
今回選んだ宿は (選んだと言っても白骨温泉だとさほど選択肢はない),
湯元 齋藤旅館.予算的にはちょっと高めなのですが,今回は 1 泊しかしないし,交通費があまりかからない比較的近場なのでその分を回すと考えればいいやということでチョイス.
さて,白骨温泉といえば 2004 年に発覚した温泉偽装問題があまりにも有名.偽装が発覚したのは,共同浴場の「野天風呂」と十数軒ある旅館・ホテルのうち「白船グランドホテル」「
つるや旅館」「小梨の湯 笹屋」だそうな (あ,書いちゃった!).なので今回はそれら以外から選んでみた.
結果的に正解でした.白骨温泉はロケーションとしてはまさに秘湯で,山の斜面にへばりつくようにそれぞれの旅館やホテルが建ち並び,こぢんまりとした温泉街を形作っています.湯元 齋藤旅館はその一番奥に位置していて,牧水荘・昭和館・大正館・介山荘と 4 つの客室棟を持つ,結構大きな旅館.今回はその中で一番お安い牧水荘.浴場までは遠いのですが,逆に食事どころへはすぐで,ロケーションとしては問題なし.比較的大きい宿とは言っても白骨温泉自体小さな温泉街ですので駐車場も狭く,バレーパーキング方式 (こういう場合もそう言うのか?) ですので,その点はちょっと不便ですが.
冒頭の写真は部屋から見下ろしたら真下に AXELA が駐められていたの図.その向う側は湯川で,少し上流に作られた高さのある堰堤から流れ落ちる水の音で,部屋の窓を開けておくともの凄くうるさいです.冷房設備なしの部屋ですが,夜は窓を開ける必要もなく,窓を閉めればほとんど音は聞こえませんでした.
お風呂は,洗い場なしで露天だけの「鬼が城」と,内湯・露天風呂がある大浴場「湯元館」,そして大正館にある貸切風呂の「仙人の湯」の 3 か所.今回は貸切風呂は借りませんでした.日によって男女入れ替えなので,4 か所に入れる訳ですが,さすがに 1 泊 2 日で 4 回も入浴する暇はなく,うち 3 つに入ったのみ.
到着した日は真っ先に "野天風呂" の鬼が城に入りました.乳白色のお湯がたっぷりなのはいいのですが,湯船が真っ白で大理石のバスタブかプールみたいだなというのが第一印象で,野天という割には野趣に乏しい... と思ったのですが,よくよく考えるとそれこそが白骨温泉の語源ともなっている「白船」だったのですね.お湯に含まれる成分 (炭酸カルシウム?) が堆積して,まるで真っ白な大理石のような湯船になっていたという訳です.
白骨温泉は炭酸水素塩温泉 (硫化水素型) で私の大好きな硫化水素の匂いがぷんぷん.残念ながら湧出温度が低い (35℃~) ので加温はしているそうですが,加水・循環はしていない源泉掛け流しなので文句ありません.鬼が城は加温もぬるめで,長く入っていられます.この温泉はもともとは無色透明なのが,空気に触れると乳白色に変化するそうで,色々な条件によりその色の変化が乏しいときもあり,その特性がかつての偽装事件につながったようです.私が入ったときはいずれも,完璧なる乳白色でした.匂いも強烈で,鼻でも楽しめるいいお湯です.
牧水荘からだと複数のエレベーターでの上り下りと,長い廊下をずんずん歩かないとたどり着かないお風呂場ですが,さほど気にはなりませんでした.到着直後と夕食後,翌日の朝食後にそれぞれ入って満足です (帰ってから数日経って洗濯してもなお,当日着ていたシャツからは硫化水素臭がまだかすかにしています).
食事は,ここも少し少な目かなという気がしますが,食べ足らないほどではなく,そういう意味では長い経験でどんぴしゃの量を狙えているのでしょうね.朝食も,私にとっては和食のみというのは好みとしてはちょっとつらいのですが,それでも十分においしくいただきました.まぁ,こんな温泉旅館に来て,アメリカンブレックファストってのもナシだとは思いますが :-)
今回の投宿は,一番安い部屋,かつ,今回は
楽天トラベルからの予約ということで,旅館側にはうまみのない客だったと思うのですが,食事処ではなぜか個室 (座敷) を 2 食とも用意してもらって,落ち着いて食べられました (通常のテーブル席で食べているお客もたくさんいました.もしや,「ガキ」連れだと隔離するために個室なんでしょうか(*゚ー゚)).
