第1話はこちら
男には、権力と対峙しても一歩も引けられない局面がある。
果てしない旋律の無限螺旋。
二人の脳内にはバビル2世のオープニングテーマが永久機関を取り付けたオルゴールが如く、駆け巡っていた。
漲る水木一郎に全てが浸食されつつあるすのこの脳内に一縷の光が差す。
それはこの状況に終止符をうつ、ひとつのアイデア。
毒を以て毒を制す--------------------------------
危険な賭けだった。もし失敗すれば、我々はもう二度と立ち戻ることはできないだろう・・・でもやらなければならない、社長はすでに生気がない、今にも「・・・かゆ・・・・うま・・・」とかつぶやきそうだ・・・
社長「ポセ~イドンは海をゆけ~・・・・・地~をか~け~ろ~・・・」
すのこ「♪テンテンテレテレ ♪テンテンテレテレ ♪テンテンテレテレテン・テン・テン!」
社長「・・ハッ! ・・・え?そんな間奏だったっけ?」
我にかえる社長、
すのこ「いえ、社長、これは間奏ではありません」
すのこ「♪テンテンテレテレ ♪テンテンテレテレ ♪テンテンテレテレテン・テン・テン!
♪テンテンテレテレ ♪テンテンテレテレ ♪テンテンテレテレテン・テン・テン!
♪チャ~チャ~チャ~・・・」
社長「まさか・・・・それは!」
すのこ「はい、アニメ『サザエさん』の挿入曲のひとつ、
【サザエのテーマ】
です。
♪チャ~チャ~チャ~ ♪チャラチャンチャンチャンチャーン!
♪チャ~チャ~チャ~ ♪チャラチャンチャンチャンチャーン!・・・」
社長「はう! サザエが~サザエが~~入り込んでくる~~イカン!
・・・す~なの~あら~しぃ~にぃ~・・」
すのこ「♪ズッチャ! ズッチャ! ズッチャ! ズッチャ!」
社長「なんだそりゃ?前奏だけじゃん!」
すのこ「たわけ! その程度、前奏だけで十分だ!」
既に社長はバビルの塔のコンピューターのクグツとなっているのであろう。サザエの会心の一撃に反撃的な態度をみせた。
しかし、形勢は大きな転換をみせていたのは確実だった。
社長「(||゚Д゚)ヒィィィィ・・・ち、地球の平和を守る為~~~・・」
耳をふさぎ、心の中へ押し込むようにバビル2世OPを流し込む社長。
しかし、一度入り込んだサザエさんは脳内で“イロウル”のようにマルティプライズする。 しかもサザエのテーマがいつの間にかカツオのテーマになったり、多羅尾のテーマになったり変幻自在。オープニングテーマよりも作中にさりげなく流れている挿入曲は無意識のうちに刷り込まれてしまうため、捉えどころがなく、曖昧なイメージが同時期に取り込まれた様々な曲を呼び起こしてしまう、
「ポーンこそがチェスの魂である」(フィリドール)
戦いの大局を決めるのは将ではなく無名歩兵の群れ、ということだ。
もう、前奏を奏でただけで、サザエはすかさず再起動する。
勝敗はみえた
かにみえた、、、、
社長「ん・・と・・・ さっきさ、私に“たわけ”って言ったよね?」
すのこ「( ゚д゚)」
社長「言ったよね?」
すのこ「(||゚Д゚)ヒィィィィィィィィィッィィッィィッィ な、なんでそこだけ覚えてるの!?」
社長「12月か・・・ボーナスの査定・・・まだ済んでなかったんだよね・・」
すのこ「(||゚Д゚)アバババアババアバくぁwせdrftgyふじこlp;」
十二月の雨の日
窓の外、雨はあがりて薄日差す、
凍てついた空を、街翳が縁どる
はっぴい“いいえ”えんど
Posted at 2011/12/03 17:11:10 | |
トラックバック(0) |
日常の中の非日常 | 日記