2005年11月20日
本日の試乗記真打ち、アウトランダーの登場です。
しかし、本当に試乗する事になろうとは思いもしませんでしたけどね(苦笑)。
さて早速エクステリアですが、アウトランダーの前身であるエアトレック程の奇抜さはなく、逆にインテリアも含めコンサバなデザインに落ち着いています。奇をてらわない分アウトランダーの商品性は高いものになっていると思いますし、一見して三菱のSUVであると分かるデザインは好感さえ抱きます。多少無骨なところはあるかもしれませんが、ちょ~っとだけハリアーを意識したところがあるような気がするのは、きっと私の気のせいでしょう・・・うん。そのエクステリアの作り込みはかなり良いです・・・センターピラー付近にあるドアのダークメタリック塗装部分を除いて。乗車する時に必ず目にする部分ですが、どうもこの本来ブラックアウト塗装する部分に如何にも『塗装しましたぁ!!』と見えてしまうところは残念でなりません。この辺の処理は、やはりトヨタに敵わない部分ですね・・・細かな部分ですけど。
乗り込んで目に飛び込むインテリアは、少々無骨な部類に入るでしょうか? 硬いというかなんというか、だからといってシンプルな造形かというとインパネ上のダッシュボード形状は無駄な造形に感じます。こういった部分は出来る限りシンプルに行い凹凸を無くし、可能な限りフロントガラスの映り込みに配慮する方が良いと思います。試乗時は問題ありませんでしたが、太陽光線の入射角によっては干渉する部分も出てくる可能性があります。またインパネのメーターですが、左右に分かれたスピード&タコメーターの径の小ささと視認性に多少の疑問を感じます。可能ならもう少し内側が見えた方がメーター類を見易くなると思います。こんな造形になった理由の一つはメーター間にあるマルチインフォメーションディスプレイを大きく取る為だと思いますが、その為にスピード&タコメーターの視認性がやや低下する可能性が発生するとしたら、本末転倒な気もしますが・・・。
シートは全く問題ありません。シート地の感触・摩擦力、クッション性とサポート感は必要にして充分。座り心地は上々で2列目のシートも充分長距離に付き合える出来になっています。なお展示車は7人乗り仕様でしたが流石に3列目はオマケ程度のシートで、コレに座って長距離ドライブに付き合わされるのは勘弁して欲しいですね・・・やはり3列目は非常用です。ところでこの3列目シートですが、ヘッドレストが面白い形状をしていて折りたたみ式になっています。下手なミニバンの3列目よりもこの部分は出来が良さそうです。
シートアレンジは7人乗りの場合3列目はカーゴ下にたたみ込んでカード容積を拡大し、2列目は3列目シート脇にあるスイッチを押す事により簡単に跳ね上がります。いや、最近の車はハッチ付近から色々と出来るものですね・・・感心しました。ただ、跳ね上がった2列目のボディー固定部分が完全に露出してしまうので、この部分の見てくれはあまり良くありません。質実剛健というか何というか・・・この辺の割り切りがメーカー間の思想の違いなのだなと妙に関心しました。これがトヨタだったら、この値段の車ならこういう処理はしなかっただろうなと思うと、やはりあのメーカーは凄いのだというのを改めて再認識させられた次第です。
アウトランダーのウリの一つとしてプレミアムサウンドシステムが上げられます・・・というか、最初にコレの営業トークを散々売り込まれました。確かに凄いシステムなのかもしれませんし、その為にドアのデッドニングもガッチリされているようですが・・・私的にはあまり興味がないので、この辺はスルーさせて頂きます。強いて言わせていただけば、カーゴルーム左端のウーハーが少し邪魔だな~というところですね。(^^;ゞ
では本題の試乗です。
