
最近どうも「壁」に当たっている気がするので、スクールに参加することにしました。
お馴染みの某スクールではなく、今回はARDのドラスクを受けてみました。
ホームコース開催ということと、たまには他のスクールで違う視点でやってみるのもよいかと思ったからです。 ちなみに、今回は袖ヶ浦を走りこんでいるアクセラで走ります。
当日…雨。それも、半端じゃない量で、コース上には水溜りと川がウヨウヨという状態でした。嵐の袖ヶ浦も走ったこともあるんですが、ここまであちこちコースに水が浮いている状況は初めてみました。こりゃ一筋縄ではいかんと気を引き締めてかかります。
ドラスクは、午前中は簡単な座学と、定常円旋回、旋回ブレーキの練習です。
今回、壁を破るため、とにかく講師の運転を体感したかったので、なるべく講師に運転してもらって横で体感することにしていました。
定常円は、パドックを使います。講師に運転してもらって定常円を走ってもらいました。定常円なので、DSCはオフですが、私が思っているより2割り増しのスピードで回ります。それでも、唐突なテールスライドやアンダーなどは一切無い。
講師「この車…ものすごい良くできてますね。この車でケツを出すのは、逆に難しいかも…。」
走り終わった後の、車の安定した挙動と、講師のこの一言が、まずはものすごく印象的に残りました。
次は旋回ブレーキ。コース上の便所コーナーを使って、限界速度でブレーキを引きずりながらコーナリングして、最後はなるべくハーフスピンさせるという課題が与えられます。
常連組と初参加組みに分かれて、常連さんやっているのを初参加組みはまずは「お手本」として見ていたのですが…。
誰か「あっ、危ない!」
私「!?」(←ブレーキ区間を見ていたので、加速してくる車は見ていなかった)
振り返った次の瞬間、
「バンッ!」という音とともに、Zがガードレールに激突!(>_<)
一瞬何が起こったのかわからず、私自身「ほえ?」という状態になりました。
複合コーナーから加速してブレーキ区間に入るのですが、全開加速中に、水溜まりにのってハイドロを起こし、コントロールを失ったのが原因のようでした。
全開とはいえ、複合の出口からの加速なので、通常の走行よりはスピードがのっていないはず。それでもこんなことになってしまうということは…今日は相当ヤバい。
見ていた一同、完全に青くなって「ビビリミッター」が作動しだしました。
入れ替わりで初心者組みがスタート。ここは講師の同乗がないので、一人で頑張ります。この旋回ブレーキも、同乗があると良いなぁと思ったんですが、位置関係上同乗した人をスタート地点に戻せないので、難しいんでしょうね。
さて、実際に3回ほどやってみたのですが…私もビビリミッターが作動していたこともあり、速度が足らず、全く「普通のブレーキ」になってしまいました。いずれにせよ、雨でも意外とスピードレンジは高いなぁ、というのが印象。
昼食後、いよいよコース走行に入ります。
雨は止む気配無く降り続き、路面状況は相変わらず最悪です。
さすがに今回は、コース上ではDSCオンで走ります。
1本目…様子を見ながら走ります。
徐々にスピードを上げていくんですが…。
1コーナー後の加速でホイールスピン!
2コーナーでハイドロでカッ飛び!
3コーナーの進入のブレーキでハイドロで止まらず!
4コーナーのイン側半分は深い水溜り!
複合は山の上なので状態はまだマシ…。
複合後の加速区間は、あちこち水溜りが…(のるとカッ飛びます。こりゃZがいってしまったのも無理はありません。)
便所コーナーはレコードラインは滑るので、外して進入!
ヘアピン前にドでかい水溜り!
最終コーナー前も、ブレーキ直前の区間で川&水溜り!
え~、怖くて冷や汗物です。
特に、最終コーナー前の区間では、生まれて初めて「完全なハイドロ」を経験しました。
本当に、車が宙に浮いたような、直線区間なのにハンドルが「ふっ」と軽くなって、おそらくアクセルもブレーキも効かない状況。滑っているというよりは、「直線にカッ飛んでる」という印象でした。コーナーまでには少し余裕があって、何があっても大丈夫なようにはしていたので、回復後にフルブレーキ&旋回で問題なくクリアできましたが、この天候の最終コーナー手前なので、スピードは出ていても100Kmそこら。つまり、このスピードでも簡単にハイドロになるってことは、ハイペースで流れている高速道路でも簡単になり得るってことです。豪雨の時に、空いている追い越し車線をカッ飛ばす高級外車のオッサンとかを見かけますが、本気で言いたい。
「オッサン、いつか死にますよ!」
さて、1本目です。
走行途中で、私にピットインサインが出ました。
講師に運転してもらい、同乗走行をしてもらうためです。
講師が運転してスタート。
講師「今日はこんな状況なんで、無理しないで行きますんで…。」
1~2周回って、ペースを上げていきます。
講師「この車...曲がりますね。すっごい曲がります。FF車だと、必ずアンダーで苦しむんですけど、それが全くなくて、グイグイ曲がりますね。」
確かに、かなり速度を上げてきても、DSCが働いていることもなく、複合なんかはグイグイ曲がっています。ってか、「雨でこんなにグリップするの??」と、私としてはかなり驚きです。
講師「いやぁ~、この車、何気にすごいパワーありますね!こんだけパワーがあって安定してよく曲がるとなると...
