2011年02月21日
寝耳に水
19日は日産プリンス茨城が主催する、ツインリンクもてぎの走行会だった。突然の大雪により中止となった、先月の16日の振替である。
見学に行く事にしていた私は、まずは車をKBCに預けている3号店さんを送迎するため、早朝の内に用意を済ませて東武日光線の南栗橋駅へ向かう。
『ひょっとしたら同乗走行もあるかもしれないな』
と思った私は、念のためにヘルメットとグローブをトランクに乗せて家を出ていた。………これが後に、思わぬ結果を招くとも知らずに。
かなり余裕を持って出発したつもりだったのだが、思っていたよりも道路の交通量が多く、結局目的地に着いたのは約束した時間の5分前くらいであった。
それに対して一時間ほども前に着いていた3号店さんと無事に合流し、今度は一路KBCへ。ちょっとした手違いによるトラブルはあったものの、無事にスープラを回収・最終目的地であるツインリンクもてぎへGO。…これが実に遠かった。
web上のルート検索でも案内がかなり複雑だったので覚えきれず、最初から3号店さんの後ろをずっと付いて行く事にしていたのだが、曲がる回数が多い上にかなり近くにならないと案内の看板すら無かったのだ。カーナビでも着けない限り、一人でもてぎに行くのはちょっと無理そうである。
そんなこんなで、ようやくもてぎに到着したのが11時ごろ。
入場ゲートを過ぎて異様に勾配のある道路を奥へ奥へと進み、妙に狭く感じるトンネルを抜けると、ツインリンクの由来であるオーバルコースとロードコースが姿を現した。通路は1・2コーナーと5コーナーの間、すなわち3・4コーナーに向かって伸びており、そこからまたトンネルを抜けてピット付近のパドックへ抜けるようになっていた。さすがは国際サーキット、設備のお金のかかり方が違う。
適当に駐車場へ停車し、3号店さんの知り合いであるDC5ターボ(某雑誌に載ったアレ)の方や、ER34の方にご挨拶。その後、34GT-Rで参加するはずの自分の父親に着いた事を連絡すると、数分後に母親と共に会う事が出来た。…何故かその手には、ゼッケンや紙やペンが握られている。
父親、開口一番に曰く、
『代わりに走れ』
( ゚д゚)…
(;゚д゚)ハイ?
耳を疑う、とはまさにこういう事を言うのだろう。
何でも体調を崩していて、とてもじゃないが走れないから、代走させてもらえるように『話をつけておいた』と。
なんでまたいきなりそういう事になるの!?という当然の疑問をぶつけると…
『だって電話に出ねーんだもん』
…まったく道の分からない所へ向かうので前走車に付いて行くのに必死なのに、運転中に携帯電話に出るという交通違反を犯すバカチンがどこにいますか親父様。
なお、父親の知り合いで参加なさっていたポルシェケイマンの方も、話をつけられた張本人である日産プリンスの方も、本人に前もって話を通してあると思っておられたようで、今回の参加の理由を話す度に笑いが起きたのであった。
…という訳で、タナボタで急きょ(本当に急だ)走者として参加する事となった訳だが、そうなると問題になるのが我がS14である。
何せここは『日本一ブレーキに厳しい』と言われるツインリンクもてぎのロードコース。サーキット走行対応品ではあるもののパッドを変えただけのブレーキでは正直心許ない。それに冷却系もオイルクーラーの装着はおろかラジエーターの大容量化すら行っていない。タイヤは性能に定評のあるFEDERALの595RS-Rだから問題はないものの、何とも不安要素だらけである。
何度かここで走っている父親と3号店さんのアドバイスを元に
・1周攻めたら2周クーリング
・ブレーキの感触が変わったら即刻アタック中止
この2点を厳守する事にし、父親に手伝ってもらいながらゼッケン貼りや計測器の装着などの準備、スタンドから他の走行会の様子の観賞を行い、走行前のドライバーズミーティングの開催を待った。
ドライバーズミーティングでは、まず最初に走行の際の基本的な事項についての説明を受けた。フラッグの意味が少々異なるだけで、内容は筑波サーキットのライセンス講習会の時に受けたものとほぼ同じだった。大きな収穫となったのはその後のレーシングドライバーの方々による講習である。
