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2011年03月24日 イイね!

計画停電から始まるエネルギーシフト

計画停電から始まるエネルギーシフト今回の原発事故に端を発する計画停電は、企業活動や私たち住民にも大きな影響を及ぼしています。駅でもオフィスでもスーパーでも電気を減らして、節電の意識が芽生えたのは、ある意味で良い影響なのかも知れません。

いま日本で起こっていることと、下記に引用する文章とを重ね合わせて、アナロジーとして読むと面白いかも知れません。


----(引用開始)----

■トラクターから牛への動力転換

次に動力の変化を見てみよう。キューバでは、今から500年も前に使役牛が導入され、以降サトウキビ産業の発展とともに数を数を増やしてきた。(中略)しかし、カストロ政権は、ソ連からの手厚い救助をテコに急速な農業の近代化を押し進める。トラクターの台数は1970~90年で10倍の8万5000大に増え、パワーも40から75馬力と倍増した。(中略)だが、こうした機械化も旧ソ連圏から提供される石油と機械部品によってのみ成立するシステムであった。(中略)ソ連崩壊で石油輸入量が半減し、スペア・パーツが欠乏すると、最終的には半分以上のトラクターが動かなくなってしまう。そこで取り組んだのが、使役牛の復活であった。(中略)飛行場を備え数万ヘクタールもの水田で空から籾を播種していた国が、今はこうした技術を規定する一事例であると言えよう。


■持続可能な農業につながる牛耕

牛耕への転換は技術的には後退に思えるが、持続可能な農業という面から見るとメリットもある。第一は機械と違って壊れないことである。ふざけているようだが、いざ物資が途絶えてみると、輸入に依存する農業機器には持続性がないことがわかったのである。例えば、現地では壊れたトラクターはまず目にできない。というのも、壊れた機械はすぐさまばらばらに分解され使える部品は他に転用されてしまうからだ。洗濯機のモーターも捨てられることなく扇風ファンに使われているし、100円ライターもガスを詰めてリサイクルする職人がいる。(中略)なお、牛耕への転換は、ヨーロッパの大学によってキューバと共同研究されている。日本では開発途上国には農業機械を援助することで近代化を進めるという発想がいまだに根強い。だが、ヨーロッパは、ピーク・オイルを迎え近い将来には石油が高騰することを見越して、エネルギー危機にいち早く直面したキューバから、牛耕に転換した場合に、どのようなメリットがあるのかを、今から汲み取ろうとしている。まことにしたたかだ。
----(引用終了)----

出典『江戸・キューバに学ぶ”真”の持続型社会』



トラクターから牛へ、というと技術が後退したように思えますが、いまの日本の状況をみると何となく理解ができるから不思議です。

日本でも同じように、あらゆる生活必需品は電気やガソリン、ガスなどのエネルギーが必須となっています。冷蔵庫しかり、炊飯器しかり、掃除機や洗濯機しかり。万一、電気やガソリンなどが滞ってしまったら、極端に不便になることは予想できたことですが、いま実際にエネルギー危機に直面してみて、いかに今までの認識が甘かったのかを痛感させられます。

電力を消費しない、アナログな手段はもちろんあるはずです。薪を使ってご飯を炊く。洗濯板で洗濯する。箒と雑巾で掃除する。でも、実際の生活ではこうした低エネルギー生活は、しにくいようになっています。

日本の主な産業が電気機械や自動車であるため、各社の工場が生産し続けなくては経済が回らないシステムになっています。生産し続けるために消費しなくてはいけない。エコカー減税や、家電エコポイントなどで、必要もないのに毎年新品に買い換えさせるように促す日本政府。

しかも、こうした高度な家電製品は一般人の手に余ります。つまり自分では修理ができないのです。メーカーの短期間の保証に頼るか、さもなくば買い換えることを迫られます。自分で仕組みを理解し、修理して使い続けられないものは、持続可能性がありません。例えば、洗濯機を直しながら何十年も使い続けられる人はほとんどいませんが、洗濯板であれば誰でも一生使い続けることができるでしょう。

こうした製品は、電気というエネルギーが滞ってしまうと何もできません。電気がストップすることは想定しないで使い続けてきた私たちにも問題がありますが、それ以外の生活を許さないような社会の雰囲気にも問題があります。例えば、都心の住宅で薪を使った炊事など、事実上無理でしょう。でもこれが最も自然の摂理にかなった方法なのです。