試乗車はG-5人乗りです。確かタイヤは標準の17インチだったと思うのですが・・・もしかすると18インチ仕様だったかもしれません。アウトランダーはかなりガタイが大きく全幅が1800mmもあります。正直私は大きな車を好まない方なので、出来れば運転は遠慮したい部類なのですが、乗り込んでシートとミラーを合わせると、意外にも車両感覚は掴み易いように感じました。やはりSUV特有の見晴らし感とボンネットがちゃんと見えるところに掴み易いキモがあるのでしょう。コレが現行オデッセイだった比には、車両感覚が掴み辛くて仕方がなかったかもしれません・・・あの低床ミニバンって、ある意味罪ですね。(^^;ゞ
余談はともかく、エンジンを始動してガタイの大きなアウトランダーを交通量の多い国道4号へ合流させたのですが、この車の2.4LのエンジンとCVTの組み合わせによる動力性能は何の気遣いもなく操る事が出来ますね。最初はFFで乗り出しましたが、走行中に4WDに切り替えたりして色々と試しましたが、駆動系の切り替えや4WDのコーナリングの違和感は全くありません。ただ、少々エンジンの音はウルサイですね・・・少しアクセルを開けると明らかに不快な騒音を唸り上げます。加速が済んでしまいさえすればエンジンは静かなものですが、CVTの唸りのようなものも聞こえ、ロードノイズも慣れないと荒れたアスファルトの路面では無視出来ない音を発します。プレミアムサウンドシステムを搭載しソレをウリにする割りには、静粛性に欠けるのは明らかに頂けませんね・・・というか、ハッキリ言ってあのプレミアムサウンドシステムをアウトランダーに搭載するのは、大枚をドブに捨てているようなものです。
もっとも、それ以外ではアウトランダーの乗り心地、走行性能は大したものでした。まず乗り心地がSUVとしては最高に良い。安楽というのではなく街乗りではとてもフラットで安心してこの巨体を転がす事が出来ます。そのフラットさを実現している一つがボディー剛性であると言えるでしょう。アウトランダーのリアハッチは上下に都合2箇所のハッチに別れています。上は勿論巨大なテールゲートですが、下の部分はバンパーと一体化された構造になっていて、開けるとカーゴルームとフラットのベンチ状になります。このように巨大な開口部があるにも関わらず、ソレを感じさせない剛性は半端じゃありません。車両重量も5ナンバーハイト系ミニバンと同クラスで極端に重い事もなく、それでいて剛性感を感じるフレームの強度はかなり強烈と言えるでしょう。ストリームでいえばアブソルートのボディー強化をもっと強烈に行い、かつ重心を下げる為にルーフをアルミ製にしているという徹底ぶり。お陰でコーナリングもSUVとしては信じがたい程にフラットでロールも感じさせずアッサリとコーナーを駆け抜けてしまいます。勿論これにはサスペンションの完成度が高い事が上げられます。ロール自体は間違いなく発生している筈なのですが、そのロールを感じさせない程に剛性が高く、ハンドルをスッと切ればものの見事に曲がってしまう素直さには、これだけ大きなボディーを纏ったSUVとして考えれば驚きです。
曲がる事にかけては素晴らしいアウトランダーですが、僅かにブレーキの容量には疑問を感じます。確かに16インチディスクブレーキを前後に採用しているのでとても真っ当ではあるのですが、感覚的にマスターシリンダーの容量が少々足りない気がするのです。低速の街乗りならこれでも問題無いと思いますが、何しろタイヤが大きいアウトランダー。本当にブレーキパワーが欲しい緊急時に、どれだけ16インチディスクブレーキを生かせるかには甚だ疑問が残りました。
色々書きましたが、私的にはかなり好印象の車です。
アウトランダー、三菱久々の真っ新な新型は、なかなかの意欲作でした。
Posted at 2005/11/20 21:55:23 | |
トラックバック(0) |
自動車試乗・拝見記 | 日記
2005年11月20日
発売するかなり以前から公開されていたそのエクステリアの奇抜(?)さからか拒否反応がそこかしこで沸き起こっていた新型ウィングロードの試乗をしてきました。
