TDRで走り出せ!
投稿日 : 2014年08月27日
1
キャップ君が普通二輪免許を取得し、TDR50で走り出した。
TLR200とでショートツーリングに行き、途中交換しながら走ってどちらが良いかと聞いたところ、
「TDRです」
と言った。
やっぱりそうか。
確かにTDR50は出だし以外は結構速いし、とても乗りやすい。
TLRは競技色が強すぎた。
家の近くまで来たところで一緒に夕食。
そこで彼のこれからの決意を聞いた。
2
量子物理学研究の道に進みたいという事。
今までは自分の能力不足、そして就職に有利というわけでもないという気持ちがあって、その希望を口に出来なかったという事。
今年の志望校は、今までの様に自分のプライドを守るための目標を掲げるようなことをせずに、手堅く合格を狙い、大学の4年の頑張りで志望の大学院に進むことを狙うという事。
大学に入ったら釣りをしてみたい、大型バイクの免許も取りたいという事。
夏のロングツーリングにも連れて行ってほしいという事。
そしてこれからの受験の道は、自分の力で模索して進みたいという事。
よく言った、キャップ変わったな。
ガッキリ握手した。
油断して握手すると、握りつぶされることがあることを教えた。
3
後日キャップからメールが来た。
件名:お久しぶりです。
〇〇様
お世話になっております。お久しぶりです。
暑い日が続き大変ですが、お身体のは大丈夫でしょうか。
こちらは、勉強の方は順調に進んでいます。たまにバイクに乗って息抜きもしています。
今回連絡させていただいたのは旅行の件を、中止にさせていただきたいからです。
理由は、もう入試が近づいていてこの時期に旅行をしても、素直に楽しむことが難しくなってきたからです。
前々からの約束で、その上、もうすでに予定を組んで、準備をして頂いているかもしれないのに大変失礼なのは承知してますが、やはり入試3ヶ月前になってみると緊張感が変わり、勉強に集中したいと強く思うようになりました。こんな気持ちでは旅行を楽しむのは難しいと思い、連絡しました。
重ね重ねこちらの身勝手で迷惑ばかりかけて本当に申し訳ないのですが、宜しくお願いします。
まだ暑い日が続きますが、お身体にお気をつけ下さい。
〇〇
彼は友達の一人もいなかったし、家族とも没交渉でほぼ引きこもりだった。
そして他者に対する気遣いが出来なかった。
それは自分自身に価値を感じていなかったから。
そんな自分が他者に対する配慮など、するようなことではない、そう考えていた。
4
しかしメールを見て頂ければわかるように、彼は変わった。
これだけ書ければ、もう別にツーリングなんて行かなくていい。
お盆に帰国した父上も、彼の変わりように驚かれたそうだ。
様々な体験が、彼を中から変えた。
KT-2で林道の奥に置き去りにされることから始まり、
いろんな人の協力もあって、ある時はスバル360に乗せてもらい、またある時はボクスターにオープンで乗せてもらい、
自動車教習所で教官に散々怒鳴られ、暴走族になりたい不良少年にフォローの言葉を掛けられ。
体験していけ。これからもどんどん。
もうこちらでセッティングはしない。
準備は整った、走りたいように走っていけ。
そうするしかないし、それが楽しいこと、生まれてきた意味なのだから。
良い仕事が出来た。
オレも新しい仕事に専念だ。
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