ピストンクリアランスを測定したのでした
そのためにはクランクを外さねばならず、
クランクを外すためには・・・
各所固着していたのです
こりゃあ間違いなくタイミングベルト交換はされてなかったな
ピストンを外して気がついたことですが、
当たりエンジン、というよりも、設計が良いのでしょう
見て下さい!この摩耗面!(ずっと下の方参照)
何が凄いかと言うと、
ピストンピンの真横に摩耗痕がある!
つまり、
ピストンにかかる横方向の力はスカートのみで受けている
ということなんですね〜
どう凄いかと言うと
普通のスターレットなんかでは、摩耗痕はもっと下にあるのです
それはつまり、
横方向の力を「スカート」と『ピストンリング』で受けているということです
ピストンリングは接触面積が小さいので
摩耗がとても早く進んでしまうのです
そうなると、シリンダーが偏摩耗したり・・・
このB16Aのシリンダーでは、ピストンリングが原因となる偏摩耗はなし
ただし、ヘッドボルト締め過ぎによると思われる偏摩耗はありました
ちなみに、気になっていたシリンダーの素性は、
クロスハッチは風前のともしびでした
予想通りです
そして、テーパー度測定
ピストンリングしゅう動部の上端、中央、下端に
外したピストンリングを配置し、合い口のすき間を測ります
測定値の幅は、
1番気筒:0.08mm
2番気筒:0.09mm
3番気筒:0.07mm
4番気筒:0.05mm
合い口すき間でこの数値ということは、
円周でこの差があるということなので、
直径に変算するためには、3.14(3でもよし)で割って
1番気筒:0.02mm
2番気筒:0.03mm
3番気筒:0.02mm
4番気筒:0.02mm
とても小さいと言えましょう
【当たり】と言って良いのか、当然の数値なのか
テーパー度を測ったのは今回が初めてだったので、
当たりかどうかは明言しないでおきましょう
限度値は多分 0.2mm くらいであろうことを考えると
良い数値であることは間違いなさそうです
シリンダーヘッドボルト締め付けによる変形の方が大きいかも
さて、ピストンクリアランス
シリンダーとピストンの間にシックネスゲージを挟み込み、
(今回のために 0.01mm から測れるものを買ったのです!)
圧力で引き抜けなくなる厚さを記録しました
1番気筒:0.05mm
2番気筒:0.04mm
3番気筒:0.04mm
4番気筒:0.05mm
まあ、規定値といったところでしょう
あたり?はずれ?
外れではないけど、【当たり】と言っていいのかなあ
スターレットでも、この辺りはどのエンジンも
ノーマルの段階でそろってたからなあ
さて、振り返ると、
特筆すべきは円周上均等に摩耗したシリンダーであった
その要因は、狭いピストンクリアランス(0.04mm)によって
ピストン/シリンダーの接触面積が増え、摩耗を減らしていたこと
スターレットではピストンスカート/シリンダーでの摩耗が
大きいことが多いです
その場合にはクリアランスを小さくした方がいいのかも
逆に、今回のようにほとんど摩耗していないようなら、
もうちょっとクリアランスを増やしてもいいのかもしれません
そこら辺は『設計思想』ということで
あとは加工ですね、
ポート削ったり、スキッシュエリアを削ったり、ピストンヘッド鏡面にしたり
その時の気分でバランス取りしたりしなかったり
ホーニングの仕上げはジムカーナ仕様にしておきましょうか
サーキットを走る時には粘度の高いオイルを入れてもらうことにしましょう
ここから先は加工に出したりもしなければいけないので
のんびりと進めます

Posted at 2012/09/20 10:13:17 | |
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