試乗車のグレードは15RXのブラックで幸か不幸かこの黒いボディーのお陰か、例のルーフデザインの奇異さがあまり目立たないように感じました。実際現車を見てみると奇抜と思われたエクステリアも『こんなもんか?』程度にしか感じられません・・・いえ、もうネット上で見慣れていた事もあって違和感には慣れてしまっていたのでしょう。ホンダが今年発売した現行ステップワゴンも先行公開されていたエクステリア写真を見慣れていた事もあって、現車を見たらそうでもなかったという事例もありますし、もしかすると日産が先行公開した新型ウィングロードのエクステリア写真の早期公開は発売時の違和感を少しでも和らげる為にリークを行ったのではないかと勘ぐりたくなる程です。今回の試乗車も出来れば黒ではない別のボディーカラーで見たら印象も変わる可能性もありますが・・・まあ、思った程ではなかったという事だけは間違いないと思います・・・でも、やっぱりこのエクステリアだと、やっぱりちょっと退くなぁ(苦笑)。
サイドから見えるルーフラインこそ特異な新型ウィングロードですが、それ以外は最近発売される日産車のデザインラインに則った形であると思います。それが普通の日産的なモノだけに、あのルーフが目立ってしまう可能性は否定出来ません。リアのハッチへと回り込むガラスのラインに変化を持たせたかったのでしょうけど・・・このデザインを見てしまうとエアウェイブの例の中途半端に思えたサイドの“アレ”が真っ当に見えるから不思議ですね。(^^;
気を取り直して(?)乗り込むと、いやはや、良くも悪くも最近の日産車らしいデザインで、内装色はブラックのみでグレードにより多少シート等にグレーの色が加わります。ノート等の明るいパターンの印刷されたプラスチックではないので随分落ち着いて見えますし、今までの日産のインテリア造形やデザインに馴染めなかった方にも強い違和感は感じないのではないでしょうか。またインテリアの表皮もソフトタイプのようで意外とコストを掛けています。内装はカローラフィールダーに迫り、一部追い越しているのではないでしょうか?
またシートはラフェスタやノートよりも十分容量があり、クッション性は上々でホールド感も悪くありません。このクラスの最近の日産車としては出来が良いシートであると感じます。日産に限らず試乗時に安心して身を任せられるシートがこのクラスでは少ない気がします。その意味から言えば新型ウィングロードのシートは合格ですね。
さて、肝心の試乗の方ですが、発進時に充分発生する低速トルクと頭の良いCVTのお陰で1.5Lのエンジンでもストレスは感じません。スピードが乗っても同じで余程の事がない限り1.5Lでも充分と思える動力性能を発揮します。エンジンの静粛性は充分で多少回してもトヨタ車の同クラスのように喧しいと感じる事は滅多にありません。キックバックのショックも軽く良くチューニングされています。
勿論、通常の試乗程度でボディーが音を上げる事はありません。大きなハッチを持つステーションワゴンですがミシリともせず、ロードノイズもクラスを考えれば上等以上の出来。最近の日産車特有とも言える突き上げも上手くいなされています。中速以上でのヨー変化もこれといって感じる事もなく、サスペンションの出来が良いのか乗り心地は少し上のクラスであるラフェスタ以上ではないでしょうか? 日産車らしいハンドルの軽快さはそのままに、乗り心地や操安性は一つ上のクラスとまでは行かないまでも、このクラスでは最良とも言えるチューニングになっていると思います。こうなると、もっとスピードを上げていろいろ試したくなるところなのですが・・・流石に営業さんを乗せてそれを試す事は出来ず、街乗り程度ならエアウェイブやフィールダーを凌駕しかねない車に仕上がっていると感じました。
乗り心地も操安性も使い勝手もインテリアも良い・・・後はコレで、あのルーフのデザインが真っ当だったらと思うと、残念でならないのは、果たして私だけでしょうか?
