2016年04月21日
「どーだ!!すごいだろ!」と威張った顔。ギラついたグリル。チカチカ、ツルツル、ギットリしたインパネ。「ここにカーナビつけるんだろ?」と空けられたスペース。駐車場にはその手の車たちが溢れています。「いや、、私はそこまでしたくないのだが、、、。」と思う方には、国産車トレンドとは真逆な位置にあるこの車がお勧めです。「ぼくは、きみらとちがうよ」と差別化が図れます。
初めての輸入車の方は「故障が・・・」となりますが、輸入車は国産車と比べると壊れるものと思ったほうが良いです。ただし、基本的なメンテさえ行っていれば、昔のように交差点でいきなり不動産になるようなことはありません。そんなリスクを恐れるよりも、この車が持つ個性を十分に享受できるメリットを考えるほうがこの車には似合っています。「安いパーツを寄せ集めても、ここまでの味がだせるのか!」と理解できる時がきます。
この車は、走る・曲がる・停まる(沢山荷物を積む)。を模範的にこなします。しかし、近代の機械仕掛けの安全装置はほぼ皆無です。(最低限は付いています)全て人間が見て感じて操作します。当たり前のことですが、人が操ることを体感できるシンプルさが良いです。
モデル末期の熟成度がありますが、新しいモノを求める方は「次期カングー」まで待つのが得策でしょう。きっと出力もアップしてシーケンシャルを積んで来るでしょう。しかし、素朴感や現行末期モデルが上でしょうから「今」でも決して「損をした感」はないと思います。
この手の貨物車は型落ちすれば、それも味になります。某車のように急に陳腐化する性格でもありません。塗装もシャビーですが、色落ち上等と割り切れればそれも「味」になります。
自然なエイジング、自然なアクセルワーク、和やかな車内、ゆったりした乗り心地。どれもこの車でないと味わえない個性がギュッと詰まっています。
人とは違ったものに、喜びを感じる方。忙しない世の中だから車だけはスローで穏やかさを求める方、別に洗車もしたくもないし、ぶつけてもいーやとラテン濃度の高い方。そんな貴方にこの車はピタリとはまります。
Posted at 2016/04/21 18:43:58 | | クルマレビュー