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イイね!
2015年10月15日

【あのパーツはほんとうに効くのか?】軽量ホイール編

まぁ別にホイール交換しようなんて気はないんですが。
今の鉄で十分に軽いし,ホイールキャップないと空力悪くなるし。

てか,カッコいいじゃん,スチールホイール。
誰も彼もがゴミを見るような目で毛嫌いする意味が分からん。
その訳の分からないゴテゴテギラギラしたアルミの方がよっぽどダs(ry









それはさておき,ホイールを軽くするという話。

純正スチールホイールより社外アルミは本当に軽いのか?という話はともかく。
(ちなみに,重量を明記していないアルミは大体純正より重くなります)

ホイールの軽量化について,皆さんはこんな謳い文句を聞いたことはありませんか?

「バネ下の軽量化は,バネ上の軽量化の15倍の効果があります!」
「ホイールを1kg軽くすることは,バネ上の軽量化15kg分に相当します!」







……はい,この話を真に受けている人はどのくらいいるでしょうか。

この15倍という数字は出処によって4倍くらいまで下がったりすることがありますが,
4倍にしたって「ホンマかいな」というレベルの数字ですよねぇ。

言いたいことは分かるんですよ。
タイヤとホイールは走行に伴って回転しますから,慣性モーメントが作用するとかなんとか。

で,本当に計算した結果が4倍だの15倍だのだったのかい?












というわけで,計算してみた。


実験台はうちのA05A,鉄ホイール履き。
停止状態から時速100km/hまで加速させ,運動エネルギーを計算してみた。

ホイールは回転しながら並進するため,その際の運動エネルギーは両エネルギーの和となる。
すなわちこのエネルギー総和が,並進だけのエネルギーに対しどのぐらい上乗せになるか。
それがホイール軽量化の効果ということになる。

加速に際してのロスは当然無視。
あとタイヤの分も無視,あくまでホイールだけを軽量化する効果割合を算出した。
タイヤの軽量化って,狙ってやるのは基本無理だと思うので。

慣性条件はこのとおり。
ホイール重量 :W = 5.8kg(実測値)
慣性モーメント:I = 0.144kg・m^2

ちなみに慣性モーメントは,直径14inchの円筒と円盤を組み合わせ概算。
鉄チンならば実際の数値とは大きなズレが出ないことを,とある方法で検算済みである。



さて,計算してみる。
単位系はkg,m,secとする。

並進の運動エネルギーは次の通り。

   Et=1/2・W・(100/3.6)^2
     =2237.654

回転の運動エネルギーは,角速度ωとして

   Er=1/2・I・ω^2(顔文字が見えた人は少しネットから遠ざかりましょう)

角速度は,時速をタイヤ周長(165/65R14で計算)で割ったものとなるから,
車速v[m/s],半径r[m]とすると,

   ω=v/r
     =97.44879

となり,先程の回転の運動エネルギーは,

   Er=680.1496

と導き出されるから,運動エネルギーの総和は

   Ea=Et+Er
     =2917.804

これと並進運動エネルギーの比率は,

   Ea/Et=1.303957

つまり約130%ということになる。



要するに,

ホイール1本あたり1kg軽量化=車両としては1.3kg×4本=5.2kgの軽量化

という関係式になるわけである。





















倍にすら至らないんだぜ。

無論,これはホイール全体の密度や板厚を下げるような軽量化での計算であり,
例えば円周部を重点的に軽くしてやれば,割合はもう少し増えるとは思います。
が,それでも倍行ったら奇跡っていうレベルじゃないですかね。
試しに165/65R14の円周部だけ1kg減らしたら,低減効果は1.4kgって出たし。



え? ホイールが小さすぎ?
大径・幅広のホイールでやったらもっと効果がある?

どうぞ,ご自身で計算してみてくださいな。
結局同じくらいに落ち着くことが確認できると思いますので。
18inchの7.5Jで計算しても127%くらいだったし。




ん? 他の物理量で計算したら別の結果になるのでは?
運動量とか,力とか……ですか。

まぁ評価方法として妥当かどうかは分かりません,計算が簡単だっただけですから。
でも,結局上記のWとIはどの物理量でも変わらず1次で計算に入るものだし,
むしろ運動量や力で計算したら,vやωが1次になっちゃうから余計差が小さくなりますね。






とまぁ,あっさり結論は出ましたね。

4倍とか15倍とか,とんだ誇大広告ですわな。
それ以前に全ての社外アルミが純正より軽くなるよう謳っているあたりからして(ry

自動車業界には,こういうフィーリングや妄想で出してきたと思しき数字が結構転がっています。
あまりにもとんでもビックリな数字を見たら,疑って計算してみるのもいいと思います。







しかし,費用対効果の面からいえば,このぐらいの効果でも悪い数字ではないと思います。

ホイール1本あたり1kg軽くして,エネルギー的には5.2kgの軽量化に相当するとして,
同じ重量を他のやり方で削ろうとすると,ホイールよりも高く付くことも多いのではないでしょうか。

例えば,軽量バッテリー(7万くらい)とか,カーボンフード(6万~+作業費いろいろ)とか。
ホイールを1kg減するくらいなら,1万/本くらいであるいは,かとは思います。



まぁ,実際には,ホイールの軽量化って操安やNVHに影響(いいのも悪いのも)が出る話なんで,
そう安易に考えてやっていいチューニングではないんですけどね~。

本当だったら,バネ上の重量やスプリング・ダンパーの特性と合わせて,
トータルに考えるべき項目だということを最後に付け加えておきます。

ブログ一覧 | [日記]チューニング考察 | クルマ
Posted at 2015/10/15 22:56:25

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この記事へのコメント

2016年10月1日 17:30
こういう数字を使った検証大好きです( ̄▽ ̄)

感性、という面もあるので一概にスペックだけでは語れないところもあるとは思いますが、でも物理法則までぶち破って変わらないよねーって思うと、車界隈はアヤシイ話がイッパイで面白いですよね笑
コメントへの返答
2016年10月1日 18:34
懐かしい記事にコメントありがとうございます。

一応,15倍という数字を導くことも可能ではあるんですよ。
バネ1本あたりのバネ上とバネ下の比は概ねそのくらいですからね。
その考えだとするなら人によって数字が違うのもありえるかも?
固有振動数やダンパーによる収まりの良さについて考えると,一見妥当と言えなくもなさそうですが……。

でも,バネ上の動きとバネ下の動きは起きる要因が同じじゃないですからねぇ。
両者が関係ないわけじゃないけど,何倍もは流石に無理があると思います。

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