新型ステップワゴンを試乗してきました。(^^)
今回はあまり試乗するつもりはなかったのですが、友人からコイツの見積もりを貰ってきてくれと頼まれディーラーへ行ったので、良い機会だと思い試乗した次第です。なおシートアレンジについてですが、二列目がタンブルシートになり使い勝手が良くなった反面、三列目が少々畳む時に位置合わせがあり面倒だと感じる場面もありました。また話題のフローリングですがFFにしか設定されていません。ディーラーで質問しても明確な答えは返ってきませんでしたが4WDはセンタートンネルで中央が迫り上がっているのかもしれません。
さて、まず左の写真を見て下さい。フロントはなかなか個性的な面構えです。現行の後期型ストリームも最初雑誌で見た時は『誰がこんな車買うんだよ~』と思ったものでした(笑)が、実物を目の前にして何度か試乗している頃から慣れ始め、今ではWISHよりも気に入っています。今回の新型ステップも第一印象は現行ストや現行オデに勝りこそすれ劣らない(大笑)個性を発散させていますが、実物を目の前にすると、これはコレで面白いんじゃないかと思えてきます・・・が、リアのデザインが逆にトヨタ的で没個性なデザインに振られた為に前後のデザインがとてもチグハグに思えます。そのチグハグさに輪を掛けるのがサイドビューのキャラクターラインなのではないでしょうか? この斜めに走るボディーのラインは斜め前方や斜め後方から見ると意外にも視覚効果は良いのですが、真横から見ると少々頭を捻りたくなるような異質さを醸し出していますね・・・本当に近年のホンダデザインは何考えているのやら(溜息)。
少しだけ気が滅入りつつドアを開けて運転席に座ると、これが妙にハマリます。シートの容量や硬さも適度で個人的には長時間座っても腰に来る事は無さそうです。ハンドルもテレスコピック装備で40mmの移動が可能となりポジションが決め易くその他の操作系も破綻無く配置されています。強いて言えばオドメーターや外気温計の切り替えスイッチがハンドルの向こう側にある為、運転中の操作は面倒になったかもしれません。
ポジションが決まり正面を見ると意外な見晴らしの良さがそこにあります。僅かにダッシュボードの位置が低くされているのか低床で視点が低くなっているにも係わらず予想以上の開放感があるように思えました。ソレに一役買っているのがダッシュボード上に横長配置されるインストルメントパネルです。キーを差し込むと同時に浮かび上がるデジタルメーターは昔のBBプレリュードのようです。
キーを捻りエンジンを始動するとK20Aが静かに回り始めます。遮音はこのクラスとすれば上々でしょう。シフトをDモードに入れトルコン式4速ATにトルクが加わりブレーキをリリースすると静かに何のストレスも無く箱形のボディーが動き始めます。暖気が済んでいない割りに震動も少なくストリームから始まる名機の熟成は着実に進んでいるようです(話によると近い将来このエンジンもフェードアウトするようですが)。道路に出る時の段差のいなしは最近のホンダ車同様不快なモノは無く何事も無かったように合流速度までスピードを上げる為の加速に移る事が出来ます。新型ステップの車重は1.5tを超えていますが合流加速や信号発進に全くストレスは感じません。もっとも今回は試乗ですので私と担当営業氏の二名乗車ですから動力関係に問題があるわけはないのですが(あったら大変です)。
サスペンションはついにというかホンダもリアにこのクラスでトーションビーム型の車軸式を採用し四輪独立懸架と決別しました。低床を実現するには車軸式の方が現実的でコストも抑えられる事もあり、現状を考えると仕方がない選択だったのかもしれません(こうなると新型ストもリアは車軸式となる可能性が高まったといえるでしょう(涙))。肝心の乗り味は全く何の問題なし。段差の突き上げに不快なモノは無く、80km/hでのレーンチェンジも不安はありません。基本的にフィットと同様のサスペンションではありますが乗り心地はフラットでエンブレ時の挙動も安定しヨーやピッチングも気になるところはありませんでした。Uターン時のロールも背の高いミニバンとしては良く押さえられ、サスも良い仕事をしているようでアスファルトを良く捉えます。
流石にブレーキは車体が重い事もありスピードを出し過ぎると信号で冷や汗をかくかもしれません。コントロール性は良いのですがストリームのブレーキの効きのつもりで踏むと試乗時にドキッとするでしょう(苦笑)。エンジンが気持ち良く回りサスも良い仕事をするだけに、気が付くとスピードが上がり過ぎるので私のようなドライバーには少々辛いところはありそうです。
意外にも取り回しが良くエクステリアも慣れれば味のある新型ステップワゴン。ハードとしての完成度は高い反面【面食い】のユーザーが多い日本市場で、どれだけの台数を売る事が出来るのか大変興味があります。現在の屋台骨であるステップワゴンの新型がコケたら、ホンダはF1から撤退するかもしれません・・・というか、もっとマシなエクステリアデザインが出来るデザイナーを雇った方が良いと思うのは、私だけでしょうか? いい加減デザイナーのマスターベーション的なモデルを商品として売り出すような体質を早期に改めないと、この会社の未来は大変暗いと感じさせる一台です。
Posted at 2005/05/28 14:26:50 | |
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自動車試乗・拝見記 | 日記