2011年12月26日
フランスなど欧州では自転車が車道を走るのは当たり前だし、自転車専用道路もかなり良く整備されている。そもそも基本的に歩道と車道は必ず区別されていて、同じ道路を車両と歩行者が同時に通行することはあり得ない。また、自動車の運転者は自転車を車両と認識しており、バカにもしなければ邪魔者扱いもしない。自転車運転者も道交法を守り、右左折時は他の車両に腕で合図してから曲がる。歩道を走るなどということは考えられないことと認識されている。事実そのような光景を見たことはない。小学生の子供でもきちっとヘルメットをかぶって走っている。
フランスにおける2輪車(オートバイ)のマナーについてはかなり悪く、死亡事故も多いのだが、今はこのテーマでないので詳細は省く。(経験した限りではイタリアの2輪車マナーの方がフランスよりもかなり良かった。)
このような車道と歩道の区別の意識は馬車の時代から培われた古い歴史があるのであろう。道路には必ず歩道があるし歩道のないところを人間が歩くということは想定されていない。
一方、日本はというと車道と歩道の区別がない場合も多く、せっかく区別があっても自転車の歩道走行を許可してきた(江戸時代まで道路は馬と人間が同居していた歴史があるためであろうか)。この結果、最近のような歩行者と自転車間の重大事故が発生するに到っている。そもそも限られた場合に限り自転車も歩道を走行可であったものが、自転車運転者は「歩道を歩く邪魔な歩行者」という意識になってしまっていたのが問題の発端と言えるのではないか。
しかし、その一方で、甲州街道など幹線道路を通勤などで自転車で走っている人たちはマナーが良く、信号でもきっちっと止まっており、意識の高さを感じる。
ママチャリや小さな子供が乗る自転車で車道を走るのは危険だという意見が出ており、実際に警察自身も対応が一貫していないようであるが、やはり基本的には自転車は車道を走るべきである。もちろん車道を走る際に、駐車車両の存在や、自動車運転者の意識(自転車を邪魔者扱いする)は問題で、解決されなければならない。しかし自転車に乗るものが車道を走ることで、車両の一員としての自覚を持ち、車両ゆえに危険を伴うということを自覚することも必要とされるのではないか。
日本ではそう簡単に実現することはできないが、今後はやはり自転車専用道路の整備は少しずつでもしていくことも地道ながら重要な道路政策ではないか。
少なくとももうすぐ完成するという第二東名高速道路よりはよほど利用価値があると思うのだが。
Posted at 2011/12/26 14:41:58 | |
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