前編より続きます。(ちょっとオーディオの話)
うまいこと言えた流れから、
降りるやいなや
「ちょっとこっちきて正座せんかーーーい!」
「この駐車場ぜんぶ雑巾がけしてこんかーーーい!」
という展開がお約束なのですが、その音を聴いて本当に感心してしまい、考えていた脚本が全て台無しになりました。(笑)
用意した音源の殆どをキッチリと聴かせて頂きました。
自らが調整する方ならわかっていただけるであろうカーオーディオにおける大きな壁の一つ一つに真面目に向き合っている事が音に現れています。
分かりやすく例えれば、
チェンジザワールド/クラプトンの冒頭4つのピッキングの位置と質感の再現とか、
ムーンリバー/ジャシンタの顔の向きとピアノの配置など。
※ジャシンタ(オータムンリーブス)は通常盤と24K盤では異なります。
ジャ太郎さんは、もの凄い高次元でそれらの要素を成立させておられます。
おこがましい例えで大変恐縮なんですが、当日試聴させて頂いた青ちゃんと比較しても圧倒的に完成度が高いと感じました。
私が現在まで出会った多くのオーディオファイルの方々のなかでいちばん尊敬し、敬愛するシンフォマージの小笠さんが作成されたオーディオカーが青ちゃん(パサート)です。
青ちゃんを分析的に試聴すると、気になる点がいくつもあります。
具体的には※各ユニットの音色の違いと音圧バランス
※(音色の違いと音圧バランスの原因は同じである可能性があります。)
スコーカーの音が支配的(キャラクターが強い)等。
でもですね、
小笠さんが造る青ちゃんは毎回仕様が変われども【大切ななにかを絶対に外さない強力な主張】を持っています。
当日も私が試聴させて頂いたとき、オーディオ的快感とは別次元の感覚、音の粒子が自分に向けてまっすぐ飛んできて突き抜けていく感じといいますか。
聴きなれたリファレンス曲なので、どちらかというと分析的に聴いてしまいがちな
この曲で胸が躍り、左手に握り締めたリモコンを振り回し、曲が終わると泣きそうになってました。
小笠さんのお話によると、今週末のアルティメット山陰に来て頂けるそうなので、興味のある方は是非試聴してみて下さい。
大きめのボリュームで全身の力を抜いて音楽に浸ってみてください。
ボリューム上げてスピーカーが壊れても小笠さんは怒るような方じゃないので大丈夫ですよ。
「なんせ、すでにスピーカーに大穴が開いてますから!」わはは!
※宣伝のつもりは無いのでリンク等は控えます。
カー・ホーム問わず、オーディオを突き詰めてゆけば行くほど自分にとっての取捨選択が重要になってくるという真理。
好みの違いや聴力・聴覚、空間認識能力に個人差が明確に現れるオーディオにおいて、よく論議される帯域バランスや音質の絶対評価なんてものは、あってないようなものだと個人的には考えています。
カーオーディオでの再生において優先事項をつけるとするなら、どなたも共通して上位に上げるのは【音楽性の再現】ではないでしょうか。
難しい理論や理屈は抜きに【純粋に聴いていて心地良い】と感じる音であるかということ。
これを細かく紐解けば【位相整合】に突き当たるのだと考えます。
カーオーディオにおいてのさまざまな調整機能は、やもすると余計に音楽性を崩してしまう元凶になったりもします。
この事から、これらを否定し見向きもしない方や、逆に過信しすぎている方も多数いらっしゃるように思います。
私としては「必要悪」だと捉えていますので、必要であれば適宜利用すれば良いと思っていますが、できるだけ
箱(車室内)の特性を踏まえたユニットの物理的な配置を考慮したうえで電気的補正(EQ・TA)を使用したいというのが信条です。
オーディオにおいて重要な要素である
定位(定位感・ステレオイメージ・音場感)はカーオーディオに当てはめてみるとただの結果であるという事です。
カーの場合、音楽性を損なわいように調整していった結果、必ずしも自分が狙った場所に音像が定位するものではありません。
車室内特性(反射やプラスチック素材の共鳴・共振周波数、エコー特性等)、ユニットの選択、ユニットの位置や向き、を最大限に考慮したとしてもホームオーディオのような条件でスピーカー間の中心で音楽を聴ける事は無いのです。
TAという素晴らしい機能を駆使しても、左ドアに対する右ドアの指向性劣化と反射音の差はいかんともしがたく、その部分を定位という基準で無理に合わせ込むと不自然な音になりがちです。
反面、その対策としてダッシュボード(ニア)に基音をあてがっていくと、今度は左右の音圧差の対策も必要になり、単純にレベルを下げて解決するような安定した場所でもありません。
気になる部分を叩いていく調整よりも、自分のコンセプトに則ったサウンドデザインを主張する調整は、着地点に辿り着くまで長く不安が付きまといますが、それこそがオーディオの醍醐味として長く楽しめるのではないでしょうか。
私の調整用音源の中で不動のリファレンスとして活躍している曲を紹介します。
Patricia Barber/Too Rich for my Blood
長くスローな曲なので退屈かも知れませんが、しっかりとしたホームのシステムで聴くとその違いに愕然とすると思います(^^;
次回
「普通、お手製を期待するもんやろ!オトコってやつは。」編
に続きます。
Posted at 2014/05/19 21:01:48 | |
トラックバック(0) | 日記