家電製品どころか、発電所そのものですら、持続可能性がないことが分かりました。大事故を起こした福島原発ですが、電気がストップしたことが根本的な原因でした。すべてを電気制御にしており、電気がストップすることは全く想定していなかったのでしょう。だから電力会社も国も、原発は100%安全であると言い切っていました。原発の燃料であるウランは、無害化する指標である半減期がウラン235で7億年、ウラン238で45億年だそうです。何億年という途方もない長期間に渡って、地球上の生命に害を与え続ける訳です。そんな物質を扱う原子炉が、「電源が切れた」という単純な事故で、制御不能に陥ることが明らかになりました。

こうした事実を目の当たりにすると、本書の指摘することが良く分かります。早い段階でエネルギー危機に陥り、その対処を迫られたキューバが取った「トラクターから牛へ」というエネルギーシフトは、あながち笑えるものではありません。むしろ、近いうちに日本でも必ず起こる社会転換ではないでしょうか。

原発事故による放射能の影響と、兼ねてからの円高や大手メーカーの不振によって、日本の従来のシステム、すなわち電化製品・自動車を輸出して外貨を稼ぐというやり方が通用しなくなる可能性があります。キューバ並のエネルギー不足に陥る可能性が、ないとは言えません。元々、国土にエネルギー資源がない日本ですから、このようなエネルギーシフトは本気で考えておく必要があると思います。

http://servelle.net/spiritual/

関連情報URL : http://shift-up-club.com
Posted at 2011/03/24 14:28:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | メモ | 暮らし/家族
2011年03月17日 イイね!

首都高5号線~大橋JCT

首都高5号線~大橋JCTグルグル初体験・首都高の新スポット探索

写真付き記事はこちら

雲ひとつ無い良く晴れた週末、首都高の撮影走行に行ってまいりました。天気の良い週末は、行楽に出かける車が高速を使うため、午前中は路線によって渋滞することがある首都高。この日も、その例に沿って部分的な渋滞がありました。週末ということで、走行している車の過半数は乗用車です。

今回のコースは首都高5号(池袋線)からC1(都心環状線)を経由して、3号(渋谷線)へ抜けるものです。

今回は首都高埼玉線からスタート。埼玉県から東京都へ入るあたりで首都高5号線が始まります。東北道や関越道からは、いったん外環道を経由して、5号線へ合流する形になります。首都高5号線は、池袋のサンシャインビル脇を通り、左手奥に東京ドームを望みながら、皇居北の丸へと抜ける、東京の景色を楽しめる道でもあります。さらに3号渋谷線へ抜けると、左手に六本木ヒルズ、その先には渋谷駅があり、こちらも東京の有名スポットを通ります。

さて、首都高5号に入ると早速渋滞案内板が目に留まり、5号竹橋JCT付近を先頭に「赤い線」が延びているのが見えます。これはこの先が渋滞しているということ。竹橋JCTを左に折れる方向、つまり銀座方面も赤い線となって渋滞しているということで、今回私たちのルートでは、竹橋JCTから先はそれほど混んではいないようです。どちらかが混んでいる場合、JCTの手前まで渋滞が延びるため、今回のように違う方面に進みたくてもその渋滞の影響を受けてしまうんですね。

首都高独特の大きなカーブをいくつか抜けると、その先に池袋のサンシャインビルが見えてきます。ここから竹橋JCTまでは結構距離があるのですが、竹橋JCTが混んでいる場合は池袋あたりまで渋滞が延びることが良くあります。今回は、東池袋のSAに寄ってみました。写真のように、サービスエリアと言っても一般高速道路のSAのように広い売店などがある訳ではなく、車も20台くらいしか止めるスペースがありません。トイレと小さな売店があるのみですので、渋滞している時は待つことも良くありますう。基本的には、首都高では渋滞を前提に考えておいて、トイレ休憩は事前にすませておくことをお勧めします。

さて竹橋JCTまであと1kmという所までくると、私たちが進む右側方面は空いてきて、並んでいるのは左側だけ、という状態になりました。JCTを通過すると、左側の銀座方面はずっと先の方まで並んでいます。JCTを通過するともう渋滞はなく、皇居・千鳥ヶ淵のあたりでC1(都心環状線)に合流してすぐに地下道へと進みます。

この地下道は2車線と広いのですが、大きくカーブしており、そのカーブの先で新宿方面へと分岐しています。平日は割と速度を出して走っている車が多いので、慣れない場合は慎重に走った方が良いポイントです。分岐の先には、今度は新宿方面から来る車が合流してくるので、こちらも注意が必要です。霞ヶ関の辺りまでは、慎重な運転が必要です。そして、トンネルを抜けると3号、渋谷方面ですが、分岐する谷町JCT付近が混雑している場合は、トンネルを抜ける前から右車線だけ渋滞していることがあります。初めから右側を走っていないと、途中から右車線へ合流するのが困難な場合がありますので、ここも注意点です。

