、
むしろ気になるのは燃料の圧送方式の違い(燃料ポンプ使用)に、このキャブレターの針弁圧が対応出来るかどうかという点。
4輪用としてリリースされた物は当然燃料ポンプ使用を前提としているでしょうから、
それとのニードルバルブに違いがあるのかどうか、気になるところです。
今のところお師さんは、デリバリーラインに燃圧レギュレータを入れて対応する予定だとの説明でしたから、
現在のDCD(Weber)には付いているフューエルストレーナーがこのTMRにはありませんので、ラインの途中にストレーナーを入れる事も考慮してもらえるようお願いしておきました。
ここまで来れば事前準備は万端、
あとはいよいよ現車合わせを待つばかり、
通常の車両でありさえすれば、これらの対策でクリア出来るだろうと想像つくのですが···
ここまでしてもすんなりと装着出来るイメージがわかないのです。
ウチのお嬢は尋常でなくエンジン低いからなぁ、、。