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2007年12月14日 イイね!

M3 vs RS4はBMW vs Audiであり究極と至高の対決か(笑)

M3 vs RS4はBMW vs Audiであり究極と至高の対決か(笑)雑誌などでもだいぶ賑わってきてるし、みんカラでも色んな方々がこの2車の比較記事についてのエントリーがある。まあ、両メーカーにとってもガチンコのコンペティタだし、これでC63AMGが出たら3つ巴ってことになるのだろう。

で、やっぱりこれはDセグメントを借りたメーカーのブランディングバトルに他ならない。

Audiオーナーになって6年目の去年の今頃からBMWとお付き合いを始めて両者を日常的に乗り比べて感じるのは、同じドイツ車でありながらフィロソフィーが対極にあるということ。ちなみに中道(中心)は、まごうことなきメルセデス(笑)。

BMWとAudiのフィロソフィー違いは、トップモデルの駆動方式がすべて。BMWは確固たる信念のもとのFR(フロントミッドシップ気味)であり、Audiは歴史のあるFFベース(重量・駆動配分ではなくベースモデルがFF)のAWD(エンジンの位置はフロントアスクルの上にのる)だ。

自分は愛車紹介でも書いているとおりFF車が圧倒的に多く、FR車は数えるほどだしRR車もごく僅か。だから自分的にはFFエンスージアスト(笑)だと思ってる。そんな私がAudiのクワトロに初めて乗ったときに感じたのはFFの弱点が完璧にフォローされた乗り物ということ。FFが生来持つパワーアンダーやタックインによる下り坂のテールハッピーな欠点が打ち消されていたからだ。

これはA3やTTのハルデックス系だけでなく、A4やARQなどといったトルセン系でも印象は同じ。トルセンとハルデックスで動きが違うと気にする方がいるみたいだけれど、むしろホイールベースやアライメントの違いのほうが大きい。もちろんハルデックスはブレーキング時にデフリリースがあるので、この動きは明らかにトルセンな車種とは違うけれど、これはESPの制御に負う所であってハルデックスだからということではない。トルセンは機構上リアの駆動力を切れないからされてないないだけだ。だから、ハルデックスをデフリリースされないオレンジボディに変えればトルセン的な動きに変わる。

先般、RS4に乗ってみて感じたのは、たとえ駆動配分が40:60になっていってもフィロソフィーはFFのままだということ。でも、私はこれが悪いとは思わない。ポルシェのC4Sが4駆でありながら、しっかりRRベースのキャラクタを残しているのと同じであり、彼らがFFからスタートして最善のクルマをつくりあげた誇りの現われだと思うからだ。

だから、そんなRS4をしてFR的テイストなんてほざく評論家は??だろう。むしろビッククワトロなどのコンペティティブな4駆のエキセントリックな部分をとりさり、ESPの制御とあわせてできた完璧な4WDマシンというべきだろう。

対するBMWはSUVや一部車種でAWDを造ってはいるものの、FRとして最高のクルマを造ろうというフィロソフィーが根底にある。自分の少ないFR経験ですらBMWが世界最高のFR車だってことは激しく同意したい。

それは自分が乗ってきたFR車は所詮はBMWのイミテーションであって、本質はここにあったとつくづく感じさせるほどに挙動が完成されているからだ。Z8を購入当初、高速直進性がクワトロに劣ると思ったけれど、これは大きな間違いだった。アライメントさえきっちり調整されていればC4Sにすら劣らないほどの直進安定性を見せてくれる。さらにBMWの素晴らしいところは、旋回が破綻を来したときのリカバリーにある。ESP(DSC)に頼らずリカバリーできる味付けは本当に素晴らしい。

4輪車はコーナリング中、前輪も後輪も適度なスリップアングルを持ってスリップしながら動的な摩擦力を維持して回っている。これはFFもFRも4WDも一緒。違いはグリップを失う局面での挙動。BMWは、この状態での動きが本当にすばらしい。動的摩擦力のコントロールをユーザーがしやすいように、足回りもエンジンのレスポンスもブレーキバランスも作られているといって過言じゃない。

このあたりは、さしづめ昔かたぎの棟梁が在来&伝統工法でたてた木造建築で、最新技術にたよらず素材の性質やセッティングをうまく組み合わせて、自然換気、自然保温による快適空間をつくった家。

いっぽうAudiの4駆としての完成度は、鉄筋&鉄骨コンクリート工法などの先進技術を駆使した高気密高断熱の建物で、通気や換気は電子制御によって完璧に管理。いつも室温と湿度が一定にたもたれている家という感じだろう。

どちらを選ぶかは使い手次第。

そして最後に両社の決定的なフィロソフィーの違いとして、BMWはエンジンメーカーで、Audiはシャシーメーカーだということ。他社でいうならば、フェラーリは前者でポルシェは後者。日産は前者でトヨタは後者。エンジンを楽しむための最適のシャシーを作るというスタンスと最高のシャシーデザインを活かすために必要なエンジンを用意するスタンスの違い。

この両者のいいとこ取りがメルセデスなんだろうけれど、自分にとってはは間違いなく中途半端なものにおもえる。まあ、シャシのもっとも大事な要素であるデザインが肌にあわないからだけれど。

なので実用性重視ならば後者が最善であり、処々不安定な部分を人生の機微として楽しむならば、前者だと私は思う。

そう考えてこの記事を読むと、ライターの日下部氏も同じ結論にたどりついていることに気づくし、また、この記事の笹目氏の論評において、不要な機能の根拠もおそらく同じで、このクルマは電子制御なんてないほうが楽しいよ、って(笑)。

ただ笹目氏の文中にある

「FRの特性を好むユーザーには、目下コレしか選択肢はない。」

とは私は思わない。

ほんの少しだけ金額を上乗せするか、走行距離の少ないアプルーブドを視野にいれれば、もっと上質なFan toを味わえるヴァンテージが視野にはいるわけで、自分なら迷わずそちらを選択する。これだけの金額を払うこととあわせて、自分の残りの人生と化石燃料の未来を考えたら些細な妥協なんてしたくないからだ。

でも、ヴァンテージは4人乗れるクルマじゃないだろ?って声が聞こえそうだけれど、4人乗れるクルマがスポーツ性能で2人乗りに勝る部分は無い。4人乗りの大事なことは4人が気持ちよく乗れることだから、もしそちらに重きを置き4WDにこだわるならばA8かARQ(3.6FSI)あたりだろうか。FFでよければシトロエンのC6とかもCPが高くて魅力的だと思う。

この記事は、kappeさんのM3vsRS4国内戦 について書いています。
Posted at 2007/12/14 12:03:50 | コメント(2) | トラックバック(0) | たわごと | 日記

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