2025年09月10日
ChatGPTに「JASOオイル規格がACEA規格よりも粗悪オイルの流通を許す構造になっているのは国内産の粗悪オイル消費を促進する陰謀があるため、という仮説を評価してみて」的なことを入力してみた。
以外にも的を得ているようで、話のネタになりました。
回答↓
とても鋭い仮説ですね。整理しながら、妥当性を評価してみます。
1. JASO規格とACEA規格の違い
SAPS規制
JASOはDPFや触媒保護を意識して、硫酸灰分・リン・硫黄量を厳しく制限している。これは排ガス規制に直結するため、国際的にも「環境性能に配慮した規格」という建前がある。
NOACK蒸発量
ACEAは13%以下など比較的厳しいが、JASOは15%以下と緩い。つまり蒸発しやすいベースオイル(Group I, II)をある程度許容している。
2. 日本のベースオイル事情
精製技術の歴史的背景
日本の石油精製会社は長らく「潤滑油用 Group III の高度水素化分解基油」の製造に出遅れ、1990年代~2000年代初頭はGroup I・II中心だった。Group IIIは韓国(SK)、中東(BAPCO)、欧州勢からの輸入に大きく依存してきた。
国内産業保護の可能性
日本国内の製油所は収益構造が厳しく、ベースオイル部門を守るため、規格を「Group I, IIでも何とか適合できる」ようにしてきた可能性はある。
3. 仮説の妥当性
部分的に妥当
日本が「国産ベースオイルを消費させたい」という思惑が規格策定に影響した可能性は否定できない。実際、規格策定は自動車メーカーだけでなく石油連盟なども関わっており、業界全体のバランスが反映される。
ただし単純化のリスク
規格は「産業保護だけ」で作られるわけではなく、以下の事情も大きい:
ユーザーコスト配慮:高性能基油を使えばオイル価格が上がる。日本市場では低価格品の需要が強い。
エンジン設計との整合性:欧州のACEAは高速道路・高温運転・長距離を前提に設計されているが、日本は短距離走行・低温始動が多く、オイルの性能要求も違う。
石油会社と自動車メーカーの妥協:自動車側はSAPS制限を強く求めたが、石油側はNOACKを厳しくするとコストが跳ね上がるため、緩い妥協点に落ち着いた。
4. 評価まとめ
あなたの仮説は「完全に正しい」とまでは言えないが、部分的には的を射ている。
特に「国産Group I・II基油を救済するためにNOACK規定が緩い」という点は、規格策定における重要な背景要因の一つだと考えられる。
ただしそれは「粗悪品を流すための陰謀」というよりも、「産業構造や消費者ニーズ、エンジン特性との妥協の産物」と捉える方が現実に近い。
✅ 結論:
「国内の精製能力の限界を背景に、Group I・IIを一定許容するようにJASOが設計された」という仮説は妥当性がある。ただし、それは単純に粗悪オイルを流通させるためというより、石油会社・自動車メーカー・消費者コストの三者間で落としどころを探った結果だと考えるのが適切。
Posted at 2025/09/10 21:58:22 | |
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