今日はとても良い日だった。
別に宝くじが当たった訳でも、美人の彼女が出来たわけでもない。
ささやかな事なのだが、かねてから気になっていた車に乗る機会を得たからだ。
スバル純血のプレオ。伝統のクローバー4を搭載する駿馬である。
さらにコイツは初期にしかラインナップされていなかった
RMというグレード。
SOHC・IC付きスーパーチャージャーエンジンに7速モード付きCVT。
現代の豪華な軽自動車もおったまげる仕立ての車だ。
といっても13年落ち・10万キロ越えの車。
さぞボディはガタピシだろう・・・と乗り込むと、予想を裏切るしっかり感。
コレがいわゆる「剛性感」というものなのか。
プレオが鉄なら、私のトッポBJはダンボールだ。(笑)
カタログを見るとプレオL(廉価版)とRMでは80kgも重量が違う。
因みにどちらも4気筒でFF。補強と遮音の賜物かもしれない。
トッポBJのターボモデル(四気筒DOHC・ICターボ)も、
私の廉価版S・5MTとは全く違うのかもしれないのであしからず。
ただドアを開閉する音(特にリア)には閉口した。
旧規格の軽トラック以下の素晴らしい音色だったからである。
走り出すと、これまた予想を裏切る俊足ぶり。
この世代のCVTの例に漏れず、モッサリ感はあるものの、
古いCVTのセオリー通りに
アクセル半踏みだと実に滑らかに加速して行く。
巡航中のエンジン回転数は2300rpm前後といったところか。
昨今のエコカーよろしく1500rpm以下でスルスル走る、というのは無理であるが。
7速シフトを試してみる。ハンドルに付いた
ホーンボタンのようなスイッチだ。
慣れるまでは実に使いにくいが、ハンドルを大きく切らない限りは常用できる。
山道でエンブレを使ったり2・3速ホールドで走り回るのは実に楽しかったが、
街中でどうこうする代物ではない。単にギクシャクするだけ。
VW・up!のセミオートマってこんな感じなのか?
俊足ぶりに気をよくしていたのもつかの間。
このプレオ。足回りがちと残念なことになっていたからだ。
スバルの軽は四輪独立懸架で素晴らしいと聞いていたのだが、アレ?と。
確かにロールも少なく引き締まった足回りで、
トランポリンのようなトッポBJとは雲泥の差。しかし・・・。
ローダウンしているのかサスのへたりなのか、ストローク不足というか。
とにかく、どうにもシャッキリとしない。
まっすぐ走らないことは無いのだが、所在無さげにふらつく節があり、
これは修復歴のせいかもしれない。事故車なので。
段差を超えると底付きしているのかドガシャン!と腹に響く。
街中では元気に走り回ったが、凸凹の山坂道では段差で左右に吹っ飛ぶ様相。
てっきり
「コイツがショックの抜けというヤツか」と思い、
抜けてる抜けてると連呼していたのだが、
それにしてはロールやフワフワ感が目立ったわけでもなく。
帰宅してから
単にサスが硬かっただけなのかもしれないと考え込んでしまった。
いやぁ、素人って怖いね。無知の思い込みは百害あって一利なし!
何より軽自動車の少ないサスペンション・ストロークじゃいくら良くても限界がある。
ちょっと期待が大きすぎて盲目になっていたようだ。反省。
加えて10年物のひび割れた
タイヤの形をしたゴムの塊が一番の悪因。
ミャーミャー鳴きながら鋭く加速するスーパーチャージャー・エンジン。
時代を先取りしたCVTに変速モード。(ヴィヴィオからあったけど)
何ともいえないエクステリアに凝った造詣のインパネ。
パッと見ただけでも実に個性的な車のプレオ。
更に細かく見ていくと、面白いところが見えてくる。
普通足踏み式サイドブレーキといえば、
一回踏むとサイドが掛かり、もう一度踏み込めば解除、というものが多い。
ところがプレオは違う。そんな普通の車をスバルは造らない。
コラムシフトとインパネシフトの中間のような独特のシフトレバーも十二分にアレだが、
その下にあるレバー。
こいつを引くとサイドが解除されるといった寸法だ。
わかんねぇよそんなの。
普通の足踏み式でいいじゃないか(笑)
でかでかと「解除」と書かなければ分かりづらい設計ってどうなんだろう?
一度乗れば分かるんだけど、こういう基本動作は流れるようにしたいもの。
お次は後部座席。頭上空間を生かそうと考えたのか、
パノラマカーに乗って思いついたのか、こんな摩訶不思議装置がある。
パノラマシートと名付けられたこの装置。後部差席がせり上がる。
子供が前を見れて車酔いをしないようにとか何とか。
この状態で座るとキャブオーバーもビックリの視界が広がる。
これが座ったときの目の位置にあわせて撮った写真。
前は見えるけど・・・色々と不自然で・・・逆に酔いそう・・・。
あとはPWスイッチのところにある「LOCK」とかいた電気みたいなスイッチ。
普通は集中ドアロック。そう思うだろう?違うんだなぁ!
PWのロックなら窓ガラスに×マークだとばっかり。
真っ白な状態で考えれば「PWのLOCK」って分かるんだけど・・・。
いろいろとチグハグなところが多い、スバルさんちのプレオくん。
しかしてそのチグハグさが実に厄介な代物。
それを気にするどころか惹かれるのが世のスバル好き。
ステアリングを握っていて
自分がソチラ側の人間だと気付いたとき、
何ともいえない笑いがこみ上げてきたのであった。
今は亡きスバル製のプレオ。
ちょっとずれた、マジメで不器用な車造りを今日、味わえた。
貴重な機会をくれたみん友の霧島氏に感謝。
山の上の展望台も気持ちよかった。
野郎二人でなければもっと良かったのだろうけど、
それはお互い様だろうから言わないでおこう。
Posted at 2013/04/23 22:34:01 | |
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