みん友、HPK.Claesさんのお誘いを受け、霧島氏と共に試乗と相成った。
輸入車といえば学生時代友人のBMWミニを運転させてもらったくらいで、
とーんとご縁がなかった。何よりそんな甲斐性がなかった。
地元にはBMW・MB・MINI・VW・ルノー・プジョー・ヤナセ・フィアット系等々、
様々なディーラーがあるにはあるが・・・。そんなところに飛び込む訳にも行かず・・・。
しかし!
赤信号みんなで渡れば何とやら。いざフォードディーラーに突撃。
こんな私たちでもとても丁寧に対応して下さった営業さん。
挙句、2台×3人も試乗させて頂いて。ホント頭が下がります。
で、フィエスタですよ、フィエスタ!
評判は各方面から聞き及んでいたのだけれど、
実際乗ってビックリした。全て想像の上をゆく車だったからだ。
※写真はみん友・霧島氏撮影のものを拝借。
(© 2014 霧島)
・エクステリア
Bセグど真ん中のコンパクトサイズなのにカッコイイ。
アストン風のグリルは賛否あるだろうけど、私はとても気に入った。
何よりイメージカラーのブルーメタリックが実に良い。
ヴィッツなどのソレに比べるともう少し緑がかった色合い。
・インテリア

コンソールや各操作類はデザインが凝っている。
ソフトパッドや光沢パネルが使われているが、
全体の質感はそれなり。
輸入車の宿命か、ビルトインの社外ナビはどうも付けれないらしい。
どうしてもというユーザーにはポータブルナビを、ということだそうな。
ま、最近はスマホでも何でもナビ代わりになるから良いけれど、
こういう車を選ぶ層はインダッシュナビを希望しそうなだけにちと微妙。
輸入車の右ハンドル車なので
ウィンカーレバーとワイパーが逆。
右左折時にもれなくワイパーを動かしてしまうのは慣れでカバー!
加えてゴルフ等と同じく
ヘッドライトのスイッチはダッシュボードにある。
上の画像真ん中あたり、運転席側エアコン吹き出し口の下の
ダイヤル。
メーターはプジョー208に近い印象を持った。ちょーっとオモチャっぽいかな?
・エンジン
一番の目玉である、1.0L3気筒ターボ・エコブースト。
かなりドッカンな味付け。
ちょっと踏んだだけですごいパワー。
エンジンの回転が上がる頃にはにスピードが十分出ている、といった感じ。
i-MiEVやリーフといった、出だしからトルクMAXのEVと似た印象を受けた。
3気筒特有の音はあるが、遮音&抑振がバッチリなのか殆ど気にならない。
フルスロットルで4000回転を越えたあたりだろうか、かすかに3気筒特有の
「ワーーーン」という音が聞こえてくるが、そんな状況は殆ど無い。
Dレンジで停車していても、昔の軽ATや初代パッソのように、
ハンドルがブルブル震えることは無い。
ま、格安車ミラージュだってそんなことは無いんだけどね・・・。
で、カタログを見て驚いたんだけど、
今時タイベル駆動なの!!

おもわず「げぇー!」っと。タイベル交換ってすごーくお高い。
で、何でだろうって思って考えたら、そこは欧州車。
数十万キロ走破する場合、ベルトの方が交換できていいのかな~と。
・・・思ったら大間違い。ただのタイベルに非ず。
【リンク:高強度グラスコードを使用した高性能タイミングベルト】
超強化型タイミングベルトで、チェーン式と同様オイル潤滑でメンテフリー。
・・・いや、すごい代物なんだろうけど・・・ちょーっと耐久性が心配だね・・・。
・6速DCT
アクセルを踏み込んだときの反応がとても良い。
クリープは若干弱めながら違和感なし。
渋滞や右折待ちでノロノロ進む場面では少しギクシャクした感じはあるが、
『DCTはギクシャクする』という前評判程ではなかった。
VWのDCTとは違い、まろやかな味付けにしてあるそうだけど・・・。
でも長年乗る場合はちょっとクラッチの耐久性が心配になる。
DCTの利点として素早い変速が挙げられるが、上記の味付けゆえか、
正直普通のトルコンATとの違いが分からなかった。
むしろ、BRZのアイシン6速ATの方がスポーティだったと思う。
裏を返せば普通のトルコンATから乗り換えても不満が無い、とも言える。
惜しむらくはパドルシフトが無いこと。
手動変速はSレンジに入れて、シフトレバー右側面、
O/Dスイッチのようなものを操作することで行う。

