
NHK BS2の衛星映画劇場で,
ディズニーのダイナソー(2000年)を見る。
実は,結構好きな映画だけど,子供には見せたくない。
それは,公開時にも感じていた違和感からだ。
7年ぶりに見た今度も,やはり違和感を拭えなかった。
白亜紀にサル型のイキモノが,恐竜と併存していたのとか,
些末な疑問も抱くけれど,それは物語の設定上目をつぶるとしても。
その違和感は,生態系を描いていないことだ。
隕石の衝突によって,
突然住みかを奪われた彼ら草食恐竜たちは,仲良く一致団結して,
肉食恐竜を排除し,「非情な」ボスを排除し,
ストーリーの最後に,緑の楽園に到着する。
緑の楽園には,水がある。植物がある。
そこは,まさしく草食恐竜の楽園だ。
文句の付け所のない,大円団だ。
いや,本当に大円団なのか?
ハッピーエンドなのか?
自然とはこんなに生ぬるいものなのか?
天敵のいない彼らは,楽園で永遠に繁栄し続けられるのか。
わが国で,明治時代の初め,ニホンオオカミという大型の肉食獣が絶滅した。
天敵のいなくなったニホンジカ(草食動物)は,爆発的に増加し,
最近,森林の植物を食い尽くしてしまうことが問題となっている。
草食恐竜らの楽園に,やがて同じ破滅が訪れることは自明の理である。
肉食動物は,悪者ではない。
存在理由があって,地球上に存在しているのだ。
食物連鎖や弱肉競争の現実は,アニメの中では描きにくい現実だろう。
でも,それらに目をつぶって,意図的に描かないのは,偽善ではないか。
できもしない理想社会を,声高らかに謳いあげることが,
果たして子供アニメとして正しいだろうか。
Posted at 2007/08/25 23:31:50 | |
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心にうつりゆくよしなしごと。 | 音楽/映画/テレビ