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鈑金王のブログ一覧

2014年04月27日 イイね!

バイクのクランクケースブリーザーについて一考

先日、表題に絡んで一悶着ありました。
大変な目に遭いまいたよホント…

では、まずクランクケースブリーザー(以下ブリーザー)とは何ぞや、という方のために、ざっと解説をば。
平たく言えば、空気がクランクケース内と外界を出入り出来るようにするために設けられた開口部です。
大抵はケース上部からホースニップルが生えており、ホースによってインテークと接続されているか、そのまま開放されています。

このブリーザーの代表的な働きとして、機械要素の運動や温度変化によって発生するケース内の圧力変化を抑えるというものがあります。
密度の高い物質の中では物体の運動は阻害されますので、機械要素も出来るだけ低い圧力の中で動かした方がスムーズに動くというわけです。
また、ケース内に漂っているオイルミストは高温で酸化されたり水分を取り込んだ劣化オイルです。
そういった機械要素にとって有害な物質を外部に放出する事で、機械要素の寿命を延ばす働きもあります。


本題に入ります。
バイク、特にミニバイクは様々なアフターパーツに恵まれています。
そのアフターパーツの中に、ブリーザーの取り出し口を増設するためのものもあります。
通常は最初からケースにあるブリーザーのみで事足りるのですが、高回転を多用したりすると圧を逃しきれなくなったり、オイルが吹き出してくる場合があります。
また、先述の通り、低圧環境の方が機械要素の動きは良くなります。
ブリーザーを増設する事で、ケース内を大気圧に近づける事が可能になるというわけです。
自分のマシンも例外ではなく、タペットキャップと交換するタイプの取り出し口を着けて、ノーマル系統は殺していました。
そして、事件は起こったのです。



抱きつきです、お恥ずかしい限り。
何故ブリーザーと抱きつきが関係があるのか…原因はオイル不足でした。
エンジン内にパーツが落ちたり、異物が侵入したりといった事は一切ありません。
何らかの原因で急激にオイルが減ってしまった…原因は一つしか考えられないのです。

ブリーザーの増設を行ってから暫くして、ある疑問を検証するために設計を変更しました。
「ホースの長さで抜けは変わるのか」というものです。

接続はこのような具合です。

ブリーザー→ホース(約300mm)→オイルキャッチタンク→ホース(約200mm)→フィルター

これを

ブリーザー→ホース(約200mm)→オイルキャッチタンク→ホース(約50mm)→フィルター

このようにしました。

効果はすぐに現れました、期待を裏切る形で…
200km程度走行して、ふとオイルキャッチタンクを覗くとゲージが黄土色。
何事かと思ってドレーンを緩めた瞬間、白濁したオイルが噴出…
1Lあるタンクの2/3程度までオイルが溜まっていました。
取り回しを変えても状況は変わらず、むしろ悪化しているようでした。
最終的には、50km程度でおよそ500ml程度のオイルが溜まるようになっていました。
そして件の抱きつき、レイアウトそのものを見直そうと思っていた矢先の事です。

この大量のオイル流出が、単なるオイルミストの滞留によるものでない事は明白でした。
壁面を伝うオイルがクランクケース内の気体の脈動によってポンプの要領で押し出されていた事が原因です。
レシプロの吸排気管と同じく、ホースが長ければ長いほど脈動を吸収する力が大きくなるので、今回の場合は当然の結果と言えるでしょう。
再び、ノーマル系統も生かして長めに取り回したところ、嘘のように改善しました。

タペットブリーザー→ホース8Φ(約200mm)→変換ニップル→ホース9Φ(約300mm)→三叉
ノーマルブリーザー→ホース6Φ(約300mm)→変換ニップル→ホース9Φ(約300mm)→三叉
三叉→ホース8Φ(約200mm)→オイルキャッチタンク→ホース(約300mm)→フィルター

ニップルは内部で大きく広がっていてオイルトラップの役目を果たすため、効率よくオイルとガスを分離できます。
壁面を伝ってきたオイルはそのまま落下してクランクケースに戻るという寸法。