Posted at 2005/11/20 20:02:55 | |
トラックバック(0) |
自動車試乗・拝見記 | 日記
2005年11月20日
某氏から『アウトランダーの試乗記プリーズ♪』というリクエストにお応えしようと思い、その前に比較の為、同時期に新発売されたトヨタのSUVである新型RAV4を拝見&見積もりをとってきました。残念ながら試乗車はありませんでしたので試乗は出来ませんでしたが、展示車を観察した限り多分乗らなくても分かるような気がしました・・・。
展示されていたグレードは上級のG-4WDでカラーはシルバーです。まずエクステリアを観察すると基本的に一目見てRAV4であるというデザインになっています。先代と比較した場合は幾分スタイリッシュになっているとは思いますがサイドからリア周りにかけてカローラランクスやヴィッツのラインがやや見てとれるので、デザインは主にカローラ系のデザイナーが手掛けたのかもしれません。何れにせよ街乗りメインのSUVとして嫌みのないところは流石にトヨタと言えます。
インテリアのデザインは正直脱帽です。座って先ず感心したのですが、インパネのデザインに破綻は存在せず整然とした造形はとても秀抜です。このデザインならMCでの大きな改善は必要ないかもしれません。強いて問題点を上げれば、この優秀な造形にプラスチックの質感が追いついていない事と、そのプラスチック製カバーの厚みや固定方法に疑問を感じる部分があった事です。先ず質感ですが、表皮のパターンは他のメーカーがよく使用するシボ模様である意味トヨタらしくない感じがしますし、また表皮の微妙な光沢にやや安っぽい印象を受けました。またドアの内張であるプラスチック製カバーが妙に薄っぺらく感じ、カバーに充分な剛性が不足しているような感覚を受けました・・・インテリアの造形が良いだけに、最近のトヨタ車はコストダウンし過ぎなんじゃないかと残念に思えて仕方がありません。
シートは最近のトヨタ車と同様の指向で、やや硬めの座り心地となり何故か印象が少々前に発売されたラクティスとそう変わりません。悪くはないのですが、もう少しシートを柔らかめにしても良いような感じがするのですが・・・。リアシートも若干シートアレンジ優先の為か、背もたれの部分が低く硬さも一層増しているように感じます。ちょっとこのリアシートに座って長距離を付き合うのは骨かもしれません。
スイッチ類や小物入れの使い勝手は造形の時点からよく練られていると思いますが、やや空調スイッチに癖があるのは残念で、出来れば運転中の操作時にもう少し触って分かり易いと操作が楽であると感じました。ちょっとこの辺はデザイン優先の部分がありそうです。
その他のインテリアも使い勝手は良好で流石はトヨタと感心する事しきりです。SUVとしてという事よりも日常で使う脚や道具として充分以上の完成度なのではないでしょうか。後は肝心の乗り心地や操縦性、挙動と動力性能を確認したいところですが・・・出来れば今度の週末にでも試乗してこようと思います。
Posted at 2005/11/20 18:59:37 | |
トラックバック(0) |
自動車試乗・拝見記 | 日記
2005年10月11日
今回の新型シビックはセダンのみ発売されましたが、あまりにも中途半端な車であると以前のブログで書きました。この程度ではミドルクラスカー足り得ないというのが私の見解でしたし、今でも変わりはありません。新型シビックがミドルクラスを狙うのなら、和流ゴルフを目指して欲しかったと思いましたし、ヨーロッパで発売されている魅力的な5ドアハッチバックの存在を知っている事もあり、国内でのシビックがセダンのみという事に苛立ちさえ覚えます。
以前にも書きましたように今回のセダンは本来シビックではなくプリモ・クリオ・ベルノ三店舗の併売車種として開発中の車をプリモの横槍により、プリモ専売車となった成り立ちを持つ今回の新型は、ある意味不幸な車と言えるかもしれません。もしハッチバック系でフィットとのバッティングを恐れてセダンのみを投入したのなら、ホンダのマーケッティングに対する消極的な姿勢には首を捻らざるを得ません。何故ならヨーロッパ版5ドアハッチバックを国内に投入すれば、3ナンバー5ドアハッチバックというジャンルをホンダのラインナップの中で作り出せるからに他なりません。