谷町JCTは多少混雑していましたが、その先を抜けると交通量は多いものの渋滞はありません。2車線で渋谷を過ぎるまでずっと直線的に延びるのが、この3号(渋谷線)の特徴です。目立ったカーブはありません。谷町JCTから3号(渋谷線)に入って程なくすると、左手には六本木ヒルズが見えてきます。ここを過ぎると広尾、青山を通って、渋谷駅を通過します。渋滞していなければ渋谷まではさほど時間が掛かりません。3号(渋谷線)は、青山トンネルで一旦地下に入りますが、すぐにまた高架となり、渋谷駅付近は上から見下ろすような形になります。すぐに通り抜けてしまいますが、右下には駅前のスクランブル交差点が遠目に見えます。

渋谷付近を通り越して、しばらく進むと左へ進む分岐路があり、これが大橋JCTです。中央環状線(C2)は、この大橋JCTで3号(渋谷線)まで最近つながりました。ここを南端として環状を描いている訳ですから、ここよりも南側へ通じておらず、北方向つまり新宿・池袋方面へしか行けません。大橋JCTは多重階層の螺旋構造となっていて、建造物としても特徴的な構造として注目を集めています。実際に通過してみると、下りカーブが連続する形になっていて、思ったよりも勾配がきつく感じられます。周りの車も、時折ブレーキランプを点滅させながら走っています。できるだけコンパクトな空間で地下へ移動させるために、許容できる範囲でギリギリの勾配になっているのではないでしょうか。3周ほど回った後は、新しい首都高中央環状線(C2)へと続き、ひたすら地下内の直線道路となります。まだ新しい道ですので非常にきれいで、同じトンネルでも都心環状線(C1)のトンネルと比べると、時代を感じさせるほどです。


撮影はここまで終了しましたが、この中央環状線(C2)を直進すれば5号(池袋線)板橋JCTまで戻ることができます。板橋JCTからは、埼玉方面へ進むこともできますし、都心方面へ戻ることもできます。もちろんそのまま中央環状線(C2)を直進し、荒川沿いでお台場方面まで行くことができます。このように考えると、環状線(C2)が充実したことによって、途中から進路を変更してもある程度リカバリーが効くようになったとも言えます。実際、私たちも渋谷まで行きながら、戸田南ICで降りましたので、見た目上はさいたま~戸田までしか移動していないということになります。ということは、ますます首都高の路線を覚える甲斐ができた、とも言えます。C2の延長によって渋滞もある程度緩和されていることですし、首都高を使いこなせれば、東京での行動範囲が広がるかも知れませんね。

ちなみに、参考情報はShift-UP Clubとしては首都高デビューマニュアルをもちろん推しますが、渋滞回避系のロードマップも結構役に立ちます。首都高の覚え方を理解した上で、一般のロードマップを見ると、首都高がより身近に感じられる気がします。混雑した一般道でうまく走る時にも重宝しますし、ナビの指示ではなく全体を把握しておけるという意味では有効です。ということで、おススメしておきます。

写真付き記事はこちら

首都高 早覚えマニュアル 詳細ページ
関連情報URL : http://shift-up-club.com/
Posted at 2011/03/17 18:34:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | メモ | クルマ
2011年03月14日 イイね!

これから日本は「ネオ・江戸時代」になる

これから日本は「ネオ・江戸時代」になる今回は、読書感想の記事になります。

いまは3月下旬。三寒四温の時期を経て、あと2週間もすれば桜が満開になります。卒業式から入学式にかけてのこの時期は、日本でも一番美しく、良い季節がスタートします。

ところが、今回ばかりは全てが異常です。3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震の影響で、関東一円で大規模な輪番停電を実行。TVや新聞は常に震災関連を報じ続け、店頭では食料品不足。ガソリンスタンドでは長蛇の列ができ、東北地方では未だ避難所に物資が届きません。さらには原発の大事故で、予想もしなかった放射能汚染に東日本全体が晒されています。たった1日でこのような異常事態に陥るとは、誰が予想できたでしょうか。


思うことがあって、3月の初旬に手にした本を今読んでいます。『江戸・キューバに学ぶ”真”の持続型社会』という本です。これは江戸やキューバといった個別の都市に関する研究書ではなく、私たちに対してエネルギー・食料についての根本的な思考転換を迫る提案書です。


