2005年12月13日
「星を見に行かないか?」
ボクは、彼女の携帯にメールを入れた。
しばらくして彼女から
「どこへ?」
と返事が返ってきた。
ボクは、ちょっと考えてから
「湖にしよう」
と返事を出し、
「8時に迎えに行くよ」
と付け加えた。
ボクは、これと言って特に、星に詳しいわけではないが、
冬の空気が澄むこの時期、1等星が多く、流れ星を見ることができるので
彼女を誘うことにした。
ブランケットと熱々のコーヒーの入ったポットをロードスターの後ろに放り込み、
お気に入りの曲をかけ、彼女を迎えに行った。
こんな時間なのに道は意外とすいていたため、5分前には着いたが、
彼女はすでに待ち合わせ場所にいた。
「ごめん、遅くなって」
とボクはドアを開けながら彼女に謝った。
「いいえ、なんか夜空がすごくすてきだから少し早めに来ていたの」
「だから気にしないで」
と彼女が優しく応えてくれた。
ボクは、車の中での彼女とのなんでもない会話をすることがとても好きなので、
BGMが二人の会話を遮らない程度にボリュームを下げ、車を湖へ走らせた。
湖に着くと車を南向きに向け、彼女にブランケットを掛け、幌を上げた。
空を見上げると、満天の星が広がっていた。
「あの白い星が、大いぬ座のシリウス、その左斜め上に、こいぬ座のプロキオン、その右横のオレンジ色の星は、オリオン座のベテルギウス。この星を線で結んだものが、冬の大三角って言うんだよ」
ボクは、昨日、HPで調べた浅はかな知識で彼女に星の話をした。
彼女は、そんなボクの話を、真剣な顔で聞いてくれていた。
「コーヒー、飲むかぃ?」
と聞くと、
「えぇ、頂くわ」
熱いコーヒーを二つ、カップに注いで、ひとつを彼女に渡し、
もう一つのコーヒーを口に近づけた。
一口飲むと、その暖かさがとても心地よく感じた。
「冬は、1等星って明るい星が多く、空気が澄んでいるから星空を眺めるのには、絶好の機会なんだよ。」
「でも少し、寒くなってきたわ。」
彼女はそういうと、カップに口を付け一口飲んだ。
「あ~ぁ、とても暖かい、そしてとても美味しいわ」
彼女は、ボクのほうにからだを傾け、優しく微笑んでくれた。
「実は、さっきここに来る前、ボクは1等星を拾ってきたんだよ。」
そう言いながら、ポケットから小さな箱を取りだし彼女に渡した。
「少し寒くなってきたから、幌を閉めよう。」
ボクは、ロードスターの幌を静かに閉めた。
車の中には、お気に入りのスローバラードが流れてきた。
またまた、ヘタレを打ちました。(笑)
何とも“ベタ”な落ちですよ(爆)
今夜の羊蹄の麓は、ほんとに、星のきれいな夜空です。
つい、見入って・・・なんて事は出来ません。
だって、もの凄く寒いんですもの。
今の外気温は、-5℃は下回っていると思います。
さきほど、
“今夜は、水道管凍結”の予報が、テレビのテロップで流れていました。
Posted at 2005/12/13 21:30:36 | |
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