以上のように、バイクや車というものは安易に手を出すと危険な箇所ばかりです。
先の先まで読む力を養わないと泣きを見る事になるかもしれませんね、自分もまだまだです。


【5月9日追記】
オイル大量噴出が再度発生。
発生条件を精査した結果、原因はオーバークールによるピストンのクリアランス過大だった模様。
オイルクーラーをカバーした上で、オイルの粘度を5w-40から15w-50に変更して様子見。
ピストンの膨張率に合った粘度特性を持つオイルを使用しなければトラブルを招くという事例か。


【5月14日追記】
相変わらず油温が70~90℃近辺をウロウロして上手く暖まらない。
全く改善しないのでオイルクーラー撤去、以前はここまで冷えなかったので恐らくレイアウトの問題。

オイルクーラー取出ブラケットをビッグフィンカバーに交換した上で、若干濃かった燃調を再度調整して、点火時期も進み気味にしておいた。
その上で、ストップアンドゴーに次いで全開、という動作を繰り返し行なった。
エンジンが熱を持ちやすくなる要因ばかりであるが、油温が110℃を超える事はなく、空冷エンジンとしては適正な範囲に納まる事を確認した。
勿論、オイルの噴出も嘘のように収まり、100km程度走ってもキャッチタンクはほぼ空のままであった。

中間は力強いが高回転は伸びづらいという、ハイコンプピストンらしい特性が戻ってきた。
カムの特性を考慮しても真っ当な出力特性だと言えるので、問題はこれでほぼ解消と見て良さそうだ。
しかしながら、暖機運転をしっかりしないと首振りするので油断ならないところである。


【2016年4月7日 追記】
現状は以下の通り。
・クランクケース上方にあるノーマルのニップルは破損のため使用不可
・タペットキャップ、クラッチカバーにφ8ホース用ニップルを増設、隔壁はなし
・リターン系統のある小型のオイルセパレーターを新たに設置(キジマ 106-0092)
・リターン、開放系統にワンウェイバルブを取付(キジマ 105-15003)

画像がないので文字で説明します。

[タペットキャップ]
   ↓
[セパレーター]→[ワンウェイバルブ]→[キャッチタンク]→[大気開放]
   ↓
[ワンウェイバルブ]
   ↓
[クラッチカバー]

前回の追記時点から更なる試行錯誤を重ね、このような状態となりました。
クランクケースからの取り出しはバックプレッシャーの低減に有効であろうと思ったのですが、クラッチ交換してからというものオイルの吹き出しが予想以上に増えてしまい断念しました。
取り出しはタペットキャップからとし、クラッチカバーへはリターンさせるだけに留めました。
結果としては上々で、オイルの減りも殆どなくなりました。

設置したワンウェイバルブですが、ダイヤフラムにバイトン(フッ素系ゴム)を使用したポリプロピレン製の小型のものです。
本来は燃料タンクのベンチレーションチューブ用となっており、耐熱性に関しては期待できそうもなかったため、熱の掛からない設置方法を検討する必要がありました。
装着してから1万キロ程度使用しましたが、特段問題は発生していません。
冬場、気温が-10℃近い時でも凍結せずに上手く動作しています。
よく見掛けるものにアルミボディのボールタイプのものがありますが、凍結した場合の害を考慮すると良くないように思います。
凍結しても僅かながら流路が確保できれば温まって解けますので、ダイヤフラムタイプのワンウェイバルブを横向きにして使うのが良いと個人的には考えます。


【2019年4月19日 追記】
長らくクラッチカバーに8mmのニップルを増設し、オイルリターンのあるセパレーターを接続して運用していましたが、水分が全く抜けていかず、各部品の潤滑に悪影響を及ぼしている疑いが出てきました。
よって、ノーマルのニップルに対してレデューサーバルブを設置するのみとし、増設ニップルは全て撤去しました。
今のところ、7000〜10000rpmを常用するような使い方をしても懸念材料であったカウンターシャフトオイルシールの抜け等は発生しておりませんので、しばらくこれで様子を見ようと思います。
キャッチタンクにはオイルと水が分離したものが溜まっており、明らかに以前よりも水分の排出がスムーズになりました。
エンジン内部のラビリンスが狙い通りの仕事をしていることが分かります。