先代は真っ当に5ナンバーサイズとして発売されましたが、多少の差はあるにせよ同じ5ナンバーのフィットと完全にバッティングし、しかもデザインはお世辞にもスタイリッシュとは言い難かった7代目は不人気車となってしまいました。しかも7代目はこれといった主張のないモデルといえ、歴代中では一番技術的提案のされていないシビックであったといえるでしょう。確かに3ドアハッチバックを捨てメインを5ドアへシフトする事は社内的に勇気のある決断だったかもしれませんが、それはあくまでもホンダの社内的な都合によるものであって市場へ向けた提案では決してありません。そしてなお悪い事にホンダはほぼ同時期に姉妹車のストリームを発売し、ただでも商品力の弱かった7代目に自ら完璧な止めを撃ち、そんな先代の教訓を生かしたのか、それともフィットに5ナンバーハッチバックの全てを託したのか、8代目である新型はセダンのみの登場となりました。
さて先に書きましたように、今回の新型シビックが3ナンバーセダンとして登場しましたが、もし同時に5ドアハッチバックが登場していたなら当然3ナンバー化されて発売された事でしょう。現在ホンダがラインナップしている5ドアハッチバックで3ナンバーのモデルはといえば、代表的なものはエディックスです。しかしこの車は変形6人乗りミニバン擬きで特化した性格を持っている車であり、現在の販売数は苦戦状態です。この車は極端としても5ドアハッチバックでフィットでは満足の出来ないお客に対し、ヨーロッパ版の5ドアハッチバックがあったらディーラーとしてもセールスの自由度が上がった事でしょう。これをプリモ専売車として現行のセダンをフェリオとし三店舗併売車種にすれば問題は無かったと思います(ヨーロッパ版5ドアハッチバックに国内用のつまらない改変をしなければなお良いと思います・・・現在のホンダならやるだろうけど)。
まあ、こんな事をここで書いても太陽に向けて暑いと文句を言うようなもので、何の足しにもなりませんが、何の足しにもならないついでに以下のような展開があったら、新型シビックも面目を保った事と思います。
今回の新型はセダンのみで発売・・・と、いい加減このネタも読み飽きたとは思いますが、これからは少し違ってきますのでお許し下さい。スタイリッシュではあるものの、セダンのみの展開となってしまった今回の8代目は、ミドルカークラスへの移行というテーマと共に、とうとう正面切って約二ヶ月遅れとはいえ使えるハイブリッド車を発売し、トヨタのプリウスに戦いを挑もうとしています。そこで私は今回の8代目がセダンのみで勝負をするのなら、それこそ思い切って全てのグレードをハイブリッド化したモデルのみで揃えるべきであったと思えてなりません。先代が中途半端な5ドア化でコケ、今回も上級への移行のみでは、歴代のシビックが市場へ向けて行ってきた先進技術の提案はありません。ならば、今回は市場への提案を環境問題へと今まで以上に大幅なシフトを行い、シビック全車がハイブリッドとして登場したとすればどんなにインパクトがあった事でしょう。トヨタのハイブリッド展開は強力ですが、プリウス以外は既存モデルへのハイブリッド車追加となって車に興味のない方にはハイブリッド・バッチの有無が認識する唯一のものとなりますが、プリウスは全車が専用設計でハイブリッド車と一目で分かります。シビックもハイブリッド専用であったなら冷え込んでいるセダン市場に一石を投じる車になった事でしょう。これくらい思い切った事をしないとホンダのセダンが生き残る術はないと私は考えます。
少し車体的に突っ込んで言わせて貰えば、シビックハイブリッドの構造について私には少々疑問がありまして、新型シビックはフィットのセンタータンク構造を貧欲に吸収し上手く設計に取り込むべきだったと考えています。シビック・ハイブリッドの電池とコンバータは後部座席の背もたれとトランクの間に存在しますが、これを現在ガソリンタンクのある後部座席座面へと移動し、ガソリンタンクをセンタータンクとすれば、トランクスルー構造となり使い勝手は向上した事でしょう。もちろんこうする事によって次期ストリームのハイブリッド化も可能となり、また重い電池が下部に移る事によって、ハンドリングの向上も得られる事と思います。