去年「プチ自給自足」についてのメルマガを発刊したこともあって、エネルギー・食料を他者に依存することの危険性を何となく感じ始めていた私は、本書のタイトルを見てすぐに読むことを決めました。ところがその後の大災害によって、ここまで心に響く読書になるとは思ってもいませんでした。

今回の大災害で、東北や関東地方を悩ませているのは、大きくひとまとめに言えば「エネルギー問題」です。原発が爆発したもの、大規模に停電しているのも、ガソリンが不足しているのも、水が不足しているのも、全てはエネルギーの問題です。最近ではライフラインとい言い方をしますが、この表現は誤解を招きます。その理由は後で述べます。

エネルギー問題というのは、その社会システムに密接に関連しています。社会が違えば、エネルギーの需要・供給は全く異なります。

例えば、現代の日本では毎日1人当たり、約10万キロカロリーの化石燃料を使用しています。石油に換算すると約10リットル。車で10リットルの燃料といえば、さほど大きくありませんが、子供も赤ちゃんも頭数に入れて1人当たり1日当たりの量ですから、相当な量です。一方で、江戸時代の1人当たりの化石燃料使用量を、今と同じ基準で計算すれば「ゼロ」です。車もなくコンロもなく、トラクターもない生活ですので当然です。そんなエネルギーを使わない江戸時代の生活でも、食料自給率は100%でした。現在の日本の食料自給率は40%台ですから、いかに現代生活の無駄が多いかが分かります。


「江戸時代は資源もモノも無かったから、リサイクルして使うしか無かった」 ー 確かにこれは一面を表していますが、現代と比べるともっと大きな枠組みが根本から違っていたようです。

産業革命以来、モノを大量生産・大量流通することが可能になり、どの国でもモノづくりに邁進してきました。その為に各組織はどんどん大規模になりました。産業革命以前の昔はずっと、エネルギーや食料を生産するのは「家庭」でした。火は薪で起こし、田畑は家畜で耕し、移動は家畜や人力です。家庭で生産したエネルギーを家庭で使う。いわゆる自給自足の生活です。それが火災や水害など自然災害を経験することで、「地域社会」での共同エネルギー生産に移行しました。地域での共生です。やがて地域間抗争を経て、「国」単位でのエネルギー生産へと移行しました。エネルギーを、国家や企業が一括生産するという段階です。

全てのモノづくりが大規模になると、水も電力も食料も、国家や専門の大企業が、一括して大量に生産するようになります。この流れから、火力発電や原子力発電などの大規模で効率的なエネルギー生産が必然となってくる訳です。この段階では、エネルギー生産や流通に必要な施設は全て国家や大企業が管理し、その施設を「ライフライン」などと呼びます。その名前の通り、これらの水・電気といったエネルギーがないと人間は生きていられません。その生命線を、国家や大企業が握っているということです。常にモノを大量生産して、マネーの売買を繰り返し、成長し続けなければ成り立たない経済システムが、現在のものです。


その一方で、産業革命以前はもっと身近な範囲でしかエネルギーを生産していませんでした。江戸時代では自給自足できる範囲がほとんどで、材木等の植物を主なエネルギー源としていました。一定の範囲ならば、植物は枯渇しません。そして着物の仕立てや直し、道具の修理、肥料のリサイクルなど一部の専門分野のみを他人(行商人など)に依頼する形を取っていました。つまり、ライフライン=生命線を国家に握られていた訳ではないのです(年貢制度はありますが、あくまで税金の一種)。常に経済成長しないと成り立たないシステムではなく、天候次第で自分たちが生産した食料やエネルギーを使って永続的に生きていくことができたシステムという訳です。

ちなみに江戸時代が終了した原因は、その循環システムが破綻したのではなく、外部からの侵入者によるものでした。ところが、現代の大量生産に基づく経済システムは、システム自体が破綻しようとしています。その現れが今、日本で起こっているエネルギー問題なのです。


江戸時代と比べて、現代はエネルギー効率がとても悪い訳ですが、その原因は主に2つあります。1つ目は、エネルギー生産を一括で外部(国家等)に丸投げしていること。2つ目は、エネルギーの無駄使いが激しいことです。