昨日泊まった保養所にあったマッサージチェアより快適性は劣りましたが,湯元館手前にマッサージチェアが置かれておりここもなぜか無料.使っているお客もあまりなく,ここでもマッサージ.ただ,昨晩の気持ちよさとはかなりの差なので,すぐに切り上げてしまいましたが.

館内は掃除も行き届いていますし,全体的にゆったりした作りで,非常に快適に泊まれました.クルマを預けるとき,何時ごろチェックアウト予定か,それによってクルマを出しやすいところに入れますので,と訊かれ,たぶんゆっくりと答えておいたのですが,チェックアウトして外へ出て行くと,クルマはすぐ出せる位置にきちんと移動されていました.
そして,キーを受け取るときに,「ギアが入っておりますのでお気を付けください,念のためとは思いますが」と言い添えられたのにはびっくり.今どきであってもこういう施設のスタッフであればマニュアル車くらい運転出来るのは当然でしょうが,まさかそんなことを言ってキーを渡されるとはなー.素晴らしいです.
(上の写真は,上高地・乗鞍スーパー林道をちょっと戻ったところから見た湯元 齋藤旅館.左の建物が泊まった牧水荘.木に隠されて見えないが,この右側に浴場の鬼が城や湯元館,客室棟の介山荘がある)

予想したとおり,昨日午後は渋滞していた県道も今日は渋滞しておらず,スムースに R158 へ出られました.昨日寄ったテプコ館を過ぎ,R158 沿いの,道の駅 風穴の里のすぐ近くにある「みどの工房」というところに立ち寄り,「深山織」という織物の機織り体験.……実は,子供の夏休みも明日で終わろうという本日に至るまで,夏休みの宿題である自由工作・研究をまだやらせていないのでした(;´Д`) 昨年,どこかでやって来た陶芸を出していた子もいたという妻の意向により,ここで体験して作成した深山織をそのまま出させようというお気軽プランです
(^^;
深山織というのは,横糸が糸ではなくて古布を紐状に裁断したものを使う織物なんだそうな.なので,機織り体験の短い時間でやっても,面白いようにあっという間に織れていきます.コースターで \1,000,テーブルセンターで \1,500.ただしこれ,行って初めて判ったのですが,その場でお持ち帰り出来ません.後日郵送とのこと (上記金額は送料込み).えー,なんでよと思って,その後実際に体験してみて判りましたが,機織り機の構造上,織り上がったものはくるくると機織り機に巻き取り,引き続き縦糸を押さえる役目を果たしますから,織ったそばから外す訳にいかないんですね,なるほど.人生ん十年生きて来て,初めて機織り機の構造を (少しだけ) 理解しました.
いやまて,そこで理解して終わっては,郵送には数日かかるとのことで,9/1 の始業式に持たせる自由工作がないっ! ということを説明してお願いしたら,「ならば終わってから 1 時間くらい待っていただければその間に準備してお渡ししましょう」と交渉成立,無事機織り体験した成果をその場でお持ち帰り出来ることに.要するに,体験で織った後,体験で織った部分が切り出せるようになるまで工房のおねーさんがせっせかと機織りしてくださるという訳ですな.ご迷惑をおかけしました(´・ω・`)
てな訳で無事,夏休みの宿題も完遂して (妻も機織り体験して,こちらは郵送してもらうことに),帰途に.ちょうどお昼になったので,長野 IC のちょっと先で見つけたそば屋で昼食.このそば屋さん,20 年近く前に友達と長野新そば食べまくりツアーを敢行したとき,最後に寄ったような,寄らないような... 当時の記録を一生懸命掘り出そうとしましたが,発見出来ず.当時はデジカメじゃなかったから,写真も少ないしなぁ... 最初に戸隠に行って,その後長野市内,最後は松本だったのは少ない写真からも読み取れるので,ここにも来た可能性は高いのですが.当時のメンバーとは残念ながら連絡を取っていないので,「どこの店に行ったっけ?」と気軽に聞けないのが残念.連絡先引っ張り出してみるかな.何だか,今でもまだもやもやしっぱなしです (苦笑).
そばをおいしくいただいた後,松本 IC から高速に乗って帰路へ.