以上から、何故今回の8代目がセンタータンク構造を取らなかったのか、理解に苦しみます。
初代シビックは排ガス規制という問題に世界で初めてCVCCという答えを提示しました。その精神を引き継ぎ、21世紀になり初めてのモデルチェンジを行う新型がハイブリッドとして出現すればホンダの顔であるシビックのイメージは向上し、ホンダ自体へのイメージも上がった事でしょう。ともすればモータースポーツが企業イメージとしてあるホンダではありますが、私のような中年にはそれ以前にCVCCのホンダというイメージが強く環境問題や燃費に関して他社よりも良いというイメージが未だ頭の片隅にこびり付いているのです。
出来ればその企業イメージを一層強化して欲しかったです。もっとも、今のように馬鹿げたF1熱に浮かされているホンダでは、到底無理な話でしょうけど、ね。
Posted at 2005/10/11 18:05:15 | |
トラックバック(0) |
自動車試乗・拝見記 | 日記
2005年10月08日
トヨタの新型車、ラクティスを見てきました。
展示車はG・Lパッケージで例のパノラマルーフ仕様ではありません・・・ちょっと残念。もっともこの仕様の車は日産ラフェスタやホンダエアウェイブで体験済みでしたので、この2車と大きな差違はないと思います。
さて、早速エクステリアをじっくり見ると、フロントグリルに先代であるファンカーゴの面影が僅かに残りますが、全体的に見ると自社他社からの良いトコ取りを行ったうえでファンカーゴ流にまとめ上げたデザインという感覚を受けます。部分的にトンガッタところや平凡な部分があるので決して美人ではないけれど、付き合えば容易に慣れるデザインでしょう。欲を言えばもう少しリアのデザインがフロントのデザインと合うモノであったらいう事は無かったのですが、ある意味ラクティスを含んだF/Rデザインのバランスは最近のトヨタ車デザインの傾向なのかもしれません。
タイヤは全車16インチを標準で装備されておりフロントの鋭いデザインに合っていますが、1300ccクラスには15インチの仕様があっても良かったのではないかと思いました。夏タイヤはともかくスタッドレスの16インチは高いですからね。その点を営業さんに話したら『15インチの場合ホイールのデザインを選ぶ可能性がある』と返ってきましたが、この辺どうだろうかと疑問に思えます。残念ながら展示車は鉄チンだったのでキャリパーのサイズが良く見えませんでしたが、決して15インチが入らないキャリパーだったとは思えなかったんですけど・・・。
ドアを開け、先ずリアシートに座りました。見た目もそうでしたが思った以上にトヨタ車にしては硬いです。次にパッセンジャー、最後にドライバーズシートに座りましたが、その順で柔らかくなっていった気がします(前席は同じ硬さだと思うのですが・・・何故?)。シート自体の容量に問題はありませんしホールドもまあ良好です。正面に目を移すとインパネのメーターがハンドルの上へとポジションアップしていました。その下(通常のメーター位置)は小物入れとなっています。ベースは現行ヴィッツで従来のシリーズはセンターメーターに固執していた感がありますが、今回のラクティスはハンドル上へメーターを移設した事もありセンターメーターのような違和感はありません。このメーター位置の為か1500ccのG以上はテレスコ付きチルトステアリングとなっています。ホンダのステップワゴンや新型シビックのようにメーター位置の変わり種車は全てテレスコ付きでしたが、トヨタのラクティスでも同様のアプローチを取った事で、やはりハンドル位置による視認性を上げる為にテレスコ採用された感が強く、この三車はドライバーの為というよりもメーターの為にテレスコ採用に踏み切らざるを得なかったのかもしれません。そのお陰でテレスコ付きとなりシート位置に柔軟性が上がったので文句を言うべき事なのではないかもしれませんが・・・やはり私は釈然としませんね。
