
PTクルーザーに興味を持つ輩の、100%がそのスタイリングに痺れていると断言出来る。
当然庵蔵もその一人なんだが、じゃあ一体何が心に響いてんのか。
アールデコの流れを汲む風貌は、他の追随を全く許さない妙なオーラがある。
(時として風景との調和すら拒否してる趣が…)
似た様なコンセプトのニゥビートルやMINIの方は、現在のデザイン文法を元にリメークした感じ。
PTは、昔のセンスそのままに一丁クルマを造ってみました、的な。
古臭いったら無いんだが、それは良い意味で。
言葉としては『レトロ』位がニュアンスとしては正しいかと。
巷でよく云われる『近代感』も、ライバルみたく洗練されてない分
あんま意図的に組み込まれてないんじゃないの、ちゅうのが庵蔵の意見。
だって、良く観察すると前照灯やブラックアウトされたピラーフレーム、
メタルバンパーを巧い事デザインに織り込んだバンパー位しか現代っぽさは無いし。
故に随所に醸される近代感も、センス的には70年代目線のベタな未来カー(流線型)止まり。
てか、何か特定の車種をリメークした訳では無いから、
現在感が(仄かに)感じられるに過ぎない、と個人的に考えている。
なんしょ、脇のボタンを押さなきゃ空かないドアハンドルや、
全体的に緩い曲面から構成されるボデー形状(特に大きく膨らんだフェンダー)は
洗練と程遠い野暮ったさをひしひしと感じる。
けどこれらは、デザイナーがレトロ感の為に
便利さを犠牲にしてまで残したコダワリのポイント。
お蔭で、知らない人の約75%がボタン押さずにドアを思いきし引っ張ったり、
前後の見切りが悪過ぎたり、物凄げぇ小回り利かなかったりする。
何故にPTのスタイルに痺れるかって、
己の信じる道を、造り手が脇目も振らず体現した事が伝わるクルマだからなんだってば。
…お後が宜しい様で。
Posted at 2011/04/09 01:35:54 | |
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PTノ蘊蓄 | クルマ