月曜日のお昼過ぎですから,当たり前のようにがらがらの長野道・中央道を順調に進んでいたのですが
ががっが
がgっ,甲府あたりで飛び込んで来た道路情報は「笹子トンネル事故渋滞 3.5km」(;´Д`) せっかく快晴の空の下,快適に飛ばしてんのにふざけてんじゃねぇぞこの野郎 (いや,女性ドライバーかも知れん).若干ペースを落としつつ甲府盆地を進んでいると... 今度は「大月-勝沼事故通行止め」(´・ω・`) おーいっ,ここからなら自宅までは 100km ほど.小仏トンネル渋滞もさすがにありませんから,1 時間もあれば自宅に到着するはずなのに,通行止めかよっ! あり得ねぇ... ヽ(`Д´)ノ
そのまま突っ込んで通行止め解除を待つのがよいのか,素直に勝沼で降りて大月まで R20 でうねうねするか,いっそのこと R411 に回ってずっと下道で行くか... と考えている間もなく勝沼で強制流出(´・ω・`) こういうときって,その先で再度乗っても何も割引とかはないんだよね? 距離を乗れば乗るほど得な料金体系になっているのに,何だか納得いかない.
さーて,じゃ久々の R411 峠越えで帰っちゃおうかなーと思った瞬間,何も言っていないのに同乗者 2 名から却下されました
(~_~; ばれてた... しょうがないので R20 でうねうねうねうね.途中,後ろから救急車が来て笹子トンネル方面へ曲がって行きましたが,あれはこの事故処理関係だったのでしょうかねぇ... 見上げると,まだ笹子トンネル前の中央道にはぴたっと動かないクルマの列.あそこにいるよりはここにいてよかったかもね.真面目な話,事故は私が勝沼 IC で流出する 20 分とか 30 分くらい前に起きたようですから,さっき眠さに耐えかねて,中央道原 PA に寄って眠気覚ましのガムを購入したりの休憩をしていなかったら,どんぴしゃで事故そのものに巻き込まれていたかも知れないし,事故の後ろにいて,あんな風に並ばされていたかもね...
(いやいや,論理的に言えば,「この先,事故が起きて通行止めになる
かも知れない」と考えて,時速 120km/h くらいで巡航していれば,通行止めになる前に通り抜けられて,あとちょっとで家に着いていたかもなー (笑))
結局,大月 IC までは R20 で 35 分.勝沼 IC~大月 IC 間の R20 は峠越えゆえほとんど信号はありませんので,また,平日昼間ということでクルマの流れも少なかったので,強制流出させられた車のほとんどが R20 に流入してもさほど時間のロスにはならなかったのは幸いですが,勝沼 IC~大月 IC は 19.7km.順調に 80km/h 程度で走れていれば 15 分ほどの距離.やっぱり無駄な時間を過ごしてしまいましたね.
途中,初狩あたりだったかで,対向車線に白黒パンダパトカーに停められているクルマを発見,その直後にレーダー探知機が激しく鳴動を始める.うむむと思っていると,対向車線路外に停まっているこれまた白黒パンダが.よくよく見ると,レーダー搭載型(*゚ー゚) うはっ,こんなところで速度取り締まりなんかやってるんだ... しかも山梨県警にもレーダー搭載白黒パンダなんてあるんですねぇ.びっくりしました.
大月から再び乗って,また当然がらがらの中央道をがしがし進んで無事帰宅.JARTIC のページを見てみると,まだ通行止めは続いており,さらには勝沼 IC を先頭にした渋滞も発生していました.並んでいたクルマはきっとそのままでしょうし (あるいは誘導されて U ターンしたかな?),こんなタイミングで通過して,渋滞+通行止めに遭うよりはよかったのですが.結局この通行止め,2 時間ほどかかって解除されたようです.
翌日検索してみると,岐阜県可児市の会社員 (30) が運転する軽トラックが笹子トンネル内を走行中に,前を走る 2t トラックに追突,両車線をふさぐ形で横転した事故だったようです.「前をよく見ていなかった」そうで,ふざけんじゃねぇぞやっぱりこの野郎,でしたね.

そういえば,勝沼 IC から出るときに「割引」表示がされて気付いたのですが,今は平日昼間割引なんてのもあったのですね.これは,100km 以上走行した場合は 100km 分を 30% 引きするそうで (以前は 100km 以下の走行に限って割引),今回,勝沼・大月 IC で走行を 2 回に分割した結果,松本 IC~勝沼 IC だけで既に 100km を越えていたので,両方でこの平日昼間割引が適用される結果となりました.従って,上記のように遠距離逓減がいったんリセットされてしまったものの,通行止めにならずそのまま走った場合の料金より,結果として安くなっていました.迂回させられた挙げ句,料金まで高かったらふざけんなよヽ(*`Д´)ノですが,その意味ではまぁよかったのかな.
2 泊 3 日の往復で走行距離は 500km ちょっと,当然いい燃費を叩き出していましたし (そういえば,燃費のいい
某代車で行こうかとも一瞬考えたのですが,やはり慣れたクルマでと,AXELA で今回は出掛けました),無事に帰って来られましたのでよしとしましょう.