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ルマン24hレース制覇を目指して作られたP35グループCカーは日本と北米のジョイントで開発された。1993年2月のDaytona24hで実戦経験を積み、6月のルマンで優勝するというのが予定の筋書きであった。北米日産の子会社NPTIで車両が、日産追浜でエンジンが開発された。P35車は1992年春にNPTI近くのドラッグレースコースでシェークダウンされた。その後北米各地のレースコースでテストを進め、日産のアリゾナテストコースでも最高速テストを実施している。しかし、何という運命なのか。93年のDaytonaレースの数週間前に北米日産が開発中止を決定したのである。この頃、北米は極端に不景気になっており、北米日産はレースに出場する費用をも出したくないということになったのである。NPTIは直ちに解散となり、数十名いたエンジニアやメカニックはチームを去った。クルマのなくなった我々エンジン開発チームもやることがなくなり、何の結果も持たずに日本に帰国することになった。これもまた人生なのである。VRT35エンジンは24h耐久レース用に開発された約650psを発揮するV型12気筒3.5lエンジンである。この後P35は日本のnismoに移管され、ホィールベースを詰めるなどの改良が加えられ、NP35としてグループCレースに参戦する予定であった。しかし日本のグループCレースも92年一杯で」終了したため、NP35は92年美祢の最終戦にテスト参戦しただけでお蔵入りとなった。

日産の追浜でかつてはFormula　Oneエンジンの開発を検討したことがありました。京都にある、ダンディな社長が率いる某チームと一緒に開発しようかという話が持ち上がり、エンジンの車載机上検討までは進みましたが、諸般の事情により中止になりました。せめてエンジンを作って1度でも回してみたかったが、今となっては良い思い出になりにけり。

1999年のニュルブルクリンク24hレース
Falkenさんとnismoのタイアップで参加したレースです。クルマはグループN仕様のR33GT-Rで出力は500ps程度だったような。確か総合5位くらいだったのではなかったかと。ドライバーは田中君と木下君とあと二人いましたね。
ニュルの一番の思い出は、この時期最高に美味しいアスパラガスを目一杯食べることができたことかな。

1998年のルマン24hレースはR390で日産初の表彰台（3位）を勝ち取ったレースでした。ドライバーは星野さんと亜久里君、それに影山正彦君の3人です。写真はレース前にジャコパン広場で撮ったスナップです。
レースの後、宿泊先のホテルクリマに戻り、みんなで乾杯し、食事をしました。酔っぱらった亜久里君に赤ワインをシャツに掛けられてひどい目にあった思い出が。
思えば日産にとってはこの98年がルマンにおける最高の年でした。

菅生テストでの1場面
R92CPグループCカーのテスト場面です。アウトの星野さんがインにいる長谷見さんを抜きにかかっているのがわかります。レースの合間に占有でコースを借り切ってテストをしていました。時には日産の占有にトヨタも一緒に走ることやその逆もありました。占有走行はとても高いのでライバルチームと一緒に走って費用を折半していたわけです。