1つ目のエネルギー生産丸投げについては、国家による国民の支配システムと言って良いでしょう。これはペットにつける首輪に似ています。飼い主である人間は、ペットが万一暴れたらいけませんから、首輪をつけておきます。国民の主人たる国家は、ライフラインという名の首輪を国民につけている訳です。生きるためには、主人に依存するしかありません。この仕組みの危険な点は、飼い主が健康であるうちは良いのですが、飼い主が乱心したり健康を害した場合に、ペットはもはや生きてゆけないということです。なぜなら飼い慣らされたペットは、野生の本能、つまり一人で生きる知恵が既に無くなっているからです。

私も含めて、急にガソリンが使えなくなったり、スーパーで食料が品薄になったり、予測できない停電が起こったりすると、慌てふためいてしまいます。冷蔵庫はどうしよう、暖房はどうしよう、お風呂にも入れない、明日食べる食事がない・・・。江戸時代以前には誰もが出来ていたはずの、各家庭での燃料調達、食料調達がもはや出来ないのです。そして、その理由は、これらを学校で教わっていないからです。生きる上で大切なこれらの知恵は、昔は家庭で小さな頃から教わっていたはずですが、現代では教えません。それはそうです。誰もが自給自足できてしまえば、国家は経済成長しませんし、税金もほとんど入ってこなくなります。自給自足の知恵を教育することは、国家にとって非常に都合が悪いことなのです。


そして2つ目のエネルギー無駄遣いについては、本書に分かりやすい例が示されています。一部を引用します。

-----(引用開始)-----
「こんなのは嫌だ。めざしやいわしより、サシの入った松阪牛のステーキのほうがいい」という人はいるかも知れない。もちろん、お好きなものを召し上がればいいが、江戸の人たちが食べていた食品の大部分は地元産なのである。(中略)

それに、省エネだという家電製品。あれは省エネといっても、人間が楽をするための、人間活動の省エネのためのコマーシャルである。床にいろいろなものをばらまいて、掃除機で吸い込む。あんな平らなとこは、箒ではけばいいのである。箒ではけば15秒ぐらいで終わる・・・(中略)

皆さんもご承知の、いかにして痩せるかというコマーシャルだ。”現代”の生活をしていれば太るに決まっているのに、太ったら今度は機械やら、ダイエット食品を買って痩せようというわけである。グルメにも金がかかかる。体力を節約するのにも金がかかる。痩せるのにも金がかかる。部分痩せとかいって超音波発生機を使ったり、馬の鞍みたいなのに乗ってグルグル揺れたりしている。これ(※引用者注:上記の一連の商売のこと)をグルでやってたら犯罪である。ばらばらにやっているからまだ許せるが、そんなことをするなら、ごちそうを食べないで、番付に出ている(※引用者注:別頁に江戸時代の人気食品番付が紹介されている)江戸時代のようなものを食べて、箒で掃除していれば、私みたいにただで太らずにいられる。
-----(引用終了)-----

これを読むと、確かに現在の経済システムは末期に来ていることが分かります。ふつうの体型の人をわざわざ太らせて、そして痩せさせる。その無駄な活動がGDPを上げます。本来は無いはずの需要を、無理矢理作っているという段階にあるのです。成長し続けなければ成り立たないシステムというのは、永遠に人口が増え続け、需要が増え続ければ成り立つかも知れません。しかし、地球の面積は限られています。


上記2つのエネルギー問題を解決するキーは、下記の点ではないでしょうか。まず、現代のような無駄をなくすこと。エネルギーは循環可能なものを利用すること。そして家族や個人といった小さい単位で、独立してエネルギー生産すること。江戸時代には、全てこれらは実現されていました。

しかしこのエネルギー問題を解決するには、社会システム自体が変革する必要があります。というよりも、既に変革に向かっているのかも知れません。現在の拡大型経済システムの本質は、モノを増やす=マネーを増やすことです。これまで多くの人は、究極の夢として大金持ちになり、豪華なモノを所有して、豪勢に暮らすことをイメージしていました。これは拡大型の経済システムと符合するものです。しかし、この経済システム自体が崩壊しつつある今、従来の「大金持ち」になるという夢は、過去の価値観ということになります。大金持ち=モノの所有=成功という価値観は古くなるということです。

従来のように、成功すれば大金持ち、失敗すれば衣食住もままならない、という経済システムはいずれ無くなるでしょう。日本の江戸時代のような、つつましい生活が基本となります。誰もが「贅沢は出来ないけれども、衣食住を脅かされる心配はない」という生活に向かいます。以前は、経済やモノに向いていた関心は、もっと精神的なものに向かうはずです。芸術や音楽などの文化面が主役になるのではないでしょうか。

