
私が好き勝手に選んだ
2019年の新車BEST 5
(対象車は、2018年11月1日から2019年10月31日までに発表または発売された乗用車。日本カー・オブ・ザ・イヤーの流儀に則る事とする。)
1. MAZDA3

マツダ新世代商品の第一弾。今回から海外と同じく数字のネーミングになった。馴染みのある「アクセラ」の名称が消えてしまったのは少し寂しいが、これまでのマツダの殻を破った“新世代”なのだから仕方ない。
ボディは「ファストバック」と「セダン」の2種類を設定。
5ドアハッチバックを「ファストバック」と呼ばせるのは面白い。確かに、これだけ格好良ければハッチバックとは呼びたくないもんな。

ロングノーズで低く身構えたフォルム。踏ん張り感のある足回り。線と線の繋がり、面の質感に拘ったスタイリング。
そんな自動車としての普遍的な美しさを追求したエクステリアは、近年のマツダが取り組んできた改革の集大成に見える。
進化した魂動デザインは、引き算の美学が息づく。
線を減らし、面で魅せる。これを徹底しながら、タイムレスでインパクトのあるスタイリングが完成した。
ファストバックとセダンでボディの外板が完全に作り分けられているのも凄い。塊感で魅了するファストバックと、伸びやかでエレガントな印象のセダン。それぞれ妥協のない仕上がりとなっている。

ずっと眺めていられるカタチだ。
インテリアも引き算のデザイン。驚くほどシンプルで要素が少なく見えるのに、質感が高い。Cセグメントでこの雰囲気が出せるとは…感動すら覚える。

マツダの目指す世界観の演出が内外装の隅々まで行き届き、全体の“いいもの感”を大きく高めている。もはや高級車が纏うオーラである。
そしてシートの座り心地が素晴らしい。しっかりお金をかけている。シートを重視するならば、マツダは国産車の良心と言っていい。
エンジンラインナップは充実しており、流石マツダの主力モデルだなと思わせられる。この見た目で、1.5Lガソリンエンジン仕様まで用意されているのはちょっと意外だった。そういえばファミリア直系のアクセラの後継車だったなと思い出させる。

内容を考えると、価格設定も魅力的。コストパフォーマンスに優れる一台だと思う。
2. トヨタ カローラ

まずトヨタが日本において、カローラブランドの若返りに着手したことが喜ばしい。
先行デビューしていたハッチバックの「カローラスポーツ」に続き、セダンの「カローラ」とワゴンの「カローラツーリング」が登場した。

こうして並ぶと、久しぶりに、勢いのあるカローラが日本に帰ってきたんだなぁ…としみじみ。
国内専用のナローボディは、若干貧相なデザインになってしまわないかと心配していたが、それは杞憂に終わった。海外版と比べても違和感のない仕上がりに脱帽。
セダンもツーリングも、とてもよく纏まったスタイリングだと思う。
もう少し詳しく見ていこう。
まずはセダン。このサイズでまともに座れるセダンを作るとなると、どうしてもずんぐりむっくりしてしまう。カローラも若干ずんぐりむっくりしている。
最近のセダンはAピラーの付け根を後退させ、ボンネットを低く長く見せることで、伸びやさを強調するのがトレンドだ。しかし新しいカローラはそうなっていない。初代オーリスの時代のような、キャブフォワードに近いシルエットだ。

しかも国内専用に全長も全幅も削られている。この条件下で、よくぞここまでスタイリッシュに仕上げたもんだと感心する。
セダンのデザインの要とも言えるCピラーからリアデッキへの繋がり、グリーンエリアの形状、キャラクターラインの位置、面の反りと張りのバランス。
今回のカローラセダンに関しては、奇跡的なほどうまく纏まっていると私は感じている。
ワゴンのカローラツーリングもいい感じだ。
日本向けにサイズが縮小されたツーリングは、海外版の伸びやかなステーションワゴン・スタイルと比べると“ショートワゴン”的なシルエットで、若干印象が変わってしまった。ただ、これはこれで凝縮感があって悪くない。

夜の闇で「何かスタイリッシュなステーションワゴンがいるぞ、あれは何かな?アテンザかな?欧州車かな?」とか思いながら目で追っていたら、カローラツーリングだったことがある。
カローラでこんな気持ちになる時が来るとは。