気を取り直して、インパネや内装の質感はヴィッツベースとしてはかなり高いでしょう。ヴィッツはお世辞にも内装が良いとは言えない(トヨタ車としては悪い)車でしたが、ラクティスは価格相応の手を掛けられた内装になっています。使用されるプラスチックのパターンやパーツのチリも充分合格レベル・・・でしたが、ダッシュボードに成型時のヒケが見受けられた事から、見えない部分である材質的なコストダウンはかなり進んでいると見て間違いありません。経年変化でダッシュボードがどう変わって行くかはWISH以上に見物です。
スイッチやレバー類の配置は悪くありませんが、インパネシフトの向こう側に空調関連のスイッチが並んでおり、実際に操作する場合レバーのノブが邪魔にならないかどうかが心配です。この辺はWISHと同じで見た目優先の感が拭えません。そのインパネシフトですが全車ゲート式となっておりG以上のFF車にはシーケンシャルモードが付き、しかもステアリングにパドルシフトまで装備しています・・・おいおい。通常はどちらか一方を装備するものですが、その両方をラクティスは付けてしまっています。確かに両方あると便利だと思いますけれど、この分がコストアップになりはしないでしょうか? いえ、悪い事じゃないですし私的にはどんどんやって下さいという感じですけど(苦笑)。
シートアレンジはとにかく楽。FFのリアはダイブインシートになっていますが、ワンタッチでダイブイン状態と出来、しかもスプリングによるサポートでノーマル状態へ復帰させるのがとても楽です。リアシートを倒すとラゲッジスペースは結構広く、また地上高も低いので荷物の積み降ろしは楽だと思いますが、リアゲートハッチとラゲッジスペースとの間に30mm弱程度の段差があるのが玉に瑕です。
全体的にソツのない出来のこの車。様々なところで使い勝手に安楽さを感じさせるところがラクティスという車名に現れている・・・わけではないでしょうが(苦笑)実用性は高いと思います。ただ、多少シートの座り心地が硬めで、それが従来のトヨタユーザーにどう受け止められるかに興味があります。後は実際に試乗してみて16インチのタイヤとシートがどの程度乗り心地に影響するかも調べてみたいです。
■最初に、今回追加される試乗記は、手抜きです。
何しろ試乗してから時間が経った為か今一つ書く気が起きません。コレといって書きたい事がないのかもしれませんが・・・あ、無い事もないか。細かなところを突けば色々とありますが、取り敢えずラクティスで私が一番気になった点は、運転席フロアのペダル周りと16インチタイヤです。
ペダル周りは明らかに窮屈で、乗り込んで最初にブレーキペダルが上手く踏めるか心配になる程でした。これは足元の狭さもさる事ながら、ペダル位置がセンター側にオフセットし、かつ何故か心持ちフロント寄りに位置している気がします。しかもブレーキの感触が今までのトヨタ車以上に妙で、初期制動に嫌な違和感を感じます(何処ぞの【すべて】シリーズのライターも同じような事を書いていて少し驚き)。これは車内の広さを確保する為に、否応なくドライバーのポジションが不自然な場所に追いやられた結果でしょう。ラクティス最大の欠点です。
またラクティスは全車に16インチタイヤを履かせていますが、このタイヤと硬い足回りのお陰で乗り心地に悪影響が出ています。流石にBMC前のフィットよりは随分マシですが、5ナンバー規格一杯のボディーを奢りワイドトレッド化されている分、この細身で空気容量の足りない16インチタイヤでは路面の凹凸を拾いすぎるきらいがあり、ロードノイズも耳障りに感じる場面が多く快適性は同クラスの車種よりも明らかに劣ります。何故15インチタイヤを履かせなかったのか疑問に思えてなりません。確かに見た目は良くなりますしタイヤ剛性が上がるのでコーナリングには多少有効ですが、見せかけのスポーティーを追求しても乗り心地が悪くなっては意味がないように思います(燃費も悪くなるのではないだろうか?)。
ミッションの操作系もパドルを使うにはインパネシフトをMモードに倒さないと使えないし・・・細かなところで何かチグハグさを感じさせるラクティス。トヨタ開発陣の考えるスポーティーは、根っからのホンダ車乗りである私にとって疑問の多い車に感じました。
Posted at 2005/10/08 15:18:01 | |
トラックバック(0) |
自動車試乗・拝見記 | 日記