2012年09月13日
ピストンのクリアランスが気になった
EP71 用エンジン修理書を見ると、
2E NA: 0.08-0.10mm
3E NA: 0.07-0.09mm
2E3E-T: 0.04-0.06mm
いろいろなところで言われているのを聞くように
「レース用だから 0.06mm で、広いんだよ〜」
というのを信じていた私は、
2E NA: 0.08-0.10mm
に対して ??? なのです
ちなみに、TRD Gr.A マニュアルでは
TRD鍛造ピストンで 0.08mm、鋳造で 0.07mm
300°カム8500rpm仕様でこれです
高回転仕様の方がクリアランスが狭い
(3valve なので300°でも8500rpm)
設計思想が変わったのか?
昔は油に浮かせる流体潤滑させていたが、
最近では添加剤が発達して、
金属どうしがちょっと触れる弾性流体潤滑させている、とか
それにしては、
負荷の大きなターボではクリアランスが狭い
当時の設計でそうなのだ
流体潤滑説はあり得なさそうだ
そして、圧縮比を上げて、回転数も上げた Gr.A 仕様では "0.07-0.08mm"、
それよりも低回転低負荷な 2E NAで "0.08-0.10mm" である
そしてターボでは "0.04-0.06mm" なのである
そして、このクリアランスを越えるようなら
ピストンまたはシリンダーを交換しろと整備書は指示している
参考までに、私が経験ある中では、
カブ: 0.04mm(空冷)
GB400: 0.04mm(空冷)
JOG: 0.06-0.07mm(空冷2スト)
RZV: 0.06-0.07mm(2スト)
その他調べたところでは、
B16A: 0.04mm
のきなみ 0.04mm が推奨されてます
「ブローバイが多くなる」なんて記述もありました
うーむ、ブローバイが関係するのはピストンリングな気がするのですけど
「クリアランスが広いとフリクションが減る」との記事もありました
うーむ、ならばなぜ、みんな(特にメーカーの方々)広くしないんだろう?
膨張率の違いのせい?
アルミは 2.3 x 10^-5/K、鉄は 1.2 x 10^-5/K
ボアを 100mm くらいとして、
鉄のシリンダーは、10℃上昇すると内径が 0.01mm 広がる、結構大きい!
アルミのピストンは、10℃上昇すると外径が 0.02m 広がる、これも結構大きい!
ならば、20℃でクリアランス 0.04mm として組んだエンジンが90℃になると、
クリアランスは 0.06 + 0.01x7 - 0.02x7 = -0.01 mm ???
ピストンの方が大きい???
いや、そんなはずはない
けれども・・・
多分、シリンダーの温度よりもピストンの温度の方が高いので、
クリアランスはもっと小さくなる?
もしかして、激しい走りをした後にエンジンが『キンッキンッ』
て鳴るのはこの辺りが原因か?
ならば、なぜEP71NAの純正クリアランスは 0.08-0.09mmなのだ?
シリンダーの精度が低いから?
けど、整備書では「歪みは 0.02mm 以下」としている
謎は深まるばかりです
調べてたら、昔のメモを見つけました、
以下、引用です
【先に結論を】
***
結構満足してます。
けど、
まだならし運転の段階ですが、圧倒的なパワーの違いは感じられず。
やっぱり、例えノーマルでもしっかりと組むことが
調子の良いエンジンを作る上で一番大事なようです。
***
やっと終わったジョグのオーバーホール。
結局4夜かかりました。
第一夜
全分解、クランクジャーナルベアリングが鬼門であることを知る。
第二夜
不幸にしてサービスマニュアルが行方不明。
Do It Yourselfの精神で挑むも撃沈。
第三夜
ガスバーナー強行作戦で突破したかに見えたがオイルシールの罠にはまる。
そして最終夜
DT50のサービスマニュアルを参考に、
そしてクランク組み付けのSSTを購入して挑みました。
前回失敗したクランクオイルシールの取り付け、
外側からでは入らなかった。
内側からは容易に取り付けができるはず。
しかし 無駄!
オイルシールの罠は続く。
DT50のサービスマニュアルを見ても
取り付け方はおろか「オイルシールを取り付ける」の文字さえない。
分解図に 部品の1つとして載っているだけ。
思案した結果、外側から丁寧に叩くことで入れられそうなことに気が付き
取り付け終了。
深くはめすぎたかも知れない、リップの内側部分が余計なところに当たっているかも。
でも、深く打ち込んだ方がクランクケースの体積が減って1次圧縮が上がるわけだし、
良かったことにしよう。
そして新規購入したSSTにてクランク取り付け、
クランクシャフトの端を引っ張ることによってベアリングをクランクケースに
引き込む仕組になっています。
やっぱりベアリングに力がかかるのは仕方が無いようだ。
でも、叩くよりはずっと負担は少なそう。
でもこれ、どの程度やればいいんだろう。
ネジをしめるときみたいに トルクが大きくなったところで止めればいいんだろうけど、
強くやりすぎると ベアリングに対して良くない、
てゆうか こんな風にベアリングに力がかかっている時点でよろしくない。
結局、ややトルクが増大したところでやめ、
その後クランクを手で回してチェック。
問題は無さそうでした。
こうゆうものは、サービスマニュアルで
これ以上のトルクはかけてはいけないと言う「最大トルク」を明記して欲しいものだ。
なんだかんだで作業は進み、
プーリーボスのワッシャーなどを紛失しながらも作業は終了。
プーリーボスのワッシャーについては、
ならし運転のためなら、ハイギヤードになるのなら問題はないとして
しばらくこれで走ることにした。
ついでに前後ブレーキワイヤーも交換、
サビて動きがにぶくなっていました。
新品を 自転車用チェーンオイルでグリスアップして取り付け。
現在ならし運転中、少しずつアタリが付いて行くのが体感できて楽しいです。
主な仕様
エンジン
ピストン
KITACO レース用(シングルピストンリング仕様)
WPC&モリブデンショット
シリンダー
ピストンクリアランス 0.06mm
WPC&モリブデンショット
クランクシャフト
バランス取り(振れ0.01mm以下)
ピストンクリアランスは0.06~0.07mmとの指定だった。
0.06mmは少なめ?
フリクションロスの減少をねらうなら 広めに取るのが良かったようだ。
駆動系
DAYTONA ハイスピードプーリー(プーリーボスワッシャー無し)
強化クラッチスプリング
やや強化クラッチセンタースプリング
クラッチのセンタースプリング、効いてます。
上り坂でスムースに変速します。
結構満足してます。
けど、
まだならし運転の段階ですが、圧倒的なパワーの違いは感じられず。
やっぱり、例えノーマルでもしっかりと組むことが
調子の良いエンジンを作る上で一番大事なようです。
Posted at 2012/09/13 18:04:27 | |
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スターレット | 日記
2012年09月13日
つまるところ、当たりエンジンとは
クランクの振れが小さかったり、
ピストンクリアランスが良かったり
各ジャーナルのクリアランスが良かったり
ポートの砂型合わせ面がきれいだったり
細かいところでは、
ピストンとかの重量バランスが偶然とれていたり
燃焼質の体積のばらつきが少なかったり
シリンダーの歪みが小さかったり
各ボルトが適正トルクで組まれていたり
はずれエンジンとは、
ピストンの向きが吸排気逆だったり
各ジャーナルのクリアランスが適当だったり
各ボルトがインパクトで締められていたり
Posted at 2012/09/13 16:03:30 | |
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考察 | 日記