練習会やイベントでLAP+なんかでロギングしていると、データを欲しそうにしているけど、言い難いのか、結局何も言ってこない人がたまにいる。
別に言われにくいように防御線を張っているわけではないのだけど。
実はダートで取ったログを他人が解析するのはかなり難しい。
いつも綺麗な路面で走るわけではないから、ギャップを避けることもあるし、わだちを使ってコーナリング車速を上げて走ることもある。
ミューが低いから、ステアリングを切るタイミングとヨーが出るタイミングは舗装よりも遅れる。
他のドライバーのレベルが高くない場合や走行台数が少ない場合は、砂利がはけている幅が狭くて、窮屈な走りをしていないこともある。
路面は、同じコースでも整備状況や走行本数によって刻々と変わる。
タイヤはどんどん磨耗する。
時には隣に人を乗せていて、普段と同じ運転ではないこともある。
ダート走行ではコースの形状に対してベストラインや適切な車両姿勢で走っているわけではなくて、砂利がはけているラインとか、ギャップの状況その他、コース上のあらゆる状況を勘案してラインや姿勢を決めている。
つまり、その日走行している他車のレベルや駆動の違い、路面整備状況なんかで、路面状況が変わって、それに合わせて走りも変えているということになる。
安定した路面を走る舗装のログを解析するのに比べると、かなり煩雑な作業になる。
これらの事を車速、前後左右G、ヨーレート等だけから推測することはかなり難しい。
車載ビデオと合わせて見れば、かなり解析できるだろうが、非常に手間がかかるし、足の操作までは通常は映っていないだろう。
ドライバー自身が自分の判断と操作を覚えていて、ログを見るから、正しく解析できるし、解析の手間も少ない。
これを他人が見て解析するのは、例え同じ日に同じコースを走っていても、その瞬間瞬間の判断がわからないから、難しい。
せいぜい、きっちり加減速しているかとか、自分との車速の違いとか、表面上の事しかわからない。
たとえ、推測に長けていて、ほぼ正確に深く解析が出来たとしても、デフや足のセッティング、補強の違いもあり、再現は難しいし、再現しても速いとは限らない。
それでも技量に大きな差がある場合は、参考にする部分はあるだろうけど。
逆の観点で言うと、ドライバー自身が解析する場合でも、それら大量の情報を踏まえていなければいけない訳で、走行ログだけでは表面上の解析しか出来ない。
そのときの判断、車の反応、操作等、ログに残っていない情報を正確に感じ取って覚えておく必要がある。
また、時間が経って忘れていることがないように、そのときのセッティングと共に、記録を残すことが一層大事になる。
また、V-BOXでセンサーを追加しても、取りきれないデータが残るのは同じこと。
そう考えるとログを見られることぐらい何の障害もない。
失敗した走行のログを見られるのは、ちょっと恥ずかしいかもしれないけれど。
Posted at 2011/08/29 23:13:03 | |
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