さいたまスーパーアリーナまではレンタカーを使ったと言いましたが。
ジャパンレンタカーで私が借りたのはコレでした。
最初から最後まで自分以外何も運ぶ気ないのに営業バン?と考えるとおかしいですが。
片道350kmを基本ノンストップで駆け抜ける構想だったので,やはり相応のものを,と。
コチラ↓の右の本であれだけ褒めて書いてあれば,否が応でも期待も膨らむというもの。
……だったんですが。
う~む,プロボックスってこんなもんか。
私の尿意を除けば,合計700kmを平然と走り抜けられたので,確かにいいクルマではありますが。
正直な話,これだったらうちのミラージュの方がいいかも,というのが偽らざる感想。
まぁ10年以上前の車種を捕まえて,という気もしますけども。
今回借りたのは,FFの4AT,今調べたら1.3Lでした(1.5だと思ってた)。
走行距離はおよそ50,000km,年式は分かりませんがあまり使われてない感じ?
タイヤは季節に合わせてスタッドレス,かつ積載前提のセッティングなので後ろの空気圧が高め。
で,以下,まずは気になったポイントをひたすら列挙。
①ポジションが合わない
ぶっちゃけ気に入らなかったポイントはほぼ全てはここに尽きるのですが。
結局,最初から最後まで納得の行くポジションに収まることができませんでした。
調整できる項目が少ないとはいえ,営業車としては頑張ってほしかったところ。
まずシート。
床とか天井とかペダルに対して,座面が高すぎ。
復路の新東名の途中くらいから太ももの裏がうっ血し,徐々に足先の感覚が喪失。
あと,スライドおよびリクライニングの調整感覚が広くて,ちょうどいいところに合わない。
こういう時だけは電動シートもありだなぁと感じてしまうところ。
次にステアリング。
後述しますがペダルの位置も悪いので,そこにシート位置を合わせるとステアリングが超遠い。
古き良き油圧式パワステで結構反力強めなんだから,できれば手前に引き寄せたい。
ましてギア比がスローなので,交差点曲がるのにも180度以上の舵角が要るのに。
やっぱテレスコはいるよ,そこケチるのやめようよ。
テレスコあるだけでよほどのクルマはびしっとポジション決まるんだからさぁ。
というか,テレスコを省く合理的な理由が思いつかない。コストもレイアウトも言い訳無用。
さらにペダル,個人的にはこれがショックでならなかった。
アクセルペダルはOK,割とどんな位置に座ってもスムーズに踏めて素晴らしい配置。
ですが,それに対してブレーキペダルがいくらなんでも手前に来すぎ。
足全体を目一杯引き上げないと,アクセルからブレーキへの踏み変えができません。
てか実際,板橋JCTで踏み変えミスって追突しそうになり冷汗かいたし。
かといってブレーキに合わせたポジションだとステアリングに手が届かない。
とりあえずC2の事故渋滞中に折衷ポジションを取りましたが,最後までブレーキは微妙でした。
せっかく重めのタッチでコントロール性も素晴らしいブレーキが,ペダルひとつで台無しです。
総評すると「うちのミラージュのがポジションはマシ」というまさかの結果に。
それか,やっぱり私の体型って平均を外れているんでしょうか?
かつてテレスコなしのクルマでポジションがしっかり決まった試しがないんですが。
②側後方視界
ルームミラーとドアミラーの整合取れてますこれ?
両ミラーで見比べた時の後続車の距離感が違いすぎ。
斜め後方に誰かいる時の車線変更がいまいち自信がもてません。
特に左後方ですが「本当に誰もいないよね?」と毎回不安。
なぜかは自分でも分かりません。何かいるように見えるんでしょうか。
あと,走行中に合わせたドアミラー位置にしていると駐車で線が見えません。
ちょっと上下方向の投影幅が狭いのかな。結構大面積だとは思ったけど。
まぁでも,全周視界は基本的に良いですし,車体感覚も掴みやすいです。
乗ってすぐでも車線はみ出さず路駐回避が出来るくらいには簡単。
③トランスミッション
旧式の4ATに文句言うなや,と言われそうですが((^^;
言っときますけど,私はどっちかというと有段トランスミッション派です。
結果的に思い通り動きゃMTでもCVTでもEVでもなんだっていいんですが。
やっぱり有段の方が思い通り動いてくれる率は高いと思います。
変速比固定のままエンジン推力だけで加減速を制御できた方がコントロールはしやすいです。
CVTは常時変速前提のトランスミッションなんで,設計者もそういう制御を書きがち。
で,プロボックスの4ATは,平和に動かそうとする分には非常にいいです。
アクセルを離してもシフトアップしませんし,踏み込んでも迂闊にシフトダウンしません。
速度調整の精度は優秀,少なくとも街乗りならミラージュのCVTより数段上です。
が,問題は思い切り加速したい時。
結構踏み込んでいるのにじわりじわりとしか速度が上がらない。
いっそシフトダウンしろよ……というところから踏んでいくと突然ギアが落ちます。
で,大型トラックに追突でもされたんじゃないかって衝撃とともに急加速。
あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ
スゥ~ッ
ア゛ッーーー!!
