
オイル交換(は何故かトヨタ・カローラ店でしているホンダ車ユーザー(笑))のついでに、新型フィールダーの試乗をしてきました。グレードは1.5Xエアロツアラーで、この試乗車にはダウンスプリングとオプションの17インチアルミホイールにタイヤはファルケンの ZIEX ZE329 215/45R17 が入っていた事を最初に書いておきます。
さて今回の新型フィールダーですが、先代に比べてかなり脚が引き締められています。試乗車が既にカスタマイズされているという事もあるのですが、とにかく挙動は『これがカローラか?』と思える程のソリッド&ダイレクト! カローラだと思って乗ると面食らいます。
先ず最初に感じたのはブレーキ。初期剛性が上がりタッチの印象がかなり変わっている事に驚きました。強く踏み込んでも剛性感は変わらず、踏み込めば踏み込んだだけ効くといった安心感があります。ただ、若干リニアさに欠ける部分があり、食い付きが良すぎるのか唐突にブレーキフィールが変わる部分があるのは残念です。もう少し素直なタッチなら言う事は無いんですが・・・。
サスペンションは基本的に先代を踏襲。それだけに固められた脚には驚きました。インチアップにダウンスプリングを入れているにしても、その硬さはカローラと呼べない程。かといってそれが不快かといえばそんな事はなく、舗装路の細かな、時として少し大きめの凹凸を次々に乗り越えても、嫌な振動を感じさせません。もちろん脚が硬い以上、サスがその上下動を殺し切る事は出来ませんが、その細かな上下動が不快な部類のものではなく、路面の情報として感じる事が出来るのです。これはサスの出来もさる事ながら、その振動を車体が上手く受け流しているようにも感じます。
ハンドリングはお世辞抜きにかなり高く感じます。ハンドルの応答性は良くレーンチェンジもスパッと切る事が出来ますし嫌な揺れ返しはありません。多少オーバースピードでコーナーに入っても意外と問題無く回ってしまいます。メカニカルグリップは結構高いと見ましたが、少し気になったのは、その固められたサスのセッティングとインチアップが原因なのか、轍といった路面状況の変化やブレーキングによって、若干ハンドルを持って行かれる場面に出くわしました。パワステは電動ですが、この路面からのフィードバックを良くも悪くもドライバーに感じさせるのと、走行時の操舵フィーリングが若干軽く感じるのが今一つです。
個人的に(電動パワステ以外は)こうした味付けの車が好きなので私は『この仕様のフィールダーなら買っても良いかな?』と思いましたが、従来のトヨタ車ユーザーがこの乗り味を好むかといわれれば、それは大変疑問であるといわざるを得ません。この車がカローラであることを考えると、それは仕方のない事なのかもしれませんが。少なくとも今回の試乗車はファミリーカーというよりも、車好きの作ったカスタマイズカーという趣の方が強いです。もし素のフィールダーが同じ傾向の味付けだったとすると、ユーザーからクレームが来るかもしれませんね・・・。
エンジンは如何にもトヨタのエンジンだなという感じで、試乗車の1NZ-FEは相変わらず【もっさり】とした回り方をする感じです。組み合わされるミッションは今回からオートマの場合すべてCVTとなりましたが、このエンジン特性とCVTの組み合わせという事もあり、発進加速のフィーリングは正直イマイチといった感じです。ことこうした部分は以前のトルコン4ATの方が感覚的に初期の加速感がありました。けれど、速度が20km/h以上になればその制御に文句はありません。1500ccではありますがフィールダーは車重が軽い事もあり良く走ります。これなら敢えて1800ccを選ぶ必要はないんじゃないかとさえ思えます。また、今回のカローラから設定されたECOランプですが、燃費制御がかなり有効に働いている為か停止直前まで点いている事が多いようです。MTよりも燃費が良いという今回のCVT、実燃費は格好良いかもしれませんよ?
最後に、静粛性はかなり高いです。先に書きましたようなカスタマイズが既にされている事を考えれば、充分な静粛性を持っていると言えるでしょう。特にワゴンボディのフィールダーでこの静粛性ですから、セダンのアクシオはより静粛性に優れていると思います。
以上、その意外(?)な出来に『次期愛車候補としても良いかな?』と思えるフィールダーなのですが、これでリアブレーキがディスクだったらなと毎度のように思ってしまうのでありました。新型フィールダーのブレーキ剛性感がとても良くなっているだけに、それだけが心から残念でなりません。
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自動車試乗・拝見記 | 日記
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2006/11/01 18:46:17