こいつはちょっと使いづらいが、慣れればそうでもない・・・のかも。
・乗り心地
走りの良い欧州車、となると、ガチガチの脚かと思えば、そんなことはなく。
運転しても、助手席でもとても乗り心地がよく快適。
車内はサイズ相応、シャープなボディ故に広いとはいえない。
ただ足が張り出したパネルに当たるだとか、そういうことはないのでご安心を。
加えて車内はすごく静か。これが一番驚いたかもしれない。
・シート
程よくホールドしてくれる。乗り降りもしやすくバランスの良いシート。
でもこれに関しては10分そこら乗っただけでは判断できないので不明。
表面は硬めでざらっとした感触。日本的な高級感は皆無。
・その他
コンパクトなボディなので当然なのだが、非常にとり回しが良い。
車幅こそ1720mmと3ナンバーだが、気にならなかった。
が、狭隘道路ではネガが出るかもしれない。そのあたりは不明。
ヘッドライトは正直あまり明るくなかった。ちょっと不満。
輸入車といえば(またか)ドアを閉めたときの音。
期待して乗り込んだものの、う~ん、実に普通。
ま、ガシャコン!なんて音は全くしなかった(当然だが)
ハンドルのグリップ部がとても小径で特長的な形をしている。

写真だと分かりにくいが、
10時10分の位置にでっぱりがある。
私は扱いやすく気に入ったが、霧島氏は真逆の印象だったそうだ。
これは好みが分かれそうなポイント。要確認!
正直、ここまで気に入った車はそうない。
MTでもFRでもクーペでもないのに、心をわしづかみにされてしまった。
昔から小型車に強い欧州フォード謹製とはいえ、こりゃ日本車には無い魅力。
ただ、国産Bセグは勝負にならない!・・・なーんて言うつもりは無い。
値段が倍、とまではいかずとも、1.5倍ほどはするわけで。
このフィエスタはスマートキーから自動ブレーキ、7エアバッグまで装備のフル仕様。
スイフトスポーツ・フィットRSなどに各装備を追加したら、もっと差は縮まる。
そこまでのモノが必要か、と言われれば首を傾げたくなるのも事実。
ご自慢のエコブースト&DCTも、山道や高速に行けばそれはもう楽しいだろうが、
街中を普通に流している分にはせっかくの性能を活かしきれない。
燃費や扱いやすさ、車内のユーティリティ等、そういうニーズでは、
アクア、HV・ガソリンフィット、ノート、ラクティスを選んだほうがずっと賢いと思う。
ヴィッツやマーチ、ミラージュでもシティユースには十二分に事足りる。
だから国産Bセグと比べて・・・という文句はあまり意味を成さないと思う。
唯一、ガチンコライバルといえそうなのは、次期デミオXD・ツーリングLパケか。
いや~面白くなってきたねぇ。やるじゃんマツダ。
ルノー・ルーテシアやプジョー208の該当グレードに比べ、かなり戦略的な価格と言える。
欲を言えば、ここまでの過剰装備はいらないので、
ルーテシア・アクティフや、208・アリュール5MTのような、
ベーシック仕様が200万程度であれば・・・。
もーっとこのフィエスタにぞっこんになりそうなのが恐ろしい。
現状そうはなっていないのが救いと言えるのだが(私のお財布的な意味で)
日本でのフォードというブランドイメージをひっくり返すようなこの車。
フォーカス共々、欧州フォードのテイストがもっと広まれば・・・。
でも、大抵の人はVW・ポロにいっちゃうんだろうナァ・・・。