大江駅

2012(平成24)年秋の或る日、私は後輩職員を伴って名古屋市内に出張した。
駆け足ながら関係先・依頼先・客先を回り、内容的にも充実度の高い出張となった(はず)。
2区間だけはタクシーを使ったが、基本的にはJR・名鉄・地下鉄を利用しての移動。出張先での乗車を愉しんだ。
行程も最終盤に至り、残り時間と担当分野の都合で単独行動となった私は、名鉄常滑線の大同町駅で下車。訪問先へ向かい、辞してから別項で紹介の「耕作禁止」看板などを目にしつつ、一つ名古屋寄りの大江駅へ歩いていた。
名古屋臨海鉄道東港線のガードをくぐり北進すると、大江駅から分岐する名鉄築港線の線路に突き当る。ここで進路を東に変え築港線に沿って進むうち、大江駅に付随して設けられている電留線に停車中の電車群が見えてくる。電車の手前には、保線基地と思われる車庫と作業員宿舎らしき建物が並んでいるが、そこに一際ユニークなスタイルをしたトラックが停車していた。
名鉄常滑線/築港線のジャンクションである大江駅は、名古屋鉄道(名鉄)にとって生命線の駅である。
小規模ながら電車の留置施設があるほか、全国的に珍しくなりつつなる民鉄保有の電気機関車やレール運搬用の貨車、保線用の機械類が屯している。
名鉄が購入した電車は、築港線で接続している名古屋臨海鉄道を経由し、当駅まで名古屋臨海鉄道のディーゼル機関車で牽引されてくる。当駅からは、先に記した電気機関車が引き継ぎ、車輌基地へ向かう。
また廃車となる車輌もいったん当駅まで送られ、築港線沿線にある「明電築港駅」で解体もしくは他線へ搬出される。
名鉄電車が最初と最後に必ず通るジャンクションなのだ。
また一時期築港線と並行して、未来の鉄道・リニアモーターカー「HSST」の試験線が敷設されていたことがある。
現在は試乗用ホームおよび高架橋の全てが撤去されており、往時の様子は窺えないが、HSSTが唯一実用化されている愛知高速交通・東部丘陵線「リニモ」100系の先行量産車輌は、この試験線でテストランを実施した。
大江駅の保線基地に留め置かれていたトラックは、ウニモグ(U400)だった。
施設の敷地奥に居るのでディテールまでは判らないが、鉄道施設に居るということは、明らかに軌陸車仕様の車輌だろう。
今までも京王電鉄やJR西日本の軌陸車ウニモグは実車を見ているが、何れも「高機動型」ベースの車輌。U400が属する「多目的作業車」ベースの軌陸車の実車を見たのは、これが初めて。
他の方が記されているブログを参照してみると、保線作業のスケジュール如何で名鉄線全線を移動して回っているらしいので、いつも大江駅のこの場所に止まっている訳ではないようだ。
少々キツイスケジュールの出張をこなしたご褒美に、名古屋は最高のプレゼントを用意してくれていた。鉄道好き兼ウニモグ・マニアとっては、これ以上ない収穫である。
住所: 名古屋市南区加福本通2-8-1
電話 : 052-611-2793
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