2011年10月25日
仕事が終わった後、食事や買い物、物色のために街を歩くときは、出来るだけ明るいところや人気の多いところを通るようにしている。
人気の少ないところではたまに後ろを振り向く。
マレーシアはそれほど危険な国とは感じていないし、男二人で歩いていて襲われるとも思わない。
でも、詳しくない国だし、日本より殺人や盗難の犯罪率の高い国であることは間違いなく、一応気をつけている。
そうやって歩いていると、9月末頃にミャンマーで邦人女性が殺害されたニュースがあったのを思い出した。
ミャンマーでも治安の良い地域で、暴行目的のバイクタクシーの運転手に襲われたと。
花の撮影が目的で、花畑に連れて行ってもらったそうだ。
騒がれたからといって相手を殺してしまうような運転手をかばう理由は何もない。
でも、内容を良く聞くと、女性の側に落ち度がなかったとは言い難い。
バイクタクシーを捕まえるほどだから、よっぽど旅行慣れしていたのだろう。
事前に治安が良い地域であることを聞いていて安心したのかもしれない。
ミャンマー人とたくさん触れ合って、気質や道徳観の良さを実感していたのかもしれない。
でも、油断しすぎた可能性がある。
知らない男女二人っきりで人気のない場所に行くことは、日本でもそうそうないだろう。
ましてや、ネイティブでない言語・文化の国で、相手の心の奥底まで読み取れるとは思えない。
それは相手が日本人でも難しい。
バイクタクシーの運転手なんて、収入は良くないだろうし、育ちが良いことも少ないだろう。
親しい雰囲気を出しすぎて、思わせぶりと取られかねない状況ではなかっただろうか?
情報が少なく、正しい判断はできないが、海外へ行く上での貴重な情報であることには違いない。
それをまた、日本のテレビ局が、バカな報道をしていた。
このニュースを受けて成田空港に行って、一人旅の女性を捕まえて、「不安ではないですか?」。
そりゃ、その事実だけ聞けば「不安です」と答えるだろう。
むやみやたらに不安を煽り、短絡的な判断を招きかねない。
海外に女性一人で行くことに問題があるのではなく、現地でどう振舞って、リスクを低減するかが問題であるのに。
触れ合った多くの人に人の良さや道徳観を感じる国であっても、全員がそうではない。
それは当たり前のことで、冷静に考えれば分かることなのに、旅行に訪れた国で、急速にその国の事情に詳しくなると、何でも知っているかのような錯覚に陥ってしまう。
また、「ミャンマー」「バイクタクシー」「邦人女性の一人旅」、そんなキーワードだけでステレオタイプに判断することは良い結果を招かない。
良いほうでも悪いほうでも。
つまり、安全方向に振りすぎてもつまらないし、油断しすぎても危険。
海外旅行や出張に際しては、適切なリスク管理をして、適度に現地に溶け込み、適度に距離を置くことが重要と感じた。
もちろんその前に、その国の文化や国の成り立ちなどを含めて、様々なことを良く調べた上でだ。
知らなければ、正しい判断はできない。
Posted at 2011/10/25 22:56:04 | |
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