2013年07月08日
宮崎駿の「風立ちぬ」のコーナーに飾られた堀越二郎の「零戦」が目に止まりました
○態王子と笑わない○の第4・5巻を中古で手に入れ、
うきうきといつもの喫茶店?いや、コーヒーコーナーへと向かう途中でした
機械屋として星形エンジンの構造くらいは知っていたが
零戦についてほとんど知識が無かったことに気がつきました
・艦載機である
・軽い
・他に比べて最高速は低い
・ビスの1本に至るまで軽量化されていた
・パイロットの保護安全性が低い
・燃料タンクが弱点らしい
・後ろに付かれたら急降下で振り切れ!
・7075アルミ合金が使われている
・プロペラの回転に同調させてその合間をぬって機関銃を撃つことができる
この程度の知識しかありませんでした
はしがきに目を通しただけで踊る魅力的なコメント
「零戦はいまもなお国内外で語りつがれている」
「日本人がもし、模倣と小細工に長けた民族であったなら、
零戦は生まれなかったであろう」
「『日本人の血の通った戦闘機』、それが零戦であった」
自分には、零戦の魅力、その独自性、日本人らしさ、
このどれも語ることはできない、そして、語れるようになりたい、
これを読んだからといって語れるとは限らないがそのための一歩を踏み出したい
迷わず買いました
航続力、空戦性能、重火器装備の両立を求められたこと
すでに戦線で活躍していた九六艦戦(九六式艦上戦闘機)のこと
日本には出力の大きなエンジンが無かったこと(他国に対して 2/3 程度)
資源は無いが、技術者ならばアメリカの 1/2 はそろっているという自負があったこと
同時期に住友金属で開発された超々ジュラルミンのこと(後に7075材と呼ばれる)
皇紀2600年(昭和15年)の下2ケタを取って「零戦」と名付けられたこと
その後の活躍
その間も繰り返され続けた改良の数々
神風特攻隊
終章「零戦は行きている」で紹介された数々のコメント
「... 防弾がない、高々度性能が不足だのと、いろいろの批評を耳にすることがある。
... (だが、)わずか一千馬力そこそこのエンジンをつけた飛行機で、
この零戦の半分も有能な戦闘機が昔も今も世界のどこに実在したのか」
航空技術者、内藤一郎(1963)
「日本の零戦とわれわれの戦闘機との差は非常に大きなものとは見えなかったが、
わが国の損失はきわめて重大であった。
零戦の持っていた優差は、拳闘のチャンピオンが、相手より1インチ長いリーチを
持っているのに例えることができる。
航空機の場合、非常な強さをしめす機体でも一般に個々の性能の数字で見れば
大した差ではないのである。」
海軍作戦部長アンダーソン大尉(1963)
「零戦が各国の代表的戦闘機と違うのは、陸上戦闘機に打ち勝つ性能を持った
世界最初の艦上戦闘機という点で、海軍航空に新世紀を画した飛行機という
名誉を持つことである。
零戦は、太平洋戦争の初期に連合軍の航空戦力を壊滅させることによって
、『無敵日本軍』という神話をつくり出した」
英国航空評論家Wグリーン
書中、堀越氏の最後の言葉
「私は、私の半生をかけたこの零戦が、なおも日本の技術と日本人の心の中に
生き続けているのを知って、深い安堵と満足を覚えるのである」
現代に、このような車があるだろうか
エンジンのパワーに頼らず、軽さと工夫によって...
いや違う、これでは表面しか見ていないことになる
様々な制約によって制限される中、創意と工夫によって
ピンポイントの答を具現化したような存在
パワーが欲しいなら、ピストンを鍛造にして、タービンを大きくして...
それができるなら、それが答だ
できないならば、
エアコンを外して、パワステを外して軽量化、
ヘッドガスケットを2枚重ねて圧縮比を下げて、
ノーマルエアクリケース、ノーマルタービンを加工して、マフラー自作して...
これらが自分でできること
それでは、メーカーが行ったことは?
日本初のスーパーカー、トヨタ2000GT
DOHCスポーツ、ホンダS800
プレミアムスポーツ、日産ハコスカGTR
小型車にスポーツエンジン、トヨタTE27レビン
DOHCターボ、トヨタセリカ
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与えられたコンディション、条件の中で、
周囲の期待を一身に背負い、
独創的なコンセプトにより成果を出した
そんな車があっただろうか?
「私にとっての零戦はスターレットだ」
と言いたいが、どうだろう?
自動車部時代、誰でも安価に手に入った車EP71スターレット
いわゆるボーイズレーサー
お金をかけられないという環境のなかで多くの人が楽しんだ
では、そこでは何が目指されたのか、何が期待されたのか
そのために人々はどんなできごとを経験し、積み重ねて来たのか
と問われると明確に答えることはできない
私のナナイチも、まだまだ零戦には遠く及ばないようだ
けれども、「俺のことを知りたければ俺の車を見ろ!」
という気持ちは常に持ちながら車をやっています
Posted at 2013/07/08 13:07:22 | |
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スターレット | 日記