2011年11月30日
「科学」に対する認識を新たにする
「99.9%は仮説」 「もうダマされないための「科学」講義」
たまたま、立て続けに似たような内容の本を読んだ。
どちらも科学に対する幻想や科学報道に対する問題を提起する内容で、ここ数年TVや雑誌などの各種メディアや周囲の人たちの言動に、違和感を感じていたことが、すっきりとした。
1冊目は「99.9%は仮説」。
センセーショナルな書き方が随所で見られ、同じ記述を何度か繰り返しており、鼻につく部分もあるが、科学史から科学がたどってきた道を丁寧に紐解き、具体的な事例、例えばホーキングやアインシュタインを例に取り、科学は仮説であり絶対ではないことを説き、教育のあり方にも言及している。
2冊目は「もうダマされないための「科学」講義」 。
「常に反証の可能性があるのが科学であり、絶対的なものは宗教である」
という部分が、違和感を一気に解消してくれた。
5名の専門家が科学と科学っぽいものの違い、報道のあり方について記事を寄せている。
いずれも公正な立場での記述が非常によく意識されており、好感が持てる。
ホメオパシー、マイナスイオン、ゲーム脳、エコナといった具体的な事例を通して、一般市民の科学への認識に関する問題を整理し、あるべき姿を明示している。
また、科学的に証明されていなくとも、経験値から導き出されたものについては
全否定することは無く、有効性を認めている。
特に震災以降の科学不振、又は科学者不振の極端さにとても違和感を感じていたため、そう至った経緯、その背景の問題点、発信者として注意せねばならないこと、受信者として注意せねばならないこと、メディアの問題が良く整理されており、とにかく、すっきりした。
ニュートン、アインシュタインに代表される近代的な物理学・科学の歴史はまだ浅い。
先日も光速を越えるニュートリノが発見され、同じ研究者による再実験でも同じ結果が出た。
同時に別の研究施設による検証も訴えられ、科学とはこうあるべきなのだと妙に納得した。
反証の可能性が残されているものが科学だといっても、いま一般的に知られている基礎物理学がある日突然すべてひっくり返るわけではないだろうが。
たまたま手にした本ではあったが、良著だった。
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Posted at
2011/11/30 22:12:33
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