
鹿嶋槍ヶ岳を登頂して冷池小屋で一夜を過ごしたあと、一路後立山の峰を南下しました。
爺が岳を越えて種池小屋で趣味のピンバッジを購入後、そのまま主脈を針の木岳まで縦走。途中「熊目撃情報あり」の看板。
この日は新越山荘を過ぎて鳴沢岳を目の前にした頃からだんだんガスに包まれ、以後は目標の見えない自分との戦いになりました。
登山なるもの、周囲の景色や遠景、足元の草花を楽しみつつ登るから楽しい。これらすべてがなくなると本当に修行さながらの歩行になる。立山黒部アルペンルートのトロリーバスが真下を通っているであろう地点を過ぎると赤沢岳。
ここで少々気の張りが切れて昼食にしました。小豆がいっぱい入った大福餅を一つ。バーナーで沸かしたお湯では甘めのコーヒー。夏とはいえ、ガスの中の歩行で冷えた身体には甘い物が最適です、美味しかった。
本当は右手にエメラルドグリーンの黒部湖、その対岸に立山が望まれるはずの稜線は1度急激に下降します。岩稜帯をさらにつめるとスバリ岳。
目的となるポイントが見えない中での歩行は精神的に疲れます。「あれが頂上か」と思って、自分を鼓舞して頂に着いてもガスの先に新たな頂。このスバリ岳もこの日の最終目的の針の木岳ではないかと「お願い!」気分で何度も標識を探しましたよ。
突如晴れたガスの先に雄大な針の木岳が急に姿を現しました。結構遠い・・・ でもかっこいい!標高は2820メートル足らず。でも、今まで歩いてきた岩稜帯の集大成にふさわしい、雄大な山でした。
急に登攀意欲が復活した、すばらしい一瞬でした。
  Posted at 2005/06/12 22:55:59 |  | 
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