フロントアンダーグリルの大きさはちょっと気になるけど、セダンもツーリングも、サイドからテールにかけての処理が好み。スポーティな躍動感と、先進性と、上品さを感じさせる後ろ姿はかなり気に入った。

ちょっと残念なのは、セダンもツーリングも後部座席が若干狭いことだ。きっと海外版はホイールベースが長いので、不満のない広さだと思われる。

ワゴン版であるカローラツーリングの荷室に至っては、先代にあたるフィールダーより狭くなっている。ボディサイズは大きくなったにもかかわらず、である。

トヨタらしからぬ割り切りがあちこちに見られる。カローラは変わった。良くも悪くも。
その代わりに、従来型のアクシオとフィールダーを継続販売することで対応している。ここは本当にトヨタらしい。
そもそも国内専用サイズのボディをわざわざ作ったこと自体、実にトヨタらしい気配りである。ユーザー層の幅広い超ビッグネームのカローラだからこそ、初の3ナンバー化にはとても慎重に対応した。この世代で様子を見て、市場の反応次第では、次期型はいよいよ海外と共通のボディになる可能性もありそうだ。
カローラスポーツが出た時は、正直オーリスの名前の方が良かったなと思っていた。カローラはダサいイメージが染み付いてしまっていたからだ。

発売から一年経ち、街中でカローラのエンブレムがついた若々しいハッチバックが走っているのを見るうちに、私の中でもカローラのイメージはすっかり改善された。
ここ10年余、カローラは海外版とのギャップが激しかったからね。
今回、開発陣は国内におけるカローラブランドの復権、若返りを目指したという。どうやらその挑戦は成功と見てよさそうだ。
3. ホンダ インサイト

ホンダのカッコいいデザインが戻って来た。
インサイトはカッコいい。奇をてらわず普通といえば普通。だが、それがいい。
普通にパッと見て「あ、いいな」と思えるデザインが最近少ないから、なんだかホッとするのだ。

営業さん自ら「ホンダにしてはカッコいいと評判なんです」と言っていた。確かに、どの角度から見ても端正なイケメンだ。
内外装の上質感は、今時の350万円級のクルマとしては納得いく仕上がりに見えた。

前席はもちろん、後席の居住性も意外と悪くなかった。トランクが広いのにも関心した。バッテリーの搭載位置を工夫し、トランクスルーも実現している。流石MM思想のホンダ。

価格は少し高く感じるが、エントリーグレードでも装備が充実しているので、まあ納得出来る範囲。
新型インサイト、結構いいと思う。そこそこ手頃なセダンで、上質で、落ち着いたデザインで、ハイブリッドで、国産で…となると他にはカムリぐらいしかない。そうなると、カムリより日本で扱いやすいボディサイズが魅力的だ。
4. マツダ CX-30

CX-30はネーミングだけでなく、エクステリアデザインも予想外だった。
毎度の造型の美しさは流石だけど、下半身の黒い部分の面積の広さが、最近のマツダ車の中ではちょっと違和感があった。

しかし実物を見ると、文句ナシにカッコいいと思えた。
流麗でシャープで薄く見える上半身に対し、SUVらしい力強さとラギット感が表現された下半身。

なるほどこれは新鮮でありながら絶妙なバランス。
マツダのデザイン力には恐れ入る。
このスタイリッシュさで、リアシートやラゲッジスペースはそこそこ広いというのも嬉しい。

インテリアデザインやメカニズム面はMAZDA3譲りで文句無し。あちらより広くて使いやすいというのが何より魅力的。
カッコよさと実用性と扱いやすさを兼ね備えた、ちょうどいいマツダ車という感じだ。
5. プジョー 508

プジョーのフラッグシップモデルが刷新された。
かなり好みのデザインだ。新鮮味たっぷりだが、端正なイケメンにも見える。どこかで見たような感じではなくオリジナリティに溢れているが、決して奇抜ではない。このさじ加減がいい。

SUV全盛の今、敢えて低さを強調したフォルムが効いている。

インテリアはなかなか要素が多くて濃いデザインだが、世界観が纏まっているのでアリ。プジョーならではの、小径ステアリングの上からメーターを見るi-Cockpitのレイアウトも私は結構好き。

最近のプジョーのデザインはキレッキレだ!
というわけで、
2019年の新車 BEST5 は…
1. MAZDA 3
2. トヨタ カローラ
3. ホンダ インサイト
4. マツダ CX-30
5. プジョー 508
でした。