そのドライバーとは、影山選手と栗原選手。影山選手は時折冗談を交えながら抜く時・抜かれる時の注意点と曲がるための車の走らせ方を、栗原選手は全体的な走行ラインと最も注意すべき4コーナーについて説明してくださり、とてもためになった。
ミーティングが終わって間もなく上級者向けのBクラスの走行が始まった。まずは同乗走行が可能な慣熟走行の時に3号店さんのスープラの横に乗せてもらい、アドバイスを受けながらコース全体の観察を試みる。…とにかく道幅が広かったり、バックストレート(通称:ダウンヒルストレート)によるジェットコースターばりの急降下など、攻略しがいのあるコースであるように感じた。
その後、スタンドから直6ターボとは思えない異様なエキゾーストを残しながら爆走する3号店さんのスープラや、やけに数の多かった32~35のGT-R軍団、音はものすごくかっこいいのに速度が全然比例していない箱スカなどの旧車…等々が走る様子を観戦している内に、私が参加する事になった初心者向けのAクラスの走行時間が迫ってきた。
エンジンを温めながらエンジンルーム内のテーピングや計測器の固定具合、各タイヤの空気圧を確認して、父親と3号店さんに誘導されながらパドックからコースイン。Bクラスと同様に先導車による慣熟走行を挟んだ後、いよいよフリー走行が始まった。
走っている内に感じたのは、『ものすごく走りやすい』という事だった。
ひっきりなしにステアリングやらペダルやらの操作を求められる上に他車とからみやすいTC1000に比べて、もてぎは各コーナー間に適度なウェイトがあって他車とも遭遇しにくかったのだ。TC1000はミニサーキットなのだから比べる方が間違っているかもしれないが、少なくとも走行の際の緊張感はもてぎの方が小さかったのは確かである。…もっとも、車への負担はもてぎの方がはるかに大きいので、どちらも一長一短なのだが。
前述のルールを守りながら走行し、だんだん慣れてきたところで走行時間の終了が迫ってきたのが確認できた。ちょうどアタックを終えたところだったので、クーリング走行に入ろうかな…とゆっくり目に3コーナーに入り、4コーナーを立ちあがろうとしたところ………とんでもないものが目に入った。
それは、右全体がグシャグシャに潰れたGDBインプレッサ。私がコーナーに入る少し前にやってしまったようで、車の隙間という隙間から白煙が上がっていた。父親からも3号店さんからも、そして栗原選手からも『4コーナーは危ない』と聞いたので、私はあえて4コーナーはあまり攻めなかったのだが、まさかこんな形で4コーナーの恐ろしさを目の当たりにするとは思わなかった。
車輌自体はレコードラインからは外れていたので、特にトラブルも無く横を通過する事が出来たが、その後ダウンヒルストレートに入る手前のヘアピンの辺りで赤旗が降られたのを確認、1回目の走行はここで終了となった。
最初にクーリングに入る際に間違えて左に寄ってしまった等のミスはあったが、不安だった水温もブレーキも特に問題は起きず、おおむね問題無く走り切る事が出来た。…問題が起きる領域まで攻め込めなかったとも言えるのだが。
パドックの駐車場に戻って車を停車し、グランツーリスモカフェ(GT5で初期収録コースに入ってないのに…)で昼食を済ませた。店内にハンドルとバケットシートが備わった試遊台もあったが、走行できるコースは何故か富士スピードウェイ。…ちょっと悲しい気分になった。さらに、何やら不具合があったらしくAクラス1回目の走行結果は出力できないとアナウンスがあり、さらに残念感が加速。2回目の走行の目安になるので是非とも結果が欲しかったのだが…。
その後は先ほどの走行前と同様、車の確認とBクラスの走行の様子の観賞に時間を費やし、当日の最終走行であるAクラス2回目の走行を迎えた。
1回目の走行で水温もブレーキもまだ余裕がある事が確認できたので、2回目は2周攻めたら1周クーリング・ただしブレーキの感触が変わったら即刻アタック中止は変えずに走ってみた。さすがに2回目ともなると多少慣れてきたのと、1回目よりも参加車が減っていたのもあって、さらに走りやすくなっていた。