その意味で理想に近かった江戸時代を、より近代的な形で実現しているのがキューバです。江戸時代とは違い、自動車もありますし、飛行機もあります。それでも循環型という意味で日本の江戸時代に近く、モノは修理して何度もリサイクルします。食料の自給率も大きく日本を越えています。キューバを端的に紹介した次の一節が分かりやすいと思います。


-----(引用開始)-----
 現在、日本の自給率は食料で40%、木材で10%、エネルギーでは原子力を除けば4%にすぎない。国際金融情勢の変化であれ、異常気象災害であれ、海外からの物資やエネルギーフローが突然途絶した場合は、阿鼻叫喚の地獄絵図を示すことは想像するに難くない。

 世界のエコロジカル・フットプントからも、すでにこの惑星の資源再生力をとっくに超えていることは明らかだ。にもかかわらず、日本で日々豊かな暮らしが維持できているのは、いま開発途上国で生きる人々や未来の子孫たちの資源を「搾取」しているからに他ならない。だが、地球は生態学的に言えば閉鎖系である。いずれクラッシュが訪れる。そして、キューバは、どの先進諸国もいずれは経験するはずであろう未来のクラッシュを政治的な特殊事情からいちはやく経験してしまった国なのである。
-----(引用終了)-----

ここから分かる通り、キューバは米国からの経済封鎖も受けている社会主義国家、いや独裁国家ともいえるでしょう。キューバはこの資源のない八方塞がりの状態の中でも、循環型のエネルギー政策を採用して、WHOやユニセフ、世界銀行から評価されている幸福度の高い社会を実現しています。ここの表現を借用すれば、日本も「未来に起こるクラッシュを、天災という特殊事情からいち早く経験してしまった」ということになるのかも知れません。


幸いなことに日本には技術があります。エネルギー利用に関する技術もありますし、モノづくりの技術もあります。しかも、過去に江戸時代という高度な循環型社会を、既に成功させていた訳です。経済システムの転換さえできれば、最も未来的な社会へと生まれ変われる可能性があります。「ネオ・江戸時代」とでも呼べるのではないでしょうか。まずは今の国家危機を乗り切り、キューバの例などを参考にしながら、何とか未来を切り開いていきたいものです。


本書の感想は以上です。他にも過去読んだ本の感想などをこちらにアップしていますので、宜しかったらどうぞm(__)m
http://servelle.main.jp/320/
Posted at 2011/03/19 13:40:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | メモ | ビジネス/学習
2011年02月28日 イイね!

かつては日本も仕掛けてた!?

かつては日本も仕掛けてた!?ここ数日は天気が悪いのと寒いのとで、クルマを運転できていません。暖房に当たりながら、読書などをしていました。たまには、読んだ本の感想などを載せてみたいと思います。


●日本人の知らない近現代史

歴史って難しいですね。
いくつかの本を読んで、改めて思いました。学校では絶対に習わない近代史があるということ。そして、それを知らないと、例え英語がペラペラになっても、本当の意味での国際人にはなれないということ。

学校では中学で日本史の外観は学んだものの、高校では社会科が選択制となっていて、私は地理を履修しました。

問題は日本史を、真っ正直に古い順に時系列に学んでいくことにもある気がします。年間の授業時間は決まっていますから、臨時学校行事や学級閉鎖など何か授業時間を減らすの事態があれば、最後が尻すぼみとなってしまいます。実際、私が唯一日本史を学校で習った経験は中学であるにも関わらず、何度が風邪やインフルエンザでの学級閉鎖があり、明治維新以降はかなり駆け足でした。その後は、受験に特に必要にならなかったため、日本史や世界史からは遠ざかっていたのが実状です。

近現代。今日本が直面している問題に対して、一番示唆に富んでいるのは、近・現代に日本が行ってきたことであり、近隣諸国との外交や金融・政治・文化交流にあると思われるからです。

そんな訳で、いくつか読んでみた本の中から一冊取りあげて、気づいた点を共有したいと思います。


★「日本封じ込め」の時代/原田武夫

まだ若い原田武夫氏の経歴は、外務省の元官僚。元外務省の著者ということで言えば、佐藤優氏も有名ですが、原田氏の著書も同様に知られざる内容が満載でした。本書の構成は、一般にあまり知られていない日本による朝鮮統治時代の戦略をまず紹介。それになぞらえて、次の章では現在の日米関係を紹介するというものです。この時点で、ピンとくる方も多いと思いますが、要するに現在の日本が、アメリカにどのようにして操られているのか、という仕組みを解説したものです。

