B16Aつづき
クランク周りのベアリングのクリアランスを確認しました
オイルパンは昨日のうちに外していたので、
今日はちょこまかとプラスチゲージをはさんで、つぶして、読み取って
を繰り返す予定です
ピストンのクリアランスまで測れればいいな
親メタル(クランク/シリンダーブロック間のメタル)と
子メタル(クランク/コンロッド間のメタル)の
クリアランス両方測りました
プラスチゲージ、これは言ってしまえば単なる細い粘土のようなものです
これをベアリング(滑り軸受け)にはさんでネジを締め込むと、
当然グニューと伸びます
どれだけ伸びるかはクリアランスの「せまさ」によって決まるので
どれどれ・・・と基準幅と比べることでクリアランス 0.0x mm くらいっ
と決まるのです
さて、その結果は、
親メタルの方が、ぜんぶ 0.038mm
0.038mm ナニソレハンパナノと思うかもしれません、
これはつまり 0.015inch、標準がインチ表示なんですね〜
子メタルは、0.038mm が2気筒、0.025mm が2気筒でした
スターレットの経験では、純正は全体的に 0.038mm に
まとめられていることが多いです
0.038mm というのがエンジンオイルでの潤滑に適した数値なのかなぁ
エンジン稼働時には、このクリアランスはいくつになるのだろうか?
摩耗具合は、下の方にある写真のとおりです
真ん中、全体的に摩耗、その脇は偏摩耗、端はやや摩耗
1カ所こすったような削り跡がありますが、
これは砂か摩耗粉でもかみ込んだのでしょうか?
オイルフィルターは、フィルター部が詰まって来ると
ろ過せずに素通りさせてしまうので、こんなことも
起こり得るのでしょう
なのでオイルフィルターはちゃんと交換しましょう
全体的には良しだと思います
『筋状の摩耗が散在』することも多いのですが、
そうゆうのはナシでした
けれども、偏摩耗が気になるな〜
前述しましたが、「クランクはウナギのようにうねる」ことは
有名なことのようです
つまり、
中心部では触れ幅が大きく、
そこから離れると触れ幅は小さくなる、
なのでしょうか?
ちなみに私は、今回のような偏摩耗は見たことが無かったです
B16Aはクランクがうねりやすいのか、
それとも、これも異常な締め付けトルクのせい?
つづいて子メタル〜
ここに当たり要素がありました
【当たり要素2】
メタルの下側(加重を受ける側)ですが、全体的に摩耗していますね
ここでも、筋状の摩耗は無し
1番2番気筒でクリアランス 0.038mm
3番4番気筒でクリアランス 0.025mm
でした
その違いは?
どこに出た?
3番4番気筒のベアリングの方が、下端で黒っぽく変色している?
そんな気がします
でも、擦り傷が発生しているほどではない
これはつまり
最も摩擦係数が小さくなるといわれる
弾性流体潤滑ぅぅぅッッ!?
弾性流体潤滑環境下では
材料が弾性変形する程度の接触が繰り返される
これ以上面圧が高まると凝着系の接触が起こり、
摩擦係数の上昇と摩耗が進む
弾性流体潤滑環境下ではうっすらと箔片が剥がれるように摩耗し、
理想的な潤滑状態であると言われている
このクリアランスで、強度の高い社外のベアリングが使えれば
最高なのだろうなあ
【外れ要素3】
ところで、なぜ、0.038mm と 0.025mm の
クリアランスの違いが生まれた?
コンロッドに付けられた刻印はどれも「2」
クランクとの連結部の内径は4気筒とも同じなようです
同じ工場で作られたものかな?
クランクを見ると、コンロッドとの連結部の内径を
表わしているであろう刻印を見つけました
「3」とか「1」とか刻印があります
そしてベアリングには、緑とか茶の塗料が付けられてます
これはベアリングの厚さを示しています
当然、コンロッド、クランク、ベアリングの刻印に対して
精度があるので、それぞれ 0.005mm くらいずれたとすると
運悪く重なると大きなずれになってしまうのでしょう
当然、多少ズレても基準値には入るのですが
オーバーホールの際には、このあたりの補正もしてあげたいですねえ
クリアランスをいくつにするかがポイントなのですが、
ジムカーナのようにアイドリングからの1発勝負
サーキットのように長時間の全開
摩耗させてでもフリクションを減らしたいのか
フリクションが大きくなってもいいので摩耗を防ぎたいか
圧縮比、ブースト、最大トルク、最大回転数・・・
エンジンオイルが劣化しにくい、なんてのもできるのかな?
これだけ要素が大きいと、
xx社コンプリートエンジン!とか言われても、
何仕様のコンプリート?と、ナゾになるのです
今組んでるこのエンジンはコンプリートとかではないですが、
新しいオーナーの要望に応えられるように努力します
この程度はみんなやっていること
仙台の川島ボーリングさんでは、ホーニング
(シリンダーにクロスハッチを掛ける作業、油膜保持の機能がある)
をお願いすると
「ジムカーナか?サーキットか?
サーキットにしても菅生かハイランドかで仕様が違うぞ?」
と言われます
以前に、
「E07Aですが高速道路で異常燃焼が起きるんです」
と相談したエンジンは、4人乗り上り坂全開130km/hキープOK!
に生まれ変わりました
刻印ついでに、
コンロッド/クランクの連結部や
クランク/シリンダーブロック連結部は、
かなりの精度を必要とします
刻印が同じだからといって別のコンロッドからのニコイチは
できませんので、くれぐれも注意を
今日はこれでおしまい、ピストンは明日にしましょう

Posted at 2012/09/19 14:49:48 | |
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