どうなんでしょう?結局メリットはどこにもなかったような気がします。高校生と大学生・社会人のドラフトを分離にしたのは、「高校生の進路決定に配慮して時期を早めて」という高野連の要望に基づいたもの。強いて言えばそれくらい?がしかし、年棒上昇や悪しき裏工作の元凶にもなった”自由獲得枠”は”希望入団枠”と名前が変わっただけで結局存続してしまった。かつ、分離されたことで、新たな問題が発生。これまではすべての候補選手者のなかでトップを選んでいたものが、今回は高校生と学生・社会人両方のトップを採ることができるようになってしまった。「不均衡を無くす」が前提のドラフトが逆行してる風にも見える。もっと悪いこと(?)に、今年からは「1巡目選手、2巡目選手・・・」が2人づつ存在することになる。これまでなら2~3巡目、もしくはもっと下位で選ばれたかもしれない高校生が”高校生ドラフト”で1巡目、2巡目・・に選ばれるわけ。そしたらどうなるか?最近は社会人であろうが高校生であろうが上位選手の契約金・年棒はかなりな金額。”高校生ドラフト”だからって格安であるわけでは有りません。つまり、例年の契約金をはるかに上回る金額が必要なわけです。支出を抑えたい多くの球団にとってもさらに首を締めることになりかねない。いろいろ問題をはらんだ今回の新制度。12球団の思惑がぶつかり合ってどうにかこぎつけた案は、やっぱり妥協の塊の不十分な案でしかありませんでした。個々の損得もある程度度外視した、プロ野球全体の将来を見通した大人の話し合いを期待したい。