2005年12月02日
昨日ショッキングなニュースが流れました。
突然、就寝中に少女が苦しみだしそのまま亡くなった。原因を探るとアレルギー反応。その反応の発端となったのはキスした恋人が数時間前に食べたピーナッツバターによるもの。なんともいたたまれません。彼女も遺族も、そして原因を作ってしまった彼も・・・
ところで、ピーナッツやピスタチオ、それに一部の香辛料やそばなど、南方の国々から輸入されていた穀類には微量ながらも天然の毒成分が含まれていたことが昔から認められていました。
それは、カビの一種”Aspergillus flavus (アスペルギルス フラバス)”が作るトキシン(Toxin:毒成分)ということで名づけられた、”アフラトキシン”と言われる物質群。数種ある派生物質の中でもっとも毒性の高いものはB1と言われ、全食品毒の中で最強の発癌性物質と言われています。
このカビは高温・高湿の環境を好みます。ですから、保管の管理が良く行われていないと繁殖し、その生育過程で生産された毒成分も食品に蓄積します(それが人に有益だと”抗生物質”、有害だと”カビ毒”・・)。
昭和初~中期、管理が不完全な状態でイランなどの国から輸入されていたピーナッツやピスタチオからは良く検出されていましたが、管理や規制が整ってきた近年では問題になることはほとんどなくなりました。ちなみにこのカビは日本では生育温度の関係でほとんど分布していませんので、国産の農産物からはほぼ検出されません。
今回の事件(事故?)がこのアフラトキシンに起因するものか良く判りませんが、ペーストであるピーナッツバターは濃縮され最も多く含まれることも判っています。そしてこの成分は熱では分解されませんので消費者には防ぐすべが無いのです。輸入や管理における規制・監視が大事になるわけです。
ところでここ近年、温暖化が顕著になってきました。寒いから繁殖できないと言われていた毒グモも日本で越冬していることも判明しました。と言うことは、これまで南方特有と言われてきた微生物やウイルスといったものも日本に流入してくる可能性もあるわけです。
温暖化。水面や気象とかだけの問題ではないのです。
Posted at 2005/12/02 12:51:21 | |
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まじっすか? 千状万態・・ | ニュース