ニップルを増設する場合、外部にオイルセパレータを設置する事は好ましくないと言い切っても良いでしょう。
しっかりと温まるエンジン内部でオイルを分離できるような構造が求められるため、オイルの寿命を考慮した設計は相当に難しいと思われます。
よって、広く採用されているようなノーマルニップル近傍への増設が最も容易で確実であると言えるでしょう。



【2020年6月13日 追記】
記事のPV数を見たところ過去の記事がかなり伸びているようですので、現在の私見について述べさせて頂きます。
以前に追記を行った時点より構成は変更していませんが、以降もブリーザーの動作は良好なようです。
加えて、オイルの寿命が明らかに伸びた事が実感できました。
やはり、水分の混入がオイルの潤滑力を相当に損ねている事が分かります。
ホースがフレーム内部を通過するようレイアウトした結果、キャッチタンクに到達するまで冷却される事もないため、オイルミストは殆どそのまま抜け、水分だけがキャッチタンクに滞留するといった状態に落ち着きました。

やはり、エンジン内部かそのすぐ近傍、熱の掛かる箇所にラビリンスを設け、配管は極力冷却しないように引き回す、といったレイアウトが最適解であると確信できました。
ブリーザーを増設する際の参考にしていただければ幸いです。
Posted at 2014/04/27 01:29:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | 整備・点検 | 日記
2013年11月30日 イイね!

カブくちゃくちゃ事件とその顛末

掻い摘んで言えば、飛び出し避けてコケて電柱に突っ込みました。
人間は軽傷を負っただけで全然平気なのでご心配なく。

問題はカブの方ね、こんなんなりましたよ。




一瞬の出来事であまり覚えていないのですが、当時の状況を簡単に説明します。

 時間帯は20時30分頃、見通しはさほど悪くないT字路です。
一台の車が一時停止の標識の前で減速し、停車しようとているところでした。
そして、自分がT字路の分岐に30m程度まで迫ったところで、いきなりその車が発進。
車種は白のタントかスペーシア、それだけは覚えています。
(右後方にスライドドアのレールが確認できたので後者の可能性高し)
 
自分は車を間一髪の所でかわし、大きく姿勢を崩した後に右にコケました。
その後スライディングしてヘッドライトとハンドルの間から電柱に衝突、ご覧の有様です。
車はこちらに気づいていなかったのか、そのまま逃走。
目撃者は2人居ましたが、暗かったせいもありナンバーは全く見ていないとの事。
周囲にはカメラも無し、これも確認済です。
これでは警察を呼んだところで自爆で済まされてしまうので(過去に経験済み)、時間と体力の無駄と判断。

電柱も全くの無傷であり、何より現場での対応と事後処理の面倒臭さは身を持って知っていますので…
クラッチが使用不能になりましたが、押し掛けを駆使してどうにか自走で帰宅する事ができました。


 

被害状況はというと…
ヘッドライト、ハンドル、レバー、トップブリッジ、リアボックス、右ショック全損


 
 
マフラー、スイングアーム、ステップ、メーター小破
他色々がキズモノになりましたとさ。



ハンドル周りの歪み具合が分かると思います。
結果的に大きな損傷がこれだけで済んだのは奇跡としか言いようがありません。
ステムベアリングも砕け散っていてもおかしくなかったのですが、それも無事な様子。
フレーム強度だけ見ればカブも他の原付と大差なく、歪む時は簡単に歪んでしまいます。
タコった時はもうダメかと思いましたね、一番手の掛かっているエンジンだけは守らなければと思いました。


とりあえずは分解を進め、このような形に。
時間にして30分、簡潔な造りにしておいて良かったです。

 

およそ2週間経過後。
全てのパーツが揃い、ようやく完治! 
パーツの総額は5万円程度、手痛い出費です。
ハンドル周りに小変更を加える計画をしていましたが、本来必要のないパーツまで購入する羽目に…
 
 
最終的にコケたのは自分の選択のせいだとはいえ、腹の虫が収まりません。

自分だけで起こした事故であればまだしも、他人の不注意の割を食う。
しかもそいつはいけしゃあしゃあと逃走、これを笑って許せますか、自分にはできません。
 
このような事が起こる度に何度でも言う。
何のための免許制度なのか!