まず、私が全く歴史で学んでいなかった韓国併合の際の、日本が企てた植民地経営について。この時の状況として、日本が朝鮮に置いた統治本部は必ずしもうまく万全に機能していなかったそうです。反日派の勢力もあり、時折大規模なデモや運動が起こることもあったとか。そこで、次のような統治戦略を考えます。本書から一部引用します。

(引用開始)
このとき、演壇から語る彼らに総監督府から課された論法は次の四つであったという。すなわち、
(1)「改革」と連発することで、将来の「善政」について人々に幻想を抱かせること
(2)反日独立運動者が徹底弾圧されていることを喧伝し、聴衆に日本への服従が最善であることを説くこと
(3)日本があまりにも強大である一方、朝鮮独立に対しては国際的な支援のないことを喧伝することで「朝鮮独立不能論」を説くこと
(4)官史のように日本の朝鮮支配への協力者は厚遇されていることを述べつつ、「共存共栄」を説くこと
である。
とりわけ、日本による朝鮮統治がもたらす矛盾を、「白人に対する黄人の団結」という人種的な議論ですりかえる論法は、きわめて頻繁に用いられていたという(中略)。それはいわば、1920年代の朝鮮総督府による政治宣伝における「共通語」「キャッチフレーズ」であった。
(引用おわり)


これを見ると、まさに現在の日米関係を思わせます。日本を「アメリカ」へ、朝鮮を「日本」と置き換えて読めば、そのまま当てはまりそうです。「白人に対する黄人の団結」というのは、「北朝鮮の脅威に対する日米の団結」というニュースでよく聞くセリフです。

さらに、「日本が仕掛けた罠」という項目には次のように記述されています。


(引用開始)
これら民族主義右派(引用者注:反日ながら現実主義として日本寄りの人たち)のリーダーたちは、「民族性改造」「実力養成」「自治」を主張した。そして総督府(引用者注:日本のことです)は、こうした主張を「穏便な民族主義」「文化的民族主義」と評価し、これと対抗しようとする民族主義左派(引用者注:完全な反日の人たち)と対立させたのである。(中略)その後も一貫して総督府が「文化政治」のなかでこうした態度をとり続けた結果、朝鮮人としての自意識を持った民族主義運動は、左右両派の対立、すなわち「内ゲバ」へと転嫁されていった。そして、これが激しくなればなるほど、民族主義右派は総督府に接近せざるを得なくなり、その術中にはまっていくのである。(中略)もはやこの段階で去勢さえた民族主義者右派たちは、彼らにとってつい先日まで「本当の敵」であったはずの総督府、そして日本政府の掌の上で踊る人形にすぎなくなっていたのだ。
(引用おわり)

これも、まさに今現在の日本でも進行している、アメリカによる日本経営にそっくりです。まず田中派(小沢一郎など)や鈴木宗男などの民族派の政治家を、メディアを使って徹底的に排除。アメリカ支配を脅かす恐れのある勢力は、あらゆる手段でつぶします。そして、骨抜きにされた民主党と自民党という二大政党で争わせ、まさに内ゲバへと転嫁されています。どちらの政党が政権を握っても、消費税などの増税を実施し、日本国民のお金を金融・経済の正規ルートでアメリカにお金が渡るように仕組まれています。しかしこのような仕組みを構築した、「本当の敵」であるはずのアメリカには矛先が向かないように、歴史教育が設計されています。

実際学校で学んだ近代史と言えば「日本は間違ったファシズムに走ってしまった。そして近隣国に多大な迷惑を掛けた。二度と武力に頼ってはいけない」というものです。本当にそうでしょうか?本書を読むと、これはアメリカが日本経営の長期化を図るための布石だということが分かります。

本書では、アメリカ側の顕著な例として「金融」と「メディア」による支配を挙げています。金融面ではジョセフMドッジが仕掛けた、日銀に政府名義で特別勘定を設置するという、後々まで日本のお金を融通できる仕組みが紹介されています。この他にも、為替レートで日本企業の貿易収支をある程度コントロールできる仕組みや、日本の利益であるはずの外貨準備高を自由に使えない仕組みなどが有名です。

メディア面では、日本テレビ(4チャンネル)がアメリカの意図によって作られたということを紹介。詳細は「日本テレビとCIA(新潮社/有馬哲夫)」にあります。これ以外にも、電通がアメリカの軍産複合体によって、資金面を握られることでコントロールされていることが有名です。日本のメディア構造は電通と博報堂がピラミッドのトップで、放送局や紙メディアなどがその下に収まるという格好ですから、業界トップの電通が押さえられているというのは、致命的です。

