
【長文です。ご注意を】
先週の土曜はお猿で楽しく過ごしました。
明けての日曜、朝から小用で小川町にお出かけです。
小川町といえば「鰻」ということで、ランチは鰻を頂きました。
トテモオイシカッタデス(´∀`)
トテモタカカッタデス(゚Д゚)
イッシュウカンブンノショクヒガトビマシタ('A`)
3時頃に用事を済ませこのまま帰るにはちょっと早いので
ギリギリの時間ですがちょっと寄り道をして帰ることにしました。
山を2つほど越えて以前から気になっていた廃集落へ向かいます。
ダムの建設、そして40年ほど前に地滑りが起こったことで
住人が去ることとなった集落です。
噂では某ホラーゲームの舞台となった集落の一つだそうです。
走ること1時間強、トンネルを抜けた山中にその集落は存在します。
私は廃れゆくものが好きで暇さえあれば全国をまわっています(最近はジムニーばかりですが)
そういう廃れた場には色々な噂、心霊や惨殺事件が付き物ですが、そういうものの多くは
噂に尾ひれがついたもの。私はまったく気にしない性分です。
しかし廃れた場所に限らず、それぞれの土地には「良い雰囲気」と「悪い雰囲気」を感じることが
あります。
トンネルに入った瞬間から空気が一変しました。少なくても「良い雰囲気」でないことは確か。
トンネルを抜けると、山中から20頭前後の猿の群れがこちらを見つめていました。
特に害するわけではないので気にせず下車し徒歩で集落を目指します。
なかなか見つからず探すこと数十分、山中へと伸びる一本の獣道を発見。
ここを通って人々が生活していたとは思えないほどの道ですが、他に無いし
時間も無いので駄目もとで突入。
道は水を含み路肩は崩れているので注意しながら足を進めます。
猿の集団は、特に逃げ出すわけでもなく、こちらを威嚇することも無く一定の距離で私の様子を覗っています。
しばらく歩くと路面が簡易舗装に変わり人の痕跡が見られるように。さらに進むと家屋が
見えてきました。
道傍の防火水槽。今は森の水源となっています。
斜面には残留物。
しかし、どの家屋も倒壊が激しく、詮索出来る状態ではありません。集落の最奥に比較的痛みの少ない
家屋がありました。
内部
今日の私の失態は三脚を忘れてしまったこと。感度をめいいっぱい上げ
スローでシャッターを切っていきます。
家屋の奥には離れが。背は急斜面、前は崖。どこにも逃げられません。
まるで座敷牢のよう。
母屋は森に帰りつつあります。
道に戻り上層を目指します。猿集団は相変わらずこちらを覗っています。
離れず、近づかずの距離で。こういう場所では何かしらの視線を感じることが
偶にありますが、ここまで大勢の露骨な視線は初めての体験です。
しばらく進むと倒木が。奇妙な形の倒木です。まるで行く手を遮る森の腕のようです。
5時をまわり大分日が落ちてきて手持ちの撮影は厳しくなってきました。
急ぎ足で進みます。
倒木を潜り抜け平屋が連なる奥の家屋を目指します。
このあたりから今まで静かだった猿の鳴き声が目立ちはじめました。
白黒テレビ。まだ集落が生きていたころの名残を感じさせます。
家屋の入り口。チラシは最近のもの。郵便受けの野球ボールには色々な名字が
書かれています。これも最近のもの。誰がなんのために?
鍵は掛っていませんでしたので扉を開けると。
だるまが2体。目線をかわすように置かれています。
これにはさすがにちょっとびっくりしました。
倒壊が激しいので内部へは入らず、さらに奥を目指します。
奥の家屋。縁側にトロフィー。誰かが内部からここまで出したのでしょう。
ここでさらに驚く場面がありましたが、割愛します(写真も撮れませんでした)
縁側に答案用紙とグラビア。
バイク全盛期のメット。マーシャルのステッカー。住人はモータースポーツを
楽しんでいたのでしょう。
家屋はさらに奥へと続きます。道は倒壊で塞がっていますが何とか通れそうです。
足を進めようとした瞬間、猿の鳴き声が激しく山中に響きます。
トンネルを抜けた時から続く奇妙な空気感、撮影限界な暗闇、一歩間違えば事故の倒壊道、
そしてけたましい猿の鳴き声。
ここが引き際。
懐中電灯で足元を照らしながら慎重に下山することとしました。
下山するとあたりは夕刻。
なぜこのような山中に住まわれていたのでしょう。昔はもっと交通の便は悪いはずなのに。
そして人のいなくなった集落の住人となった猿。
ずいぶんと奇妙な一日、奇妙な集落でした。
最後まで読まれた方、お疲れ様です。