バルブステムシール?
SSTなんて要るの?
などと暴言を吐いたことを反省しながら、
毎晩 B16A のシールと格闘しています
2E とか、E07A では余裕だったのに
手のひらに豆をつくり、
アザまでできて、
握力に付いて来れなくなった筋(すじ)が関節痛を招いています
夜、寝ていても時々手のひらの筋肉がつる
たった1カ所のシールに2日かかるとは
いつになったら終わるのだろう
アストロで工具を購入することを決意し
SSTを手にして眺めるものの、
こんな、挟んで引っ張るだけのもので抜けるとは思えない
外れたステムシールを見ると、
内部の樹脂部をズタズタに引き裂きながら
抜けて来ているようで、
相当の力が必要であることを物語っています
しかも、ステムの方には溝がきざまれていて
抜けにくくなっている
これも高回転化のための、抜けにくくする対策なのだろうか
特に、熱が加わる排気側で苦戦中、樹脂が硬化しているのだろう
吸気側は苦労しつつもプライヤーで無事外せています
店内で思索と探索を巡らした結果、
先端90°曲がり内装剥がし
150mm のミニバール
を購入しました
こいつらで、テコの原理を利用しつつ
下からコジ上げようという作戦です
主役は 内装剥がし
ミニバールは間違えて買ったのですが
しっかりと役立ってくれました
段差つきのスプリンシートのせいで
90° ではカチ上げられないところを、
ミニバールが潜り込んで土台を確保
ステムシールを下から破壊することで
次々と攻略してゆきました
調子に乗ってそのままバルブ擦り合わせへ
バルブコンパウンド細目をうっすらと付けて
すり合わせます
仕上がりは光明丹でチェックするのが一般的なようですが、
私の場合はバルブとバルブシートの貼り付き具合でチェックします
接触面が平滑になると吸盤のようにバルブとシートが貼り付くようになり、
力を加えると カポッ と外れます
この外れ具合で判断します
シートカットして大幅な修正まで加えた時には
バルブが閉まったポートのに灯油を流し込んだりして、
漏れをチェックします
今回は、シートにカーボンを噛み込んだ形跡が少なめなだったので、
ほとんどのバルブで1〜2回の擦り合わせで済みました
(1回とは、バルブにコンパウンドを付けた回数が1回であること
すり合わせている間にコンパウンドが接触面外に逃げたり砕小化したりするので
5〜10回もコンパウンドを再塗布しながらすり合わせることも多いです)
その後に、ステム部にオイルを塗って、ステムシール組み付け
ステムに入れる時に、コンパウンド等が残っていないか注意します
あらかじめきれいにはしてますが、指先にちょっと神経を尖らせながら作業です
下手にコンパウンドを残すと、バルブが動くたびにステム部が研磨され、
オイル下がりを引き起こしてしまいます
オイル下がり程度で済むだろうか?
とにかく大変なことになります
16 valve 中の1本で綿棒を使ってステム内部清掃が必要でした
他はもう、燃焼室を下に向けるとスルスルバルブが下がって来るほど
逆に、こんなに抵抗が少なくて良いものか心配になります
クリアランスが広めなのだろうか?
そしてステムシール組み付け
部品箱をあさって取り出すと、2種類ある!
吸気と排気で違うのか!
見た目の形状はおんなじ、
ゴムの樹脂部も同じ雰囲気です
違いは、スプリングの色
なんとなく、黒が排気側っぽいけど
外したステムシールを見ると、
排気側が黒、吸気側が金属光沢です
ここで迷うのは、スプリングを付けとくべきか
こんな小さなスプリングでもフリクションになるという
バイクで有名なドカティなんかでは、
「オイル? 漏れますよ、仕様です
シールスプリングを付けてませんから」
なんてことを平気で謳(うた)う
今回は、けっこういろんな人が乗るからなあ
性能重視で組んではいるものの、
オイル交換さえ怠らなければいくらでも走れるようにしたい
と、考えると、ステムシールのスプリングは付けたままだな
サイズの合う 12mm のディープソケットで
16valve 分を打ち込みました
さて、次はバルブスプリングだ
吸気と排気で違うんだっけ?それとも同じ?
ひとつ摘まみ上げると、
緑の塗料が端に付いてる
さらにいくつか摘まみ上げると、
塗料が付いていないものもある
それぞれを、握力70kgfのマイフィンガーで挟み込んだ感触からすると
レートはおおよそ同じようだ
緑バルブと、塗料無しバルブ、それぞれ8本ずつありました
そして、セットで使われている細くて柔いスプリング
足りない? いや、少ないんだ、8本しかない
リフトの大きな吸気側がダブルスプリングのようだ
ちょっと調べとくか
intake main:
自由調 41mm
コイル太さ 3.5mm
レート 4.0mm/xxkg
intake sub:
自由調 36mm
コイル太さ 2.4mm
レート 8.0mm/xxkg
exhaust:
自由調 42mm
コイル太さ 3.8mm
レート 3.5mm/xxkg
「xxkg」には、私の親指の最大握力が入ります
バネをいじっていると、
反発力は非線形であることがわかる
押し込み量の比例以上に反発がある
吸気側でダブルにしている理由は、
小リフト時のフリクション低減と
最大リフト付近でのサージング防止を狙ったものだろう
ちなみに、B18C も B16B も
吸排気ともにダブルスプリングであるとのこと
バネレートはコイル断面積に比例しているのか?
断面積比は
9.6 : 4.5 : 11.3 (mm2) = 1 : 0.47 : 1.18
バネレートは
1 : 0.5 : 1.14
それぞれ [intake main] : [intake sub] : [exhaust]
面積比の方が誤差がないので、そっちを採用しよう
すると、吸気のトータル[intake total] と 排気[exhaust] の比率は
1.47 : 1.18 = 1.26 : 1.00
吸気の方が 26% ほど強い
リフト量の差が1割と、
バルブ径が大きいことによるバルブ重量差を考えてのことだろう
もしも強化したいなら、
排気側には、B16A吸気側のメインサブいっしょに移植
吸気側には、B16A排気側バネと、吸気側用のサブバネの組み合わせ
レートは、
吸気側:1.1倍
排気側:1.25倍
ちょっと強くなりそうです
社外品を3万円で買うよりは安く済むだろう
Posted at 2014/01/09 15:20:17 | |
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