規制緩和やら何やらで白痴のような輩を野放しにしておいて何が免許か!
白痴共に免許を与えるな!

 
AT限定だの自動ブレーキだの、今の世の中の流れからしたら漫然運転を助長する害悪みたいなシステムでしかないでしょ。
道具が便利になればそれだけ人は衰える、道々で出会う車が物語っているよ。
これからもっと悲惨な事故が増えるよ、運転技能の低下なんていうしょうもない原因でね。

この記事を見て、同じような目に遭う方が少しでも減ってくれたら幸いです。
白痴のような運転をする輩を反面教師として、事故を起こさない、他人を巻き込まないようにしたいものです。
Posted at 2013/11/30 01:07:01 | コメント(2) | トラックバック(0) | 整備・点検 | クルマ
2012年04月04日 イイね!

液体ガスケットについて色々

最近、液体ガスケットを使用する機会が多かった事もあり、シール材について色々と調べていました。
新たに分かった点や気づいた点をメモしておこうと思います。


●溶剤系と無溶剤系
液体ガスケットを大きく分けると、この2種類でしょう。
前者は塗料のように有機溶剤で溶いてあるタイプ、後者は化学反応で凝固する不可逆性のものになります。
無溶剤系の詳しい反応機構までは、私の鳥頭では覚えきれませんでしたw


●溶剤系液体ガスケット
これを使用する上での注意点は、有機溶剤が使われている事。
大抵は速乾性で、極性の高い溶剤が使用されています。
乾燥しないうちは引火しますので火災の原因になります、火気厳禁ですね。

また、溶剤が油脂に溶け込んでコンタミネーション(異物)となる可能性がある事。
大抵はすぐに蒸発してしまうので問題にはならないでしょうが、不可逆的な分解反応が発生すると油脂の潤滑性能を損ねる可能性があります。

メリットとしては、除去が容易な事です。
キシレンやトルエン等、強力な溶剤を使用すれば溶け出します。
逆に、それらの存在する環境下では使用できないという事でもありますので注意が必要ですが。
発生するガスが決まっている点も美点ですが、これは後半で説明します。


●無溶剤系液体ガスケット
おそらく、自動車の整備において最も頻繁に使用するのがこのタイプです。
多くはシリコン系のゴム質となり、優れた耐熱性、耐薬品性、耐油性を発揮します。
その優れた特性から、高圧・高温になる場所をはじめ、あらゆる箇所に使用されています。

反応機構は溶剤系に比べると複雑です。
大雑把に言うと、空気や水分に触れた箇所が反応、液剤の中の成分が分離してガスを発生します。
一度空気と反応した液剤は元の性質に戻る事はありません。
つまり、不可逆的な反応が起こるという事であり、薬品に強い理由はここにあります。


●無溶剤系の反応生成物
液体ガスケットを使用する場合によく問題にされるのが、この反応生成物です。
データシート等に脱~等と書かれているのがそれです。

最もよく目にするのが、「脱アセトン」と「脱オキシム」だと思います。
前述の通り、これは空気や水分との反応によって生成されるガスですが、これらの扱いが少々厄介です。

アセトンをご存知の方は多いと思います、あの甘ったるい芳香を持つアレです。
金属との反応性は皆無であらゆる箇所に使用できますが、多くの樹脂に対して反応性を有しており、これらが存在する箇所には使用できません。
ゴム部品も材質によっては膨潤してしまう事があり、注意が必要です。
そういった箇所に使用する場合には、樹脂・ゴムの材質を確認し、反応しない事を確かめた上で使用するべきでしょう。
シール材としてよく使われる、ニトリルゴムやフッ素樹脂は優れた耐薬品性を持っていますので、そういった部材ならばまず安心です。

