993 チェーンテンショナの分解清掃
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
1、2週置いてエンジン始動すると右バンクから1、2分の間チェーンのジャージャー音が消えない。新品交換が必要なものなのかチェーンテンショナの状態を確認することにした。
画像でオイルが垂れているのは、ナットを緩めた後だから。すべて外しても出てくるオイルは少ない。ウエスで吸い取れる程度。
2
右バンクのテンショナはチェーンケースの下側にあり、エンジンアンダーカバーと、チェーンケースに共締めされる遮熱版を外せばすぐアクセスできて取り外しは簡単。M6ナット2個を緩めてガスケットを含む部品一式を外す。
外す前に逡巡したのはクランク角を管理せず不用意に外してテンションを緩めた瞬間にガシャとチェーンの山が飛んで、掛け直すのにエンジン下げてチェーンケースを開けるというとんでもない目にあわないかということだが、ネット情報でもそのような記述がないから腹をくくってクランク角にこだわらず取り外してみた。結果的には問題なし。
チェーンテンショナは、スプリングに囲まれた内側の部品が注射器構造(シリンダとピストン)になっている。注射器の口が右側の丸い先端で、画像一番右のテンショナのキャップの座面から油圧の掛かったオイルがチェックボールを通してシリンダ内に充填される。シリンダの中に油圧が無い状態でもスプリング力でピストンの張力は維持される。
3
テンショナのシリンダに入るオイルはテンショナキャップ内の油路によってエンジン本体側からキャップ中央の半球形のテンショナ座面に導かれる。
テンショナのキャップ部分には多くの方がブログで書かれているようにスラッジが溜まっていた。座面外部のスラッジは作動に対して何の影響もないが、座面中央の油路内にもスラッジがあり、テンショナ作動に影響するからそれが問題。
構造上この油路のオイルはほとんど流動せず、エンジン運転中の油圧でテンショナピストンとシリンダの隙間から漏れる量だけ新たに供給されるのみであり、そのためスラッジが堆積しやすいと思われる。
4
この注入口の中にあるチェックボールは重力式。スプリングはない。注入口から棒で突くと密着が外れた。チェックボール周囲のスラッジで若干固着気味か。
5
内部を洗浄するため、シリンダ切り欠きを利用してシリンダ内周の溝に嵌っているスナップリングを外す。
6
シリンダとピストンを分離して洗浄する。摺動面にスラッジ堆積があったのか、最初渋り気味だった作動も洗浄でスムースになった。
シリンダの真ん中に見えるのがチェックボールの保持構造。これ以上分解できないが、最初チェックボールがはり付き気味であったため、裏表から念入りに洗浄する。
7
ピストンの直径は13ミリ。この部分の油圧が5キロなら6.6kgの力で突っ張ることになる。エンジン装着状態では、油圧がないときはスプリング力で、油圧がかかるとピストンの力で押せるだけ押した位置でピストン(=チェーンスライダ)が止まる。
チェーンスライダ側から押しかえす力でピストンが動的に縮むことはなさそうなので、エンジン運転中6.6kgの力でチェーンのたるみを取れるだけ取った位置で突っ張って戻らないワンウェイ作動であることを知った。
8
ピストン外周の一部に、不思議な加工痕がある。ピストンとシリンダの隙間が少なすぎるとこの機構内部のオイルがほとんど循環せずスラッジがたまるから、意図的に一定量を流すオイル逃げと推定。
多少のオイルを塗布して(充填はしない)再組し、エンジン始動する。
始動直後からジャージャー音はなし。洗浄して作動がスムースになったためと思われる。
2,3週放置して本当に効果があったものか、確認することにする。
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その後の経過は良好。各部がスラッジで半固着しない限り油圧のない始動時もスプリング力で適切に張力が適正に保たれる為か始動時しばらく発生していたジャラジャラ音はなくなった。
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