2005年12月03日
今年モデルチェンジしたシビックが売れていない。
今回の8代目は国内の場合セダンのみの設定で、販売目標はガソリン&ハイブリッドを含めて2,500台と低めに見積り『これくらいなら何とかいけるだろう』という目算で出発したが、案の定というべきか売れていないようだ。
ホンダには失礼だが、これは私のような素人でも充分予想出来た事だ。日本国内でいまだに売れに売れているフィットとのバッティングを恐れた8代目はハッチバックの設定を取り止めた。しかし、シビックといえばハッチバックであり初めにセダンありきのカローラとは違う車である。例えて言うなら『ゴルフがセダンのみになったら、それは果たしてゴルフといえるのか?』という事と同じだ(ゴルフオーナーの方、気を悪くされたらスミマセン)。
今回のセダンは上級へ移行する事によってフィットとの棲み分けを行う為に一皮剥きましたとホンダは説明しているが、お世辞にも今回のシビックセダンはアリオンやブルーバードシルフィーに対抗出来るレベルの車ではない。内装に個性はあっても上品とはいえず、乗り心地と運動性能は良くも悪くもシビックでしかなかった。かといってカローラやティーダラティオと価格で張り合えるかと聞かれれば、価格だけは一端のミドルセダン並である・・・正直いって売れないと思ったら案の定だった。
私が思うに、ハッキリ言ってホンダは今まで自分自身が開発し発売してきたシビックという車を全く理解していないとしか思えない。シビックとは乗って楽しく使って便利な車である。それがデブデブのセダンオンリーになって何処がシビックかっ!! ま、デブになるならデブになるでも良い。しかし、そうするからにはその理由をしっかりとメーカー自らがユーザーに提案しなければならない。私がシビックを開発するならフィットよりも速く、フィットよりも乗り心地が良く、フィットよりも広く、フィットよりも使い勝手が良いハッチバックを目指すだろう。つまり、フィットに満足出来ないユーザーの受け皿とすべきであるにも関わらず、且つ、それに相応しい車を国外では展開しながら、ホンダはそうする事を自ら否定した。
恐らく車種を減らして収益率を上げようと思ったのだろうが、ならば売れる可能性の低いセダンではなくハッチバックこそ国内で生産し販売すべきではなかったのではないだろうか? 販売数に限界が見えるセダンはアリアのように国外で生産しそれを輸入した方が効率としては効果的である筈なのに・・・と、ここまで書いてふと思ったのは、ホンダが国内で本当に売りたかったのはシビックハイブリッドではないかという事。トヨタのハイブリッド攻勢をホンダとして黙って見るわけにもゆかず、かといってバッテリーとインバータを後部座席後ろに配置するレイアウトを取るシビックハイブリッドは現在のところセダンでしか実現し得ない。ハッチバックでハイブリッドを実現するには大掛かりな設計変更を迫られる可能性もある事を考えれば、国内はセダンだけで良いか・・・的な考えがあった可能性も考えられなくはないだろうか?
何れにせよ、ホンダは売れないシビックセダンに業を煮やしているようだ。どうやら来夏にはヨーロッパで売られているハッチバックを国内に投入する計画が確実になったらしい。今更という気はしないでもないが、まあ、せいぜい来年FMC予定という噂のフィットの売れ行きを鈍くしないように細心の注意を払って国内投入して欲しいモノだ。が、ホンダの事であるから見事に共食いで両倒れになる可能性が強いだろう。きっと来年の今頃は『さっさとハッチバックを投入しておけば良かった・・・』と経営陣が頭を抱えている事だろう。
しかし、ハッチバックを国内に投入したら、名前はどうするのやら?
ホント、ホンダは今回の件で馬鹿な事をしたとしか思えない。
Posted at 2005/12/03 15:56:15 | |
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