…しかし、周囲のトラブルは1回目の時よりも多く、1周目で早くもZ34がS字の後のV字コーナーで、その後に32GT-Rが3コーナーで、34GT-Rが最終のシケインでそれぞれグラベルに突っ込んでいて、そして立体交差の後の高速右コーナーの先ではS2000が1回目のGDBほどではないもののクラッシュしてしまっていた。先ほどのミーティングで影山選手が
『サーキットでのクラッシュは慣れてきた頃に一番起こりやすい』
とおっしゃっていたが、まさにその現場を何度も見せつけられた気分であった。
イエローフラッグは何度も振られたものの赤旗中断とはならなかったので、今回は走行時間終了まで走り切る事が出来た。水温もブレーキもまだ余裕があったようで、特にトラブルは見受けられなかった。もてぎはストレートが多いためクーリングの際にラジエーターに風が当たりやすい上、私がまだまだ攻め込めていなかったのが良かったのだろう。
2回目はちゃんとタイムがもらえ、ベストラップは2分37秒420であった。セクター別のベストを組み合わせた理想値だとあと1秒は縮められたが、それでも修行が足りない結果となった。
走行会が終わった後は、3号店さんのスープラのブレーキトラブルの対策をしてもらいに再びKBCへ。
今朝と同じ長い長い道程を走り切り、いつも通り店の前の通りに車を停車すると………見慣れないS14前期を発見。辺りは既に真っ暗になっていたので良く見えなかったが、ステアリングが変わっているのはボスの形状で確認できた。
KBCのお客さんで、S14前期で、ステアリングを変えているとなると、全てに該当する方が一人いらっしゃる。これは初のご対面となるかな?と思いつつ店舗内に入ると…
ヽ(゚∀゚)人(゚∀゚)ノみん友の㌍OFFさんでしたヽ(゚∀゚)人(゚∀゚)ノ
マイナーチェンジ前後という違いこそあれ、やはり大元が同じ車に乗っているだけに話が弾む。特にサンルーフ車の室内高の低さを聞いた時には、サンルーフ車の180SXも候補に入っていただけに、やめておいて正解だったな…と思わずにはいられなかった。
また、ホイール交換の相談の際に伺った時と同様、㌍OFFさんのチューニングの見積もりが置かれていたのでついつい見てしまったのだが(というか見せてる?)…前回の時ですらとんでもない内容だったのに、今回の見積もりは内容も値段も大幅にパワーアップしていた。
まさしく頭のてっぺんから足の先までフルチューン。某ロボットアニメで例えると、乗り換える機体がMS-06SのはずがMS-14Sになっていた…というような感じである。正直、ボンネットかルーフにアンテナ(角)が付いていてもいいんじゃなかろうかと思ってしまった。
その後はお店にいらっしゃった皆さんと楽しく過ごし、現品特価のレーシングハーネスに後ろ髪を引かれつつも帰宅の途についたのだった。
今回の走行会の反省点は、TC1000の時と同様に曲がりながらの3→2のシフトダウンがなかなか上手くいかず、最終のシケインで4速に入れてしまった事が2度ほどあった事。あえてシフトをゆっくり目に操作して、ニュートラルに戻ったのを確認してから2に入れるようにしてどうにか入るようにはなったが、もうちょっとカッチリ感のあるシフトフィールが欲しいな…と思った事は言うまでもない。
この件についてKBCで伺ってみたところ、ミッションマウントとエンジンマウントを強化品にすればシフトが暴れにくくなるが、その分振動が増えるし車へのダメージも大きくなると説明を受けた。パワーが上がってきた時には交換しなければならないであろうが、現状はしっかり操作すれば何とかなる範囲ではある。出来るだけ長く乗っていきたい車なので、しばらくは自分の操作精度の向上に努めた方が良さそうだ。
これからどれだけタイムアップできるかは私次第だが、出来る範囲で頑張っていきたいものである。
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サーキット | 日記
Posted at
2011/02/21 22:40:15
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