常磐富岡インターチェンジ

福島県の沿岸部、通称「浜通り」を縦貫する高速道路「常磐自動車道」のインターチェンジ。2014年時点で、東京方面から直通できる最北端となっており、ここより北、仙台迄の全通を期して鋭意工事が進められている。
震災の前年までの3年間、私は仙台で単身赴任生活を送っていた。
最初の2年弱は毎週毎週新幹線で帰宅。最後の1年ちょっとは、折しも民主党政権の目玉政策「高速道路料金一律1000円」が導入され、当時のママの愛車・20系プリウスが遊んでいた(=次男出産のため産休中)こともあって、毎週クルマで埼玉~仙台間を往復していた。
高速道路料金が大幅低減されたお蔭で、ガソリン代や仙台の駐車場代を含めても、プリウスなら明らかに新幹線代よりもオトク。燃料を大量消費する当時の相棒・300GELでもほぼトントンという状況では、長距離運転の疲労さえ我慢できるならクルマを選ばぬ手はない。
基本的には埼玉方面へのアクセスが良い東北道を利用していたが、寄り道の都合(当時の業務担当は福島県を含む東北の太平洋側。かつ義弟も水戸で単身赴任をしていた)で常磐道を経由し、何度となく常磐富岡インターチェンジを利用している。
次男が産まれそうだとの一報を受け、平日午後に急遽仙台から東京都内の病院へ向かった際も、利用したのは福島第一原子力発電所近くを通り、一部は津波の直撃を受けた国道6号線と常磐自動車道だった。
利用者の立場としては設計が古く、トンネルを穿つよりもカーヴや勾配で山間部を逃げる東北道に対し、トンネルを多用し直線的に抜ける常磐道の方が走行し易い。
事実、宮城県内まで全通していないにも関わらず、仙台中心部の再開発ブームで関東方面へ大量発注された高層建築用の鋼材(巨大な柱・梁等々)を積んだトレーラーは、その重さと大きさから東北道の急勾配・急カーヴを嫌い、常磐道を多用していた。
かつての蒸気機関車全盛期。東北方面の特急列車と言えば、距離は短いが蒸気機関車が苦手とする勾配区間が続く東北本線よりも、距離は長くなるが平坦な常磐線こそがメインルートだった状況を彷彿とさせる。
危険が多い東北道にのみ依存する現状は、東北の物流にとって好ましい状況ではない。鉄道とて複数のルートが活きていてこそ強みを発揮することは、震災直後の緊急石油輸送(日本海側から磐越西線経由でタンカートレインを運行)を見ても明らか。早急に常磐道・JR常磐線の復旧と工事区間の完成が求められる。
今はまだ放射線の影響を心配せざるを得ないが、子どもたちがもう少し大きくなり、原子力災害の復旧が順調に進んだなら、この区間を家族でドライヴし次男が産まれる時を心待ちにしながら走った思い出を、車内で話してあげたいと思っている。
住所: 福島県双葉郡富岡町大字上手岡 ※電話番号は料金所を管轄するいわき管理事務所
電話 : 0246-36-0123
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