
新年早々のニュースでご覧になったかたも多いと思いますが、警察庁が歩行者や自転車の多い住宅街などの「生活道路」の制限速度を時速30kmに規制する方針が報道されました。あんしん歩行エリアについては、このブログでも昨年の4月に
当ブログでも取り上げましたが、これは政府による第9次交通基本計画に盛り込まれていたものが、より具体的に進展したことでふたたび報道されたのものです。
内閣府のホームページによると、実際に住宅街における幅員5.5m未満の道路の交通事故は、2009年の交通事故の18.2%を占めているそうで、全死亡事故のなかでは6.8%に達する、典型的な事故が発生しやすい道路といえます。
時速30kmを速いと考えるか、遅いと考えるかは人によって違うかもしれませんが、ゼロクラッシュを支援していただいている東京大学の鎌田実教授に以前お話を伺った際に、時速30kmを境に人身事故の死亡率が大幅に変わってくるというお話を伺ったことがあるので、そのくらいの速度が適正といえるのかもしれません。
埼玉県川口市では数年前に幼児を巻き込んだ大きな自動車事故があったため、地域住民の理解が得られやすく、いち早くこれらの対策が講じられているそうです。川口市役所に問い合わせると、すでに2011年3月以降、一部地区でゾーン30は施行されており、芝地区というエリアでは人身事故が51件から41件に、物損事故が348件から294件に減少したそうです(2010年1〜10月と2011年1月〜10月の比較、川口警察調べ)。
それでも制限速度を設定しても速度を守らないドライバーが減らないのであれば、スピードを出させないように道路にハンプとよばれる凹凸をつくったり、究極的には今後EVに代表されるようなクルマの電子制御化が進めば、ナビと連動して制限速度しか出せなくなるように制御することもできるでしょう。
しかし、個人的には走り方はクルマが決めるのではなく、運転する人間が決めたいと思います。ドライバーの一人一人が道路の空気を読んで、そんな規制を作らせないようにすればいいのでは……と思ったりもするのです。今後こういったゾーン30は2015年までに全国3000カ所に整備されるそうですが、その規制に関わらず、道路の空気を察して、状況にあわせた車速を心がけようと思った2012年の年明けでした。
Posted at 2012/01/16 15:22:41 | |
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