この本書で指摘されている「金融面」「メディア面」の他に、私は「軍事面」が大きいと思います。日本側には第9条を持つ平和憲法を植え付けることで軍事的に無力化し、それとは矛盾する米軍事施設を日本国内に設置するという手法です。

日本本体には防衛手段を持たせないようにした上で、安全保障条約を結んでいる訳ですが、これを「日本はアメリカに守られている」と教えられるようになっています。実際には、二国の共通の脅威に対してのみ在日米軍は動くことが出来きるのであって、その決断にはアメリカ本国の決定がないと動けません。世界の視点で見れば、アメリカが日本のために守るということは一切なく、その反面アメリカ軍に日本が土地を無償提供する、ということはきちんと明記されています。この事実が国民に知らされないのも、メディア戦略のひとつでしょう。日米安保条約の文書を読むと、これらは明記されています。

アメリカがもっとも恐れることは、日本・中国・韓国・北朝鮮・台湾などの東アジアが一致団結することです。経済の面でも軍事の面でも、アメリカにとって地勢学的に最も痛いのがこれです。そのため、メディアや軍事力、諜報機関などを使って、分断しています。実際、日本は中国・韓国を嫌い、韓国は中国・日本を嫌い、中国は韓国・日本を嫌うようになっています。これに北朝鮮、台湾なども加えて、くっつくことのないように注意を払っています。

このアメリカの意図を知っている民族派の政治家は、東アジア共同体構想などを打ち出していますが、今のところアメリカの力によって押さえ込まれているようです。本書に太字で書かれている、次の一文が印象的です。

「日本は米国による『日本管理』から独立してはいない。むしろ、そのもの自体では目に見えない何らかの手段によって、そのことに気づかされていないだけではないだろうか」


冒頭でもぼやいた通り、歴史は難しいものです。それは、教科書や本、テレビや新聞で語られている歴史が必ずしも正しいとは限らないからです。教科書問題にもあった通り、教科書に載っている歴史記述はあくまで日本が公式に認めたものであって正しいものとは限りません。例えば日本がアジア諸国へ侵略したとされる件については、侵略された側の国の歴史教科書には全く違った視点で書かれいるでしょうし、第三者である国の教科書にもまた違った書かれ方をしているでしょう。それもそのはず。ある事件も、立場が違えば見解が違うのは当然なので、一切主観を含めずに事実だけを書き記すというのはとても難しいことです。よく「歴史は勝者が作る」と言われますが、実際その通りでしょう。戦争に勝った国は賠償金を請求するだけに留まらず、植民地経営の手法として教育にも手を着けるのが普通です。そこで、教科書やテレビ、新聞、書籍、映画といった様々な媒体を使って勝者の歴史を刷り込みます。

また感情を纏った記述になることも、よくあります。家族や先祖を、その事件によって失った人は、その事件を「侵略」「暴力行為」だと捉えるでしょうし、その事件を起こした側は「必然性があった」「価値観が正当に勝利した」「最小限の損害でくい止めた」などと捉えるでしょう。それに、同じ規模の暴力であっても、暴力を受けた側は忘れにくく、暴力を働いた側は忘れやすいという性質もあるそうです。

これらのバイアスは、歴史にとって避けられないものです。感情を持った生身の人間の歴史なので、ある意味当たり前かも知れません。必要なのは、こうしたバイアスがあることを知って、それを前提として学ぶ姿勢かも知れません。つまり、1つの歴史教科書だけから学ぶのは危険であって、同じ事件でも複数の視点から学ぶことが、誤解を少なく押さえる方法だと思います。

歴史を見て、つい感情的になることは多いものです。特に被害者側の歴史を強調したものでは、そのようになりがちです。しかし、感情的にネガティブになるだけなら、最初から歴史を知らない方が良いのでは?とさえ思えます。むしろ歴史はただ「ふまえる」ものであって、それを教訓としながら未来に何をするかということが大事だと思います。感情論に陥らずに、方法論として歴史を見れば、今現在にでも生かせる知恵がたくさんあるように思えました。


本書の感想は以上です。他にも過去読んだ本の感想などをこちらにアップしていますので、宜しかったらどうぞm(__)m
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Posted at 2011/03/02 21:13:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | メモ | 日記
2011年02月28日 イイね!

携帯でドライブレコーダーもどき

携帯でドライブレコーダーもどきドライブレコーダーもどきとして、携帯の動画機能で走行シーンを撮ってみました。

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