リア掻きで氷上に通い続けて15年。ある程度やり尽くした感があって、ここ数年はほぼ技量維持の確認だけになり、楽しいは楽しいものの、新たな発見も無くマンネリ化していました。
FFは散々乗ったので、やはり4駆か…ということで購入したU14ブル君。業務上日産車である必要があり、かつMTのセンターデフ式フルタイム4駆となると、‘90年代後半のこの世代しかなく、探すのに苦労しました。他社車でよければBL/BPレガシィとか安くて速い車がいっぱいあるのですが… ともかく、20年ぶりの4駆にワクワクしながらの八千穂。
20年以上前には当時乗っていたギャランやランサーのラリー車で雪やダートの経験はあるので、その記憶を紐解きながら…と思ったら、競技用に作ってあるクルマとはぜんぜん違う。
ブル君は標準でセンターとリアにビスカスLSDが入っているものの、フロントはオープンデフ。センタービスカスは緩くサイドブレーキも使えるし、左足ブレーキでインに向けることもできるのですが、問題はアングルを付けたあと。フロントの動きが予測できない。アクセルを開けても駆動でフロントが逃げてくれずに残ってしまい、アングルがどんどん深くなってスピン。カウンター当ててアクセルをうまく合わせてフロントタイヤをカウンター方向に転がしてあげればドリフトの維持はできるものの、これって4駆のドリフト=ゼロカウンターか切り込んだ状態でアクセル開けて、とは違うよなあ。まるで出来の悪いFRみたいだし、アクセルワークの難しさはFFのようでもある。しかも、それでも路面の状況か何かの拍子でいきなりフロントタイヤが引っかかってスピン、またはいきなりドリフトが戻ってドアンダー… その何かの拍子がいつ来るかどういうときに来るか全く予測できない。うまくいっても成り行きでしかなく、何でうまくいったのかサッパリわからない。
アタマから湯気立てながら試行錯誤するうちに遅いクルマに引っ掛かり、それが退いて思わず進入スピード上がったギャラリーコーナーでコースが足りずリアからヒットして反動で雪壁にぶっ刺さり、亀の子になってレスキューのお世話に。15年通ってもシルビアでは1回もレスキュー経験ないのに… で、汗と冷や汗かきながらドリフトで走るよりも、刺さった後パドックに戻るべく大人しくグリップで走った方が結果走りやすく速かったというオマケ付き。
一般人向けにセッティングされたクルマだから、挙動を破綻させない範囲で走る時に走りやすいようにできてるんでしょう。そう考えれば、そのレベルはなかなか高いものがあります。日産アテーサの完成形はU13ブル、リミテッドアテーサのフロントにもビスカスLSDが入った仕様らしく、それがどういう走りをするのか気になりますが、U14ですらほぼ絶滅状態なので、もはやそれを味わう機会はないでしょう。
動きの予測のしづらさは、緩めのセンタービスカスで前後の駆動力を常にやりとりしていることと、フロントのオープンデフがトラクションを発揮するのが路面次第だから、ということなんでしょう。これを路面状況が変化する中で掌握するのは相当に難しい。これまでのリア掻きでは経験から予測できない挙動はほとんどなく、先回りの操作、あるいはその準備ができますが、今回のブル君では予想できず発生した挙動に後追いで操作をするので、とっても忙しく結果も不本意。
というわけで、ブル君での初氷上、課題山積みでこれからが楽しみになる結果となりました。やはり女神湖で定常円など、一定の条件下で走り込みたくなりますな。追加開催ないかな~。
Posted at 2024/11/19 21:47:37 | |
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