2018年03月06日
ヨーコントロール・バイ・ブレーキの話
ついに登場したエクリプスクロスのS-AWCは,ブレーキ制御によるシステムです。
その前のアウトランダーおよびPHEVの時代から基本的にはそうなのですが。
同じ名称でも,ランエボⅩに搭載されていたものとは結構異なる代物になっています。
ブレーキをつまんでトラクションやヨーを制御するくらいは,今時どのメーカーもやっています。
これらをして,今のS-AWCを簡素化だの廉価版だの手抜きだという見方も可能は可能でしょう。
が,要は狙った通りの挙動制御が出来るのなら,手法は問わないのが本当のエンジニアリング。
テクノロジーに固執するのは技術者の自己満に繋がるので,私はこれはこれでいいと思います。
実際にエクリプスクロスの先行試乗でも,4WD制御には好意的なコメントが多いようです。
が,しかし。
それはそれとして,やっぱりブレーキ制御はちょっとなぁ……と思う面もあるのは事実。
挙動そのものについてケチつける気はありません。乗ってもないしね。
私がイマイチしっくり来ていないのは,マイ信条でもある信頼性の部分。
「緻密な制御を消耗品に頼るのはどうなんだろう?」という疑念がどうしてもあるのです。
もっと言えば「容易にアフターパーツをブチ込める消耗品」でです。
悪路も走れる4WDのオールホイール制御を,ブレーキで成し遂げるのは確かにすごい。
すごいけど,逆に言えばそれだけ緻密で繊細な制動力制御をしているということでもあるわけで。
じゃあそれって,各輪の制動力特性が狂ったらおかしくなるんじゃないの?って気がするのです。
当然のことながら,摩耗が進んだり,多少ヒートアップしたり,くらいはテストしているでしょう。
が,それはあくまで純正のパッドと純正のローターにおいてのこと。
皆が皆,ディーラーと仲良くして,定期的にメンテナンスに持っていっているわけではありません。
クルマに興味ないビンボー人は,その辺の適当なパッドを付けることもあるでしょう。
逆に私みたいなクルマイジリストは,自分で好き勝手パッドを換えることもあるでしょう。
そういったメーカーのあずかり知らぬ仕様になった時,制御はどう働くのか?
初期制動ゴリゴリのパッドとローターを入れたら,ターンインでオーバーになったりする?
そういうことを考え始めると,ブレーキ制御によるヨーコントロールには不安を覚えてしまいます。
基本的に消耗品や経年劣化品を信用していませんからね。ケミカル類なんかもう下の下。
消耗や劣化が手応え足応えで分かるならまだしも,裏方制御じゃなぁ。
やっぱりガッツリ組み付けられた金属部品の方が,私は性に合っているのだと思います。
とか言いつつも,もしエクリプスクロスを買うとしたら,4WD買ってると思いますけどね。
なんか,ハイテクってカッコイイじゃん? オトコゴコロをくすぐるじゃん? って感じで。
根っこが戦闘機とか大好きなガキなので,それを連想させるものは好きなんですよねぇ。
……まぁ,でもでも,まず買わないと思いますけどね。
だってデカイし。デカすぎるし。横幅1800mmとかないわ。どこがコンパクトSUVなのかと。
正直,妻の実家の駐車場に入らない時点で選外。今のミラージュですらギリなのに。
そう考えると,よく3ナンバーのFTOをあのガレージに突っ込んでたな,俺。
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[解説・考察]メカニズムの話 | 日記
Posted at
2018/03/06 22:47:19
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