続いて後者のオキシムになりますが、これは一言で言えば有毒ガスです。
ホスゲンオキシムという毒ガス兵器がありますが、非常に反応性が高く、殆どの金属と反応して腐食させるようです。
液体ガスケットから発生するオキシムガスも多分に漏れず、銅合金に対して高い反応性を有しています。
当然、人体にも有害で、吸引すると頭痛を起こしたり、皮膚に付着するとかぶれ等の症状を呈するようです。
自動車では、軸受等に銅合金が使われているほか、ミッションのシンクロナイザーリングも銅合金です。
他には、電装系のサーキット、電線等も銅でできていますので、使用できる箇所はかなり限定されてきます。
尤も、密閉型で使用しなければ良いだけの話ですので、エキゾースト周りなどには使用できると思います。

「脱アルコール」「脱酢酸」と呼ばれるタイプもあるようですが、これはバスコーク等に多く使用されているようです。
酢酸には抗菌作用があるので、水まわりに使用する場合は好都合ですね。
しかし、当然ながら金属と反応して腐食を促進させるので、それらには使用できません。
もしも、作業中に液体ガスケットを切らしてしまってどうしても手に入らない場合等は、脱アルコールで代用しておくのが良いと思います。
そうならないように備えるのが一番ですがw


ざっと調べた所では、こんな具合でしょうか。
聞きかじっただけの情報なので、加筆修正があるかもわかりませんがw
そのうち、MSDSや文献を当たって調べてみる必要がありそうですね。


【追記】
コル注さんからのコメントを誤って削除してしまいました、すいません。
以下、返信になります。

> 耐油ガスケットは空気中の水分と反応して固まる と聞いたので、無意味なのを知りながらついミッ ションやエンジン組む前は塗布面に「はぁ〜っ」 と息を吹きかけてしまいます(^^;


水分に反応するといえば、瞬間接着剤を思い出しますね。
息を吹きかけない方が、芯までしっかり固まって定着が良い気がしますw

水分以外の物質に反応するものもあるようですが、反応機構を熟知していないとなかなか分かりませんね。
ロックタイトなどは空気を嫌い、全く違った原理で凝固するようですし、まだまだ知らない事だらけです。
化学式を辿れば理解できると思いますが、それについてはまた別の機会にでもw
Posted at 2012/04/04 11:38:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備・点検 | クルマ
2012年01月24日 イイね!

車検通過のお知らせと、思った事について

21日に通過、2回目の車検です。

2回の自爆と3回の鹿アタックを経て、今年で6年目。
長かったのか短かったのか、どちらにせよ、この個体に乗っていられる事が奇跡のようです。
つい先日21万kmになりましたが、まだまだですね。月まで行きますよw


で、肝心の車検だったのですが、光軸と、リアのピストンカップが漏れていた以外は問題なくパスしました。
というのも、どう考えても外観で撥ねられると思っていたんですよね、そんな状態で出すなって話ですが。
予備車検のために行きつけの整備工場に持ち込んだのですが、中の人からも「これなら通るよ」という事でお墨付きを頂きました。

問題になりそうだった箇所は、GTウイングとフォグランプ、マッドフラップです。
GT羽は「基本的にはアウト」だと周りから言われていたので、まず無理だろうと外す気でいました。
付属のステーを使用すると全高から突出してしまうため、本来よりも下げてマウントしています。
また、ステーの一部が鋭利な箇所と見なされる可能性があったため、クッションでカバーしておきました。
現物のデータが載っているURLです。
http://www.kc-technica.com/products/aero/gt_wing.html

フォグランプは取り付け位置もバルブの色も問題ないのですが、コーナーからケースが飛び出していました。
「少し飛び出し気味じゃないのか」という指摘がありましたが、丸みを帯びており、全長・全幅からは出ていませんので問題ありません。

