2013年06月17日
ここはC県のとある街で営業している自動車屋さん。
その名を「カフェ959」という。
お店の周りでは3匹の招き猫が、「カモ」・・・ではなく「お客様」を手招きして歓待してくれるそうだ。
そんなカフェ959のとある一日を例によって紹介しよう。
カランコロン♪
「電話で相談した者ですが、マスターいらっしゃいますか?」
「お待ちしておりました。 こちらへどうぞ。」
さわやかな笑顔で応対するマスター。
ここに訪れる客は、皆この笑顔に・・・。
さて、その日訪れた客は紺色のトラヴィックに乗っていた。
相談に至った経緯を、かいつまんで書くとこうなる。
・3ヶ月前に地元の中古車屋で購入。
・紺色のトラを探していたところ、運良く、走行距離の少ない個体を発見した。
・相場より高めの価格だったが、お店の説明では「こんな上物はなかなか無いよ!」とのこと。
・納車前の整備も必要があれば部品交換するから・・・と伝えられ、整備費用を本体価格とは別に支払った。
・ところが、保証期間の1ヶ月を過ぎたあたりから愛車の調子がおかしい。
・ネットで探していたら、カフェ959に辿り着いた・・・とのこと。
オーナーが一目惚れで購入したトラらしいが、マスターの目に写るそのトラは精彩を欠いたように見えた。
「じゃあ、さっそくお客さんの車を見てみましょうか?」
「ここまで動かしてもらえませんか。」
トラを整備場へと誘導する間、マスターはトラのエンジン音などを聞き漏らさないように神経を研ぎ澄ます。
ボンネットを開けて、お客さんと一緒にそのトラを見るマスター。
油脂類やスロットルバルブ周辺などをチェック。
「うん、うん・・・」
お客さんは心配そうにマスターの顔色を伺う。
「気になるところがあるので、ちょっと預からせてもらえませんか?」
お客さんの了承を得て、そのトラを預かることにしたマスター。
お客さんは、代車に乗って家路についた。
「さてと、とりあえず埃を水で落とすか・・・。」
洗車スペースへトラを移動させて、"バッシャー"とホースの水で埃を落としていくマスター。
埃が取れてキレイなボディが見える瞬間が好きなマスター。
ところが・・・楽しみな瞬間のはずがみるみる顔が曇り出した。
例えるなら、後ろ姿は若くて美人なのに正面にまわって見ると・・・というやつか?!
話が脱線してしまった・・・。
そう! 紺色の様子がおかしいのだ。
埃でボディに光沢が無いのかな? と思っていたが、どうやら始めから光沢が失われつつあるボディのようだ。
光の当たるところへ移動して、ボディをチェックするマスター。
「あいや~」
ところどころ輝きが違うボディは明らかに板金している様子。Dピラーの辺りに不自然な継ぎ目がうっすらと・・・。
水滴を拭き上げようと思ったら、いくら拭いても水滴が消えない。
「疲れ目かな・・・」と一瞬思ったが、水滴のようなものが塗料のタレによるものだと分かるまで、5秒・・・いや3秒もかからなかった。
工場へ移動して、整備状況を確認していく。
「3ヶ月前に整備してもらった・・・」と聞いたその内容はお粗末だった。
スロットルボディは真っ黒。 エアーフィルターの縁は割れたままでエアクリのBOX内には謎のワッシャー(汗)
ブレーキパッドも残り僅かでディスクのローターもカレ-皿のよう。
プラグも真っ黒で出るのは溜め息ばかり。
"何を整備していたのか、さっぱり分からん!" と言っても過言ではない状態だったのだ。
「お客さん、整備費用を別で支払ったんだよね(怒)」
反面教師として自分だけはオーナーの側に立って頑張る! と心に誓うマスターであった。 (でも、少しは利益を載せるそうだ。そりゃそうだ、商売だもの・・・。)
マスターは、これから長い付き合いになるであろうトラを労りながら整備を行った。
費用の掛かるポイントをメモに書き残していきながら、後日オーナーさんと相談して対応していくことに。
紺色のトラは気のせいだと思うが、なんだかホッとしたような表情に見えた。
トラはクルマだから、当然言葉は喋れない。
でも、マスターは、なんとなく明るい表情に変わっていたように感じたのだ。
手を掛ければ手を掛けただけ応えてくれるのがクルマである。
整備後のトラは、きっと、生まれ変わったような走りで「どう? ボクはまだまだ走れるよ!」とオーナーにアピールするに違いない。
そして、オーナーと一緒に笑顔で帰宅の途につくのだろう。
その後の紺色トラだが、ブレーキなど大事なポイントはリフレッシュするなど、それなりの費用は掛かったが見違えるような走りをして、オーナーがいたく感動したとのこと。
とは言え、まだまだこまめにオイル交換を行ったり、eクリーンの投薬等は続けていかなくてはならない。ゆっくりと回復に向けてオーナーと二人三脚で頑張っていくらしい。
オーナーとクルマが笑顔になる素敵なお店、「カフェ959」。
一人で切り盛りしているので時間は掛かるけど、きっと満足してもらえる仕事をすることは整備してもらったクルマ達が保証するだろう。
まずは、相談だけでもいいので、思い立ったら出掛けてみてはどうだろうか。
冒頭の猫達が「お客様」を手招きして歓待してくれるはずだ。
そうそう、こんな話もある。
マスターが先日入籍を発表した女優の"かんちゃん"ファンだと聞いた498(シクヤ)教祖。
さっそく、"カンちゃん"の載っている雑誌を贈ったそうな。
教祖から届いた宅配便をワクワクしながら開封したマスターは開いた口が塞がらなかったそうだ。
何故かって?
届いた雑誌は、懐かしの「ゴング」誌。(既に廃刊)
表紙には流血しながらフォーク片手に暴れるA・ブッチャー。
肝心の"カンちゃん"は、アルバトロス殺法の"キラー・カン"だったそうな・・・(汗)
これが、本当の"カン"違いかもね。。。
おい! 498の座布団全部没収だ!!
Posted at 2013/06/17 19:12:22 | |
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