2005年12月21日
科学の悪しき風潮・・・
多少なりともオーバーラップするジャンル、気になりながらいつもフォローしているのが例の”ES細胞疑惑”の一件。
つい最近まで、韓国メディアは黄教授に対して”ノーベル賞受賞の最有力候補”などと諸手をあげて英雄視してきました。それらの成果を元に、生化学の分野でも世界をリードする国として位置づけようと国をあげての政策も進んでいました。
それがあるひとつのスキャンダルをきっかけに”稀代のでっちあげ”と表現され、黄教授が名を上げるきっかけになった1999年からの別の研究についても疑惑をもたれ、それらを探し出すことにメディアは躍起になっているようです。つい最近までは”英雄”ですよ?
まさに天国と地獄ですね。これまで共同研究を行ってきたかつての同僚たちからも否定的・嫌疑的なコメントも多々出ているようですし。「スキャンダル」って芸能界・人気商売、ドラマの世界だけではないんですね。そしてほんとシビア・・・
現在、教授の研究室は事実上閉鎖され、ビデオモニターもつけられて改ざんなどの細工がされないようにされているらしい(すでに信用されていない!?)。
ただ、あくまでも、まだ真偽の調査中なんですよ・・・・
ここまでくると、やったことの真偽は別にしても同情すら覚えてきます。もし、最終的な真偽で疑いが晴れたとしてももう元に戻ることは不可能でしょうね。
ふと思い出しましたよ、考古学の研究で捏造を繰り返していた藤村教授。彼は明らかにクロでしたが、当時その世界では英雄・神でした。”有名にさせられた”遺跡のあった自治体はかなりの被害を被ったはず。一時期歴史そのものに対する嫌疑の目もありました。
少しでも生科学に携わるものとして、「今回の騒動が韓国のある個人の話しにとどまらず、科学・研究は捏造がまかり通る世界である」という間違った認識の悪しき風潮にならないよう祈りたい。
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まじっすか? 千状万態・・ | 日記
Posted at
2005/12/21 14:07:29
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