この記事は、
エキマニのバンテージの考え方ですが・・・について書いています。
排気効率について考えました。
とても参考になったのは上記の記事です。
また、粘性に関するtahoo知恵袋での liquidhe269 様の下記の回答も参考にしました。
気体の粘性係数ηは、η∝ρvλで表されます。
ここで、ρ=分子密度、v=熱運動の速度の平均値、λ=平均自由行程
また
ρ∝p
v∝ルート(mT)
λ∝1/(d^2*p)
ここで、p=圧力、d=分子直径
以上より、η∝ルート(mT)*d^(-2) となり、粘性係数ηは圧力pによらないことになる。
圧力が増せば分子密度は増して運動量の移動量は増すが、同時に自由行程が短くなるので、
その増減が相殺されてしまう、真空の本ではこのように説明されています。
ことの発端はこないだ圧縮比アップしたうちのトゥデイで排気容量が足りなくなったこと。
圧縮比は 9.8(純正) --> 10.8
そして燃料、点火時期のセッティングが終わったのだが、
結果、低速トルクはアップしたものの、上があんまり回らない。
さらに、直吸いのビートインマニにすると5000rpm以上がものすごくふんづまるのです。
さて・・・
圧縮比アップにより吸気力は増している(燃焼室容積が小さくなって、初期吸入が強化されたため)
排気は?ピストンが勝手に押し出してくれているはず。
はてさて、
それだけか?
圧縮比がアップしているので内燃機関としての効率が上がり、排気温度が下がっているはず。
ならば、そのせいで排気効率が下がったのではなかろうか。
その原因は温度低下による排気の粘性上昇?
で、調べてみると
気体は温度が上がるほど粘性は上がるそうなのです。 マジ?!!!!
つまり、排気温度が下がっているであろうウチのトゥデイでは粘性は下がり、
排気効率は上がっているはず???
そこでこんな記事を発見
気体の粘性係数ηは、η∝ρvλで表されます。
ここで、ρ=分子密度、v=熱運動の速度の平均値、λ=平均自由行程
また
ρ∝p
v∝ルート(mT)
λ∝1/(d^2*p)
こうして、粘度は温度のルートに比例して上がるようなのです。
そしてかつて私が行った計算、ガソリンが燃焼しても分子量はほとんど変化しない。
つまり、燃焼による膨張は発熱による温度上昇に起因しているようなのです。
というのも参考にするならば。
合わせると、
やっぱり、圧縮比アップにより排気温度下降、それにより粘性は下がっている?
じゃあエキマニに巻いたりするバンテージは?と考えていたところ、
本記事のトラックバック記事にあたった訳です。
特に印象的だったのは下の言葉
よくエキマニにバンテージを巻いた時のインプレッションで見るフレーズ
「バンテージを巻いたら低速トルクが増した」
というのを拝見する度にボクは
「トルクが増したのを体感出来るほど排気効率が悪化してしまった」
と読んでしまいます。
うーん、理論的には合っているような気がします。
そこで、「私の体験その1」
トゥデイのマフラーフロントパイプ以降にバンテージを巻いたら燃調が薄くなった。
私はこれを排気効率が上がったと解釈しました。
厳密に言えば、同じアクセル開度・回転数での吸気量が増した、というのが正確ですね。
「私の体験その2」
RZV500R(2ストローク500ccのバイク、チャンバー付き)でエキパイから膨張室なかばまでにバンテージを巻いたところ高回転でよく回るようになった。
排気効率が上がっている?
「私の体験その3」
EP71スターレットで、加給により吸気圧力を 1.5 倍にしたからといって 1.5 倍のパワーが出る訳ではない。
当時私は圧力上昇による空気の粘性上昇を原因と考えたが、上記の粘性の式からすると圧力が上がっても粘性は上がらないようだ。
まあ、タービン容量の問題もあるのだろうけど。
「私の体験その4」
排気管の温度が上昇すると、より多くの燃料を要求するようになる。
つまり、たくさん吸気しているようである。
「私の体験その5」
単気筒車からは、マフラーから出た排気が塊として飛んで来るのを感じる。
排気は排気管の中を1回の燃焼ごとの塊として移動しているようである。
「私の体験その6」
トゥデイで、フロントパイプよりあとを取り除いたら排気効率が下がった。
体験その1、その2、その4から想像するに、排気管の温度が高い方が排気効率が高いのではなかろうか。
そもそも、排気効率とは?
1つ前の排気がその次の排気を引き出す効果に依存すると仮定しよう。
排気管の温度が上がると、管面付近の気体温度が上がる。つまり、管面付近での気体粘度上昇。
その結果、排気の塊が維持されやすくなる、ということ?
そして引き出し効果が高まる、のだろうか。
ただし、粘性上昇により排気管の有効管径は下がり、流速も下がるので排気容量は減少するのかもしれない。
矛盾は無いだろうか。
体験その2のチャンバー効果と合わせて考察すると、
排気温度上昇、粘度上昇、流速低下、チャンバー膨張部に到着する時間延長、低回転仕様??
おかしーなー
ところで、音速は?
吸排気は、音速を超えたがらないらしい。
で、ネット検索していると、見つかりました!
へー へー 結構変わるんだ。
音速は絶対温度のルートに比例するとのことです。
矛盾は無いかな?
粘性の変化の影響は小さいと仮定して、音速の変化による排気容量の変化が支配的とする。
「体験その1」
トゥデイのマフラーフロントパイプ以降にバンテージを巻いたら燃調が薄くなった。
排気温度上昇による流速上昇、排気効率アップ! その結果、吸気量アップ。
「体験その2」
RZV500Rでバンテージを巻いたところ高回転でよく回るようになった。
排気温度上昇による流速上昇、排気が膨張室に達する時間短縮! その結果、高回転対応。
「体験その3」
加給により吸気圧力を 1.5 倍にしたからといって 1.5 倍のパワーが出る訳ではない。
加給による排気の仕事量増、排気温度低下、流速低下! その結果、排気容量不足。
「体験その4」
排気管の温度が上昇すると、より多くの燃料を要求するようになる。
排気温度上昇による流速上昇、排気効率アップ! その結果、吸気量アップ。
「私の体験その5」
単気筒車からは、マフラーから出た排気が塊として飛んで来るのを感じる。
排気塊論の実証例。
「私の体験その6」
トゥデイで、フロントパイプよりあとを取り除いたら排気容量が下がった。
排気管が無いことによる引き抜き効果減少。
なので、ウチのトゥデイはどうするべき?
「排気管温度を上げる」
すでにバンテージを巻いているので難しい。さらに巻くか?
「マフラー交換」
できれば純正にこだわりたい・・・
「排気バルブ部拡大」
すでに吸気側・排気側を拡大してしまった。これ以上は無理。
「ハイカム」
金がない。
「排気ポートを拡大」
とりあえず燃焼室から出そうと言うわけか。
圧縮比アップによる排気温度低下、流速低下が問題なら、これで何とかなる・・・のか?
けど、金もかからないし、これで行こう。
ちなみに、EP71スターレットはタービン交換かマフラー交換だな。またはバルタイ変更。
そうそう、バンテージ巻いても低速トルクは上がりませんよ、というのが私の経験です。
むしろ低速トルクは下がるでしょう。