銀座通り

「黄金の国」と称されたとも言われる中・近世の日本では、金が豊富に流通していたことで、相対的に銀の価値が高かった。
当時世界的には、メキシコから大量に採掘された銀が流通しており、金・銀の交換レートは日本の半分~1/3だったとされる。
幕末の開国を機に通貨の国際取引が解禁されると、このレート差を利用して銀の流入・金の流出が発生。深刻な通貨不足が発生したが、すでに江戸幕府はこれまでと同じ質の貨幣を発行する財力を喪っており、粗悪な貨幣を流通させざるを得なかった。
これがハイパーインフレを招き社会が不安定化。間接的に明治維新の引き金を引いたとみる人もいる。
その重要な銀素材の取引所と、貨幣鋳造所を兼ねた組織が「銀座」で、江戸幕府発足当初は徳川家のお膝元、駿河にあった(現在の静岡市葵区両替町)。
その後江戸開府とともに現在の東京都中央区銀座2丁目付近に移転。「銀座」という組織自体は、所謂「寛政の改革」に伴って幕府直轄事業となり廃止されたが、その名は地名として残された。明治以降、世界的に有名な繁華街に発展し現在に至っている。
私にとって銀座は、ニュートラルに「単なる勤務地」なので、敢えて休日に出掛けることは基本的にない。というか、友達に会うとか飲むとかいった事情がない限り、平日の延長のようになるので行きたいとは思わない。
よく「銀座にお勤めなんて羨ましい」などと言われることがあるが、ファッションセンスの鋭い女性ならいざ知らず、デパートやブティックの類に一切興味も用事もない中年男には、むしろ職場が池袋や新宿にあってくれたほうが、出勤にもアフターの遊びにも便利だったりする。
だから、というわけではないが、当然に賃料の高い銀座に事務所を置く必要性そのものから見直し、賃料の安い他地区への移転も検討したことがあったが、いつの間にか立ち消えになった。
銀座のなかでも私の勤務先がある東銀座に近い地区は、電通の移転や団塊世代の大量退職でオフィス需要が減り、長期凋落傾向にある。店子のこっちが頼みもしないのに、大家のほうから頭を下げて家賃見直し(=値下げ)を申し出てきたらしい。
引越しするにしても、直接の移転経費の他に、案内や封筒、名刺など印刷物を全て作り変えるなど、副次的な経費や手間も大きい。そんなこともあって勤務先が現在の組織体になって以来半世紀以上、銀座の事務所を維持し続けている。
銀座をフルにエンジョイするのは、やはりリタイアしてからになるのだろうか。
住所: 東京都中央区銀座3-6-1 銀座松屋
電話 : 03-3567-1211
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