これは楽しいですよ!」
この路面状況の中、まさか「楽しい」という言葉が出てくるとは思いませんでしたので、ちょっと驚きました。さらにペースを上げて、個人的には身構えるような速度でコーナーに飛び込んでいきますが、流れるスピードは穏やかで、余裕を持ってキッチリとコントロールしています。
講師「うわぁ~、こりゃ楽しいっすね!
楽しいです!(ニコニコ)」
この状況下で、満面の笑みで運転する姿が、強烈に印象に残りました。
講師「んじゃ、もう一周したら戻りますんで!(ニコニコ)」
一周終わってピットに戻ったら、走行終了~(笑)
5週くらい走ってもらったでしょうか。
かなりいい速度で走ってもらって、ちょっと壁を越えられそうな気がしました。
それにも増して、講師が降りた後に、他のスタッフの方と「この車、すっごい良く出来てる。超楽しいです!」と話しているのがまた印象的でした。つまり、この状況下でも楽しんで走ることができる十分なスタビリティを、この車は持っているということになります。
ここでふと思いました。
今までスクールにしても通常走行にしても、「車のスタビリティ」に関して深く考えることは有りませんでした。特に今回はドライビングスクールですから、運転技術側を注視するのは当然なのですが、その中で「車側のスタビリティ」を考えることがありませんでした。
ある意味、「フロントヘビーで、リアが唐突に出る車」という固定概念があって、それに運転をどう合わせるか、という考えになっていたのですが、「それがそもそもおかしい」ということに気づきました。何しろ、こんな最悪なコンディションの中で、きちんとした腕があれば、満面の笑みで運転できる車です。一言で言えば、
「もっと車を信用しろ」ということなのでしょう。
昼食の時間の時に、事前に頂いたQ&Aのコーナーがあったのですが、その中で「壁を破るには、発想の転換が必要」と言う話がありました。「たとえば、雨だからこう、晴れだからこうではなくて、限界に達する地点が違うだけで、やることは全く同じ。」という例があったのですが、私が感じた「車のスタビリティと信頼感」の再構築は、まさにこの発想の転換ではないかと思いました。
これが、今回のスクールおける、最も大きな成果でした。
さて、2本目。先ほど体に叩き込んだ走りとGをトレースします。
様子を見ながらスタート。とにかく最初の1~2周で、ハイドロが起こったりグリップが無い区間を覚えこみます。「怖いと思うのは、何が起きるのかわからないから。逆に、きちんと路面状況を叩き込んで、その区間は滑る前提で組み立てればよい。」昼食時に講師の方がおっしゃった一言が、まさに今体感的にわかりました。これも発想の転換でした。
ヤバそうなところを叩き込んで、ペースを上げます。ストレートも、水の無いところを選んで、とにかく全開で行きます。いざとなったらDSCが助けてくれます。攻めれる所まで攻めてみます。
S2000、34GT-R...いつもはあっという間に置いていかれる車ですが、ついていけます。というか、皆さんおっかなびっくりの3コーナーで、イン側で直線的にブレーキを踏むことで難なく抜かせて頂きました。DSCは、直線部分でしか働きません。それもほとんどが加速中。雨でこのスタビリティは何?と自分の中でビックリしながら、複合も便所コーナーもガンガン行きます。最初はおっかなびっくりで1分40秒くらいで回っていましたが、1分34秒までタイムを上げられました。
こうなると、俄然やる気満々。
3本目は逆同乗で、講師の方が助手席に乗ってもらい、私の運転を診断してもらいます。
客観的に見て、私の運転はどうなんでしょう??非常に気になりますが、とりあえず普段どおりでドライブします。
講師「うわー、いまのブレーキング、すごいいいですね。直線的で、雨のラインを使っていますね!」
い、いや、いつもこのラインなんですけど...(^^;)
講師「ハンドル操作も穏やかで、アクセルもブレーキも丁寧だし、旋回中も車がとても安定している。全然良いと思います。特に問題はありませんから、あとはちょっとずつブレーキを詰めたりしていけば良いです。
このまま練習を続ければ大丈夫です!」
やった!お墨付きをもらえました!
4周くらいで講師の方は次の車へ移り、残りの時間は一人で走ります。
とにかく、守るべきところは守って、攻めるべきところは攻める!
結果として、1分31秒2くらいまでタイムアップ。
あの状況下なら、そんなに恥ずかしくないタイムかなぁと思いますが、タイムよりむしろ、私自身も「楽しい」と感じながらドライブすることができたことは、大変大きな成果でした。ロドスタに浮気してごめんなさい。反省します。(というより、ミニサーキットだとロドスタが、2Kmクラス以上のサーキットだとアクセラのほうが楽しい気がします。)
慣れからくる固定概念はつきものですが、壁を打ち破るためには、今までの固定概念を捨てて、発想を変えてみる。ただ、自分から発想を変えるのは至難のワザなので、他の人からそのキッカケを作ってもらう。遊びでも仕事でも、そんなことは必要だなぁと感じながら、スクールを後にしました。
このスクールで学んだことが、ドライで生かせるか。何も考えずに同じことが出来れば、完全に1つの壁を越えたと思いますが、さて、どうでしょうか。
次回、ドライで袖ヶ浦を走る時を、楽しみにしたいと思います。