エバポレータ周りの整備
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
息子が生まれたのを機に,一念発起してエアコン修理に出したサニカリさんは,現行サンデンのロゴが付いたリビルドコンプレッサと,夢のワンオフエバポレータに交換されて,それなりに冷えるようになりました…がレトロフィットの辛い所,やはり冷えが最初から134a用に作られたエアコンに比べると弱い…昨年ラシーンのコンプレッサ交換を自分でやって,快調に冷える素晴らしさを知ってしまうと,サニカリさんの生ぬるさが我慢ならんくなって来ました.
で,ちゃんとコンプレッサが圧縮していて,ガスが入っていて,それでも冷えが弱い原因となれば,エキスパンションバルブの開度が開き過ぎか閉じ過ぎか…どっちかわかりませんが,キャピラリーチューブ(感熱管とか感熱筒とか?)をエバポの適正な温度で反応させてやれていない証拠なわけです.あと,エバポからの排水もなんか上手くいっていない感じなので,エバポをできるだけ手前に引き出して,調整してみることにしました.
まずはグローブボックスを外してみますと,向こう側のインパネが盛大にカットされて,継目板で保持されています.ディーラーオプションのエアコン装着時代のクルマですから,作業しやすいように準備はされているようですが,実際はインパネ切ったりする作業があったんでしょうね.
2
エンジンルーム側のエアコン配管を固定しているボルトをゆるめ,エバポのガワを車体に止めているボルト3本を緩めると,配管の動く範囲内でエバポが手前に動かせます.なので,この状態でエバポのガワを留めているバネを外しガワを外そうとしましたが,裏側にあるバネがどうしても外せず,仕方なくエバポが動く範囲で調整してみることにしました.
エバポの裏側は見えないので,カメラをツッコんでパシャしてみると…エキスパンションバルブが見えました.デンソー製の047500-0030がついています.右上にニョロンと見えるのがキャピラリーチューブ.こいつがエバポレータの温度を感知して,エキスパンションバルブの開度を調整してくれますが,現状では感熱させている位置が悪いんでしょうね,エバポからシューシューいう冷媒が流れる音が聞こえるので,エキスパンションバルブが開きすぎで十分な減圧が行われず,冷え不足となっていると推測.あと,エバポとガワの間にすきまが多く,ここから冷えてない空気を随分吸っていそうですので,このすきまも埋めます.
3
現状では,キャピラリーチューブはエバポのリターンパイプの裏側で感熱しているようですが,そこまでのチューブが宙を浮いている状態で,この部分で吸熱してしまい,実質的に温度が高すぎるとエキパンは思い込んで開度を広げてしまう⇒冷媒流れすぎて肝心なエバポ内部では冷却不足になってしまっていると推測しました.なので,このキャピラリーチューブをもっとエバポの出口付近の美味しい箇所に移動させます.何とか手探りで黒いテープみたいなの?(多分自己融着テープ)をちょっとずつ剥がし,金具で固定されたキャピラリーチューブをパイプから外しました.そして,外れたキャピラリーチューブをエバポ出口のある手前側まで優しく曲げてきます.途中の銅管部は,なるべくエバポ本体に接触させて,周囲から吸熱しないようにさせます.
4
キャピラリーチューブは,エバポ出口直後である,このへんに固定します.金具で固定した後,キャピラリーチューブの周囲は隙間テープを貼って,外気からの熱影響を少なくしておきます.これで,エバポ出口の温度が凍る手前になるように,エキパンがガス量を制御してくれる…はずです.
5
あとは,すきまテープをエバポとガワの間に貼って,できるだけ多くの空気がエバポを通過するようにしておきます.あと,エバポの上下には,ご丁寧にクッション材テープで断熱養生がされていましたが,これが強固すぎて,下側のテープには水がたまり,上側はエバポの有効面積を下げているというよろしくない状態でしたので,不要部分を切除したり,水がたまる部分には切れ込みを入れたりして,できるだけ冷却の阻害を防止しつつ,排水もスムーズに行われるようにします…と,言っていることは大層ですが,写真がないのは,仕上げがやたら汚いから.
とはいえ,このエバポを作ったのは一応カネとってるプロなのに,キレイに見せるのはいいとして,そのテープの中にドレン水が溜まったり,エバポとガワの間がスキマだらけだったりと,ちゃんとした仕事をしているとは思えません…まぁ,素人ではできないエバポワンオフ製作とか,思ったより安かったコンプレッサリビルト品とか使ってくれているので,値段なりの仕事なのかもしれませんが…
6
最後にエバポの吸気側に換気扇用のフィルタをかぶせて貼り付けておきます.コレをしておくと,エバポの汚れは防止できます.クリーンフィルタみたいな空気の清浄効果はありませんが,通気抵抗もかなり小さくて,かつホコリやゴミは吸い込ませないので,ドレンが詰まる心配もなくなります.
7
試走に出て見ましたが,おお!なんか今までよりも強く冷えている気がします.でも,まだ外気温が20℃程度なので冷えまくって当たり前なんですよね…この気温なら窓開けて走りますって.本格的にクーラーが必要な真夏日にテストしたいところですが,まだそれが試せるのは先の事になりそうです.
そのうち,コンデンサもサブクールタイプのやつを流用したいなぁ〜
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