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2か月近くにわたり、世間を騒がせてきたSTAP事件ですが、どうやら
何が問題なのか、わからない方が多いようなので、私なりに書いてみました。


【STAP細胞ってなに？】
動物の細胞は、いったん何かの基幹の細胞になってしまうと、他の細胞に
することができません。たとえば手の皮膚細胞は、心臓の細胞になることはできない
わけです。

再生医療、つまり人体の組織が欠損した時に、その組織を新しく作る医療を
研究する分野では、上記の問題を克服し、欠損、または機能が衰えた人体
組織を作って置き換える医療をするために、現在以下の２つの方法が有力に
研究されています。

・ES細胞
受精卵をある一定のタイミングで取りだしたもの。
人のES細胞については、受精卵を材料として用いることで、生命の萌芽を滅失
してしまうために倫理的な論議を呼んでいる。

・IPS細胞
体細胞に数種類の遺伝子を注入し、分化万能性を持たせた細胞
京都大学の山中教授が当研究でノーベル賞を受賞した。
上記、倫理的な問題がないことが利点である。

ちなみにIPSについては、
・肝臓(http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/snapshots/special_issue/misueru/201212_special_issue1)
および
・腎臓(http://www.jst.go.jp/pr/announce/20131213/)
について、生体組織の作製の研究が進みつつあるようですね。
近い将来、実用化が為されるかもしれません。


では、STAP細胞とは何なのでしょうか？
STAP細胞とは、皮膚細胞など、分化した細胞に対し、特定の刺激を与えると、
IPS細胞のような万能細胞になる　という学説です。
IPS細胞に比べ、より簡単に細胞を作製できることがメリットである　と言われています。



【STAP細胞があると何が嬉しいの？】
STAP細胞に限った話ではありませんが、万能細胞は、人間の臓器などを作製する
可能性を秘めています。
たとえば、肝炎などで機能を欠損した肝臓を、新しく万能細胞で作製した肝臓に
置き換える　ようなことができるようになる　可能性があります。

STAP細胞がもし本当にできれば、IPS細胞に比べてより簡単に万能細胞を
作製できるため、人体組織の作製もより効率的にできる　ことが考えられます。



【STAP事件の何が問題なの？】
STAP細胞があるかないかは、問題ではありません。

STAP細胞の研究をするプロセスに問題があります。

・小保方氏が研究の過程で作製した実験ノートには、日付がほとんど入っていません。
　また、8カ月で4ページしか進んでいませんでした。

　実験ノートは、一般企業の方の、会計帳簿とその証憑だと思っていただければ良いか
　と思います。
　すなわち、小保方氏が、いつ、どのような条件で実験が行われたか、克明に記録される
　べきものです。

　逆に言うと、実験ノートを見れば、再度同じ実験が再現できなくてはなりません。

・小保方氏の実験による成果物である、写真などの管理がずさんで、いつ、どのタイミングで、
　どの実験で得られたものかがわからない状態になっています。

上記の状態で、彼女は論文をまとめ、世界中の研究者から再現できないといわれています。
また、発表した論文には、写真や図に対するさまざまな嫌疑が寄せられているわけです。

もしこれが、個人の話であれば問題はないのですが、
・小保方ユニットリーダー（一般の大学の教授にあたります）の研究室には、5ヵ年契約で、
　総計1億円の予算がつけられています。

　ちなみに、理化学研究所の予算の90％は国税です。

・なぜ、こんな管理しかできない人が、理研のユニットリーダーになれたのか？
・総計1億円の予算はどのように消化されたのか？
・8カ月で4ページの実験ノートしかとっていない小保方氏は、その間何をしていたのか？

マスコミは、単に騒ぐのではなく、こういったこともちゃんと調べるべきです。
面白おかしく、発表されたことだけを報道するだけが仕事ではないはずです。



【小保方氏にもう一度STAP細胞を作らせてみればいいんじゃないの？】
上述のように、STAP細胞があるかないかは、大きな問題ではないのです。

それに、STAP細胞を作るとなると、その実験にかかる資材、場所等が必要です。
正直にいうと、「あったから何？」ということです。
そんな無駄なことに、コストをかける意味はありません。



【そんなこといったって、おぼちゃんかわいそう！】
小保方氏は、理研のユニットリーダーです。
ユニットリーダーは、大学の教授程度に相当します（厳密には違いますが）。

大学の教授だと思って接しないと、相手に失礼です。


ではでは。