マッドフラップは「可塑性を有し、容易に変形する材料」であれば突出が認められますが、全幅よりも突出しないように製作しました。
いずれも取り付け位置は保安基準のそれに従っており、鋭利な部分をカバーする等の対策を事前に施しています。
そうです、本来は問題になるはずもないので、最終的には何も外さずに堂々と持ち込みました。


このような誤解が生まれるのも、紛らわしい法改正と車検のシステムのせいだと思います。
特に、平成21年頃から施行された新しい突起物の基準について、混同して考えている方が多いように見受けられます。
騒音規制等と異なり、外装に関する基準は年式ごとに異なるものが適用されます。
平成20年式まではOKだったものが、平成21年式ではアウトになる、といった具合です。
これはどういう事かというと、改正前の年式には改正前の基準が、改正後の年式には改正後の基準が適用されるという事です。
つまり、新基準が適用される以前の年式の車を、新しい基準に適合するように直したりする必要はないのです。
アフターパーツなどを新規に装着する場合も同様で、改正前の車は改正前の基準に従えば良いのです。
ノーマルの状態で新基準に対応できない部分があれば問題ですので、その点は考慮されています。

このように、明確な規定があるにも関わらず、検査員の裁量で良否が決まってしまうのは問題だと思いますね。
現場では、本来基準に合致するはずのものまで撥ねられるといった、出鱈目な事態まで起こっているようです。
このように、誤った判定をする一方で明らかな違反を見逃す場合もある、不公平ですよね。
尤も、最近は検査員が分からなければ細則までその場でしっかりと調べるようですが。

何より、教える立場の人間が知らないのには驚きましたね、某専門で講師をやっている人間でしたが。
「アフターパーツは一律人に危害を加える可能性があるからダメだ」の一言、唖然としました。
万に一つ、誤った改造を認めてしまえば責任問題になりかねないという事もあったのだろうと思います。
それは考慮するにしても、詳しく調べもせずに一律にNOだと言うのは保身のためとしか思えない、汚いです。

屁理屈を捏ねるようでアレなのですが、身の周りにあまりに誤解している人間が多いので書かせて頂きました。
一部、騒音規制等例外的な記述がされていますので、疑問に思われた方は国土交通省のサイトで確認される事をお勧めします。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokubetten/saibet_020_00.pdf


人を守るための保安基準、当然大切なことです。
一方で、基準に適合する形で改造を行う事は認められています。
今となっては、集団で市街地を暴走して騒音を撒き散らしたり、危険な装飾をしたりする車は殆ど見られなくなりました。
このように、他人に明らかな不利益を与える、端から見ても迷惑な車が減るのは良い傾向だと思います。
しかし、行き過ぎた過剰な規制はアフターパーツ業界を萎縮させ、延いては車社会を衰退させるだけだと思うのです。
車が売れなくなったのだって本音を言えば、ねぇ。

最近では、東京都の屋外広告規制でしょうか。
個人的には馬鹿げていると思いますね、明らかに行き過ぎていると思います。
その規制を根拠に、次は何を規制するんでしょうか?
済し崩し的に無関係なものまで規制されてしまっては敵いませんって。

規制をするなと言っているのではありません、やり過ぎるなと言っているのですよ。

快適な生活を送っている者の影で、謂れの無い弾圧を受ける者がいる。
人間我慢は必要ですよ、色々な人が居ます。
嫌でも違う価値観を認めなければいけないときもある。
この世界は独りだけのものじゃない。
決まりを作る側も、そろそろ考え直す時ではないでしょうか。
最高速度の規制然り、いつまでも古い基準ではやっていられませんよ。
Posted at 2012/01/24 07:15:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備・点検 | 日記

プロフィール

「次回はVTRのFI用マフラーのレビューになります、モノはヤマモトレーシングです」
何シテル?   05/16 15:58
鈑金王と申します。 お察しの通り、捻くれたオタクです。 スイフト(ZD11S)降りました、現車両はZC33S。 他にCD90とVTR250を主に転がし...
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