っていう感じ。
4速しかないのに2段くらい落としてない?っていう弾け方をする。
正直ビビる。
もっとスムーズに判断して制御を切り替えてほしいな。
急加速だって時には必要なんですから。
操作に対してオンタイムで動いてくれればこんなアホ加速じゃなくても済むのに。
まぁ,あるいはATFをあんまり換えてなかったりと整備の問題かもしれませんが。
それに所詮4速ですし。
嫌ならO/Dスイッチ切るなりセカンド入れるなりすればいいだけの話。
そういえばO/Dスイッチなんて久しぶりに見たかも。
私も昔実家にあったエスティマだかガイアだかで見たっきりですが。
今の若い世代はもはや使い方もわからないんじゃないかな。
④その他(装備品の問題)
ブリザックって結構煩い。
音量云々より所々で響く不思議サウンドがあまりにも気になる。
目下絶賛パンク恐怖症なので,変な音されると不安になるのよ。
それと,これもスタッドレス由来だと思いますが,横力の立ち上がり方が不自然。
高速の車線変更ではビュッと動くのに,首都高の旋回ではやけに立ち上がりが遅い。
スタッドレス履きの運転経験がほぼないからスタッドレスのせいかは分かりませんけど。
多分車両のセッティングとタイヤがあってないせいじゃないかなとは思います。
といったあたりが,昨日1日乗ってみて不満だったところ。
書いてみると,常にイライラしながら乗っていたように見えますね。
実際には決してそんなことはなく,思い出したように不満が顔を出す程度でした。
ただ私がプロボックスというクルマに描いていたイメージとのズレが大きかったというだけで。
まぁそれに,今回はほぼ全行程が高速をすっ飛ばしてるだけでしたしね。
下道がもっと多かったらポジションの件は更に深刻に効いていたかもしれません。
で,逆にいいところ。
①車体のしっかり感
東名の右車線走ってみると,車体がびっくりするくらいしっかりしているのが分かります。
ボディ剛性・サスペンションとも恐ろしく強靭に作られています。
前から後ろまで全くヨレないし,非固定物が揺れる音はしても車体自体の振動はなし。
ピッチングらしいピッチングもほとんどなし,もう綺麗なバウンシング姿勢。
まぁ,段差や目地で後ろが思いっきり跳ねるのもしっかり感じましたけどね。
しょうがない,貨物車で荷物も載せずにおっさん1人乗りで走ってる方が用途外なんです。
そこで弾かれても何の不安も感じない,素晴らしい安定性と接地性です。
②エンジン出力
いいエンジンですねぇ。実用エンジンとはこうあるべきって感じ。
全域に渡ってしっかりトルクがあるから,加速も減速も自由自在。
アクセルを踏んだらすっと加速して,離すとすっと減速する。
4ATのギア比との相性もいいんでしょうね。
やっぱり,最低でもこのぐらいのパワーがないと新東名は苦行ですね。
ちょっとの上りで失速して加速不能になるどこぞの3A9エンジンは…。
今回久しぶりにストレスのないペースで新東名を走れて満足です。
FTO時代を思い出してなんとなく幸せ。
ただ,もうちょっとエンジン音が聞こえるといいかなぁ。
思ったよりエンジンルームの遮音がしっかりされてて,エンジンの稼働状況が分かりづらい。
タコメーターもないから,どのくらい回っているかが分からないと出力制御に少し難があるかも。
③ブレーキフィール
ペダル配置こそ上記のとおりですが,フィーリングは非常に良かったと思います。
踏力は手前からずっしりと重めで,不用意に奥に入っていきません。
で,ちょっと踏んだだけではちょっとしか効かず,踏み込めば踏み込むほど効いていく。
なるほどこれが理想のブレーキのタッチか,と感心しました。
で,そのまま停車するまで余裕の踏力一定。止まるイメージがしやすいです。
リリース時に制動切れがやや唐突ではありますが,これまでのベストブレーキだと思います。
という風に,走行性能は非常にしっかりしてます。
不満だった点をどうにかして解決できれば最高の移動体になりそう。
総評ですが,久々に楽しい高速クルーズができました。
新東名を走るには,やっぱりパワーが大事だよ。
でも旧東名を走るにはボディと足回りが大事。
プロボックスはその両方を兼ね備えているので非常に楽です。
1.5Lの5MTだったらもっと楽だったんだろうな,というのは言わないお約束。
燃費はというと,往路は17.0km/L,復路は14.2km/L。
詳細は省きますが,あの走行パターンでこれなら非常に優秀だと思います。
燃料タンクは50Lあるんで,普通に走ればスーパーアリーナの往復も余裕です。
正直,ライブの往復だけなら毎回プロボックス借りるのもアリかもしれない。
複数日に渡ってってなると,始業前点検をしなきゃならないから面倒だけど。
高速を使った日帰り移動だけなら,これはなかなかいい選択肢だと思います。
まぁでも,今回一番感じたのは,
これまでやってきたA05A能力向上改修は間違ってなかった
ということかな~。
ぶっちゃけ,パワートレイン以外はうちのミラージュもほぼ同等か以上だと思う。
ボディやサスペンションのしっかり感も遜色ないと思うし。
ブレーキも重いか軽いかの差だけでコントロール性は似たようなもんだし。
ステアリングも同じく。シートポジションと操舵力の相性ではミラージュのがマシか。
あとコックピットに関しては,計器やインフォテイメント含めて普通にこっちのが上。
パワーだけはどうにもならない,今更3A92拾ってくる気にもなれないし。
新東名の疲れ具合にダイレクトに効いてくるだけ,どうにかしたいのは山々ですけど。
それに,燃費さえ気にしなけりゃだいぶ気も楽になるのは分かってますし。
というわけで,色々気づきの多いレンタカー旅でした。
マイカー持ちの人も,一度やってみると面白